温故知新中国料理 「喜臨軒」(キリンケン) 定期再訪→前回。
(レンタロー) シェフー!オラだよ。10月17日放送の「新チューボーですよ!」見ただよ。
酸辣湯麺作ってただな。ほんで、今日もよろしゅう頼むだあ。
私達同様、当店が大好きなブログマスコット、さっそくシェフにご挨拶である。
某日はディナー訪問。
予算を告げ、リクエストはコース料理に最近力を入れているという鶏煮込みそばと
季節のおすすめを組み込んでもらい、お任せでお願いした。
リザーブした特等席は、カウンター中央のシェフズテーブル。やはり、この席がいい。
テーブル・セッティングなどは、変わりがないため省略。
当店、卓上に菜譜の用意はなく、サーブ時に口頭説明というスタイル。
また今回、シェフから「コースとしてのバランスはあまり良くないかもしれませんが、
季節メニューを含み面白いメニューで組んでいます。」と全体の説明を受けられた。
料理は、基本的に各人ごと のポーションで供されるが、大皿の場合は各自での
取り分けが必要となる。
なお、ドリンクは、ザ・プレミアム・モルツ樽生@600×3からスタートし、
紹興酒 孔乙己(コンイージー)@3,500、ヴェルデホ(ボトルワイン白)@3,400に進行した。
拼盘(前菜)
①花咲クラゲの冷菜・・・こりこりの食感が楽しめるクラゲは相性の良い葱・生姜ソースで。
②新サンマの燻製・・・サトイモを間に挟んだサンマは程よい燻製香をまとい、しっとりふかふか。
濃厚な黒酢ソースをつけていただく。また、ここには白菜のマスタードソース和えも同席。
③鱈の白子のフリット・・・白子のフリットはとろ~りとして期待を裏切らない美味さ。
香港漁師風のスパイシーなパウダーとは鉄板の相性で酒に合う。
④蒸し鶏・・・よだれ鶏風に仕上げていますが、辛さは控えめ。
手間を惜しまず、味の方向性をそれぞれに違えた飽きのこない前菜に大満足です。
大闸蚧“大”小笼包
サーブ時に針生姜を入れた黒酢もセット。
「ちょっと懐かしいスタイルになりますが――。」
上海蟹味噌入り小籠包はストローを刺し込み熱々スープを吸い上げるという
楽しいアトラクション付き。
ストローはスープが溜まっている横から下に向け、刺すのが良いとのアドバイス。
濃厚な味噌のコクが舌先に集まり、ピンポイント的な美味しさを感取したあとは
小皿に移し、黒酢を少しつけて味わう。もっちり厚めの皮なので、単なる點心というより
“食べる”行為がしっくりとはまる1品料理的なポジショニング。充実感ありだ。
秋味春巻
サーブ時にとろみをつけた黒酢ソースがセット。
きつね色に揚がったパリパリの皮を噛むと、フォアグラ、鴨、栗、マイタケなど、
調味された旨味の強い餡がみっしり。
ボリュームがあってリッチな春巻きはそのままで十分に美味しいけれど、味が濃厚なため
さっぱりさせたいときは、手もとで黒酢ソースを活用すると良い。
马来炆石斑魚(2名分)
ハタの馬来醤煮込み。春雨、キクラゲ、フクロタケ、茄子。
マレー風の煮込みソースは蝦醤が効き、ローカルぽくってエスニックな味付け。
白飯を誘う旨さだが、先はまだ長い。
ここで満腹になるわけにはいかないため、泣く泣く断念。美味かった。
雑菜蚧殻湯
上海蟹の殻で取った湯(スープ)。好香!好香! 蟹の香りがします。
スープは白菜や大根、甘みのでる野菜とともに炊き、ナチュラルでふっくらとした
優しい味わいで胃袋も癒される。あっと、お宝発見!蟹の身入りの肉団子も参加です。
香醋五行山肉
ナイフとフォークがセッティングされ、次の料理は岩中豚の黒酢酢豚。
話によると、牛は千屋牛、鶏は二宮、豚では最近岩中豚が気に入り使用されているのだとか。
厳選したブロック肉は薄く衣をつけ低温でじっくり揚げ、外側はかりっと。
黒酢をベースとしたソースは唐辛子の辛味にピリリと花椒を効かせ、下には大根を敷き、
仕上げにカシューナッツを散らし、頂には金針菜で彩りを添えている。
うっすらピンク色の肉の断面が美しい。
岩中豚は岩手県産のSPFポークとして有名なブランド豚。
肉の繊維がとろとろにほどけた酢豚とは異なり、パサパサにならないよう火入れに
気を配って、噛むことできめが細かく質の良い肉の旨味を、歯切れよく味わえるものに
なっていて、赤身の美味しさ的な魔力がある。
しかし、少し黒酢使いが続きすぎのような……。
(寝太郎) え!何言ってるんだよお。
(レンタロー) シェフは最初に言うてくれてただ。バランスとしてはあまり良くねえかもと。
オラたちにうめもんいっぺえ食べさせようと、心を尽くしているだ。
今更そこをいうのは反則だで。人として許されねえ(怒)!
(寝太郎) レン。……(汗)。
咸鸡煨麵(2名分)
サーブ時に骨入れも用意してくれた。
手羽元、青菜、キノコ、干しエビ、刻みネギ。
塩漬けにして蒸した鶏の蒸しスープを使い、その鶏はあと乗せ方式。
寝太郎さんの協力による麵リフト!
私がイメージした鶏煮込みそば(香妃園、新橋亭、八重洲大飯店)とは異なるものでしたが
スープは生姜が効いていて、肉がくたっと散り散りに崩れきっていないから、
(鶏肉を)がっちり食べるお楽しみがある。
ボリュームたっぷりのご馳走麵は、力強い1品料理的な立ち位置を有しているから
〆には盛り込みすぎに感じられ、ちょっとヘビーかも?
(寝太郎) 独創感のあるシェフの心意気が詰まった渾身の料理だよ!
酒も飲めて、腹も満たす。僕は嬉しいなあ。カモーン!だよ。
甜品(デザート)
表面に香りの良い桂花醤のシロップと食感のアクセントに杏仁を散らした梨の杏仁豆腐。
ひと口サイズのケーキはカボチャでした。
(ノブロー) デザートで赤ワイン追加だで。ほんによう飲むだー。
フロアサービスも戦力となる新人が加わり、一時期体調が不良だったシェフも元気になった
ようで本当に良かった。これでお店も安心、当店のファンの1人として嬉しく思う。
お会計は、1人当たり12,000円(千円未満四捨五入)
今宵もシェフの本気が感じられるコース料理に大満足。楽しかった。
退店時には、当該コースの中国料理名を記したメモをいただく。
記録はそれを参考にさせてもらっています。
喜臨軒 (キリンケン)
東京都世田谷区池尻3-2-5 コンフィアンス流来 B1F
TEL 03-5787-6982
営業時間/ 月~土 11:30~14:00 (L.O)18:00~22:15(L.O)
日・祝のみ~21:00(L.O)
定休日 日曜(但し、第1日曜日のみ営業)・月曜日ランチ
※中国料理満足度数は5.0 (*^・^)ノ特別。 断然定期訪問。