como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

龍馬伝 第1話「上士と下士」

2010-01-04 00:08:12 | 過去作倉庫07~10
全国の大河ドラマウォッチャーの皆様、新年おめでとうございます! 今年もやってまいりました、大河ドラマ第一回のレビューをあげる日が。 
2010年大河ドラマは、みなさんお待たせいたしました、満を持して坂本龍馬、龍馬伝の登場です!!
 でも、ちょっとアップ遅くなっちゃって、またお年賀のお返しなんかもできてなくて申し訳ないです。実は、この正月、ウィルスに感染しちゃって…いや、私がじゃなくパソコンが。エライ目にあってました。ウィルスは完治しましたが、使い慣れたワープロソフトが壊れ、メモ帳で書きにくい思いをしながら書いてるんで、時間かかっちゃって。
ってなことで、塾生各位、また初めておいでいただいた方にも、あらためましてこんにちは。遊人庵庵主と申す者です。これから11ヶ月にわたりまして、龍馬伝を肴に、ドラマの感動を語ったり、ツッコミ入れたり、お勉強したりと、いろいろやって遊んでいきたいと思います。皆様よろしくお願いいたします。

 まず第一話のお約束として、OPから突っ込ませていただきますね。実は、OP前の香川照之さん=明治の大富豪岩崎弥太郎が、アバンタイトルに後ろ姿で登場したとき、不安でいっぱいだったんですね。香川さんは、だって、先週までやってた「坂・雲」の正岡子規の演技があまりに良すぎて、強烈で。その翌週に岩崎弥太郎になったりして大丈夫か?ってこれは私だけじゃなく、みんなが心配したと思います。
 がっ! この岩崎弥太郎が、居並ぶ明治の紳士淑女(これも坂・雲とかぶるイメージ)を前に、「わしゃー、土佐の地下浪人の家に生まれ…」って第一声を発したとき、ブルッと震えました、ワタシ。その瞬間、正岡子規は去年の記憶の彼方に去り、そこには強烈にアクのつよい岩崎弥太郎がいたんです!! いやーもう、坂・雲からなんども言っててしつこいようだけど、香川さんてほんと、どんだけ演技巧いんでしょうね。このあと、刺客の男を「このわしを国賊じゃとう!」っつって足蹴にする迫力もすごかったですが、新聞記者に「坂本龍馬の話を聞かせて下さい」ってインタビューされてブチ切れて、「あいつはわしがこの世でいちばん嫌いな男じゃったき!!」って言ったとき、完全に子規の背後霊は消えたね。も、別人。目の中に燃える炎が別人の炎ですよ。すごいなあ。
…という迫力のアバンのあとにはじまったOPなんですけど……んー、好みはいろいろでしょうが、ワタシ的にはこれ、限りなく「なんじゃこりゃ」な感じでした。福山ファンのみなさんスマン。ま、ファンにはタマランのかもしれないけど、あまりにゲームチックに派手派手なのもね。ほんにゃらふにゃららハイーーッ!みたいな唐突な女声ボーカルも、なんかね…。てか、「北条時宗」思い出しちゃったのはワタシだけですか。

 と、パッケージの趣味は微妙なんですけど、中身はすごいよ。すごい。ことしは香川弥太郎がナレも担当してて、これも楽しみ。なんか、香川さん凄い凄い言ってたらそれだけで終わっちゃいそうなので(笑)、がんばってさきにいきますね。
 大河ドラマ第一回はだいたいそうなんですが、75分拡大で、主なキャストの顔見せ中心のプロローグです。そんなに大きな話の動きもないんですが、ワタシ、この第一回でかなり涙目になって、何回か落涙までしてしまいました。イヤーまいった。「坂・雲」でだいぶ涙腺緩んでたのと、去年の駄作のおぞましい記憶から大河ドラマ飢餓状態になってたのもありますけど…やっぱり、来るのよ、日本人のハートに。こう、ズシーッと。
 目にしみる美しい農村風景とか、農民や下級武士のボロくて汚い着物、家の中の質素さ、薄暗さ、女の人の自然な腰の低さ、男たちの野太くてごっつい感じ。みんな余計なことは何もいわないし、黙ってる横顔や背中やうなじの後れ毛がいろんなことを語っている…というのも「坂・雲」や「翔ぶが如く」や、過去の名作とおなじで、もう、NHKやればできるじゃん!って思ってしまう。 今週は、ホコリまみれで足蹴にされる香川さんの、歯の汚さに泣いて、百姓に威張り散らす最下級武士の蟹江敬三に泣いて、おかあさんの死に泣いて、雨のなか陵所を守って立っているおとうさんの児玉清に泣いて、そしてラストにも…って感じで、かなり涙腺がやばかったです。ま、わたしの内なる日本人が激しくゆさぶられたってことですね。

時は遡り、天保14年。彼らの子役時代から話ははじまります。天然パーマのちび龍馬は、はっきりいってトロい子で、いつもみんなにいじめられてる。弥太郎は、おとうさんといっしょに内職の鳥かご作りと行商にあるいて、ボロボロの着物で汗まみれで、目がぎらぎらしてて、子どもながらに強烈にハングリーなにおいのする子です。方や龍馬のほうは、か、可愛い…。ハッキリいって去年のこましゃくれたガキよりずっと、天然で清らかで可愛い。
 おとうさんが年とってから生まれた龍馬は、家族みんなに可愛がられているせいで、天然でトロい子にそだってしまい、こんなことでは先が思いやられる、坂本家は本家が商人だから、普通の武士より気張って武士らしくしないといけないのに…とおとうさんは溜息をついているんですが、そんな龍馬を「きっとりっぱな人になりますよ」といって優しくはげましてくれるのが、病気で寝たきりのおかあさん。草刈民代。やっぱりきれいだ~この人。
 土佐は上士と下士の差別がきつく、上士が通るときは同じ武士なのに下士は土下座で、履き物の種類まできまっていたと。で、この上士が、やりすぎみたいに下士のことを虐めるわけなんですね。龍馬も、上士が通れば土下座をあたりまえのこととして育ったのですが、ある雨の日、寺子屋友だちと土下座していたら雨蛙がはねてビックリして、上士をつっころばしてしまい、「手打ちじゃー!」とやられるわけです。
 龍馬が上士の手打ちになってしまう! とビックリした子供達が坂本家にご注進に走り、病気のおかあさんがそれを聞いて走り出て、刀を振り上げる上士のまえで「この子はまだ年端もゆかず、無礼は親の責任です。どうかわたしを斬ってください」と泥のなかに頭を擦り付けて懇願します。これをみて鼻白んだ上士が「ここで斬ったら屋敷が汚れる、出てけ」と追い出してくれるんですね。
 よかったよかった、龍馬おまえのためなら私の命などどうなっても……と、母は強し(涙)。おかあさんは、雨のなか倒れ、そのまま帰らぬひととなってしまったのでした。

 これをバネにトロい子龍馬が、生まれ変わったように強い武士になる…って、それはそうなんですが、彼がおかあさんの死から感じ取ったのは何か別なことだったようで。ま、じっさい、坂本龍馬の母のこんな美談が実話ってことはないと思いますけど、そのあたりの処理が、脚色過多のメロドラマにならなくてとてもよかったと思いますね。なにやら思うところある顔をして、竹刀をふりながら、フッと微笑むちび龍馬。この笑顔の理由はあとでわかるのですが…いいなあ、子供ながらに行間のわかる顔をしているこの子。これで見納めとは残念ですが、子役で引っ張るドラマじゃないし、龍馬は子供が無いから、後年息子役で再投入なんて危険もなさそうで。また別なとこでね。
 そして時はながれて10年後、嘉永14年。龍馬18歳。仲間内の結婚式の場面で、福山龍馬の登場です。ヨッ。
 いやこれが、ヨッ、ていうのがピッタリな花を背負った登場で、なかなか良かったですよ。福山さんは背が高くて体格がいいので、着物姿がヒョロヒョロしていなくてとてもよいです。
 そして仲間の武市半平太(大森南朋)、平井収次郎(宮迫博之)、岡田以蔵(佐藤健)、平井さんの妹の加尾(広末涼子)なんかが賑々しくお披露目をするんですが、このメンツ、いいですねえ。なんかこの浅黒い感じとか、ごつごつしたとことか、ほんとに昔の日本男児っぽくて、フンドシもさぞ似合うことと、あ、いや(汗)。以蔵だけ残念だな。なんかか細くて女の子みたいな顔で、ビンボ臭くみえるし。ビンボな役だからいいんですが。
 この結婚式で、下戸の半平太さんがお酒のまされてベロンベロンに酔っ払ってしまい、龍馬におんぶされて、仲間でワイワイ楽しく帰り道、上士グループに遭遇してしまいます。
 狭いじゃねえか道あけろ、といわれて、田んぼのなかに突っ込まれて、ついでにそこで土下座しろとか、ひどいこと言われて侮辱され、キレまくった仲間達は、「こんな理不尽がまかり通っているのは土佐だけぜよ!」と言って、剣術道場で鬱憤を晴らします。そこへあらわれた龍馬が、田んぼの土下座のときも、なんかひとりヘラヘラして腰が低かったのが気に入らないと、仲間の八つ当たりのまとになってしまい、竹刀を取れ!かかってこい!とこうなる。
 竹刀をとった龍馬がめっぽう強く、片っ端から叩きのめし…と、ま、こーゆーのはお約束なんですが(笑)、少女漫画かよッて感じには、意外とならなくて良かったですね。どっちかっていうとスポコン少年漫画かな。爽やか系。
 福山龍馬の弱点は、ちょっとカッコよすぎかなあ…ってことだけなんですが、今のとこ。それでも、龍馬ののびのびした感じとか、天然風味、なかなか見てて気持ちよくていいですね。あとは、ウラでやってた内野さんみたいなバカっぽさ(よい意味で)が出るとさらにいいんですがね。顔がジャマにならなきゃいいですけど。
 そんな龍馬に平井の加尾ちゃんもメロメロで、そんな加尾ちゃんに岩崎弥太郎もメロメロで、加尾ちゃんが龍馬を好きらしい、って聞いて一方的にライバル心の炎をもやします。オレほど頭の良い男はいない!オレはいつか学問で身を立てて下士のなかのナンバーワンになってやる!!…と、熱い心意気のわりに妙に志が低い弥太郎君なのでした。
 それにしても、鳥かご売りをしている弥太郎のオトウの蟹江敬三が、百姓相手にブチ切れて、ワシは武士じゃあ!なめたらいかんぜよ!とか言って暴れるシーンにわたしは泣きました…。あと、弥太郎の歯がめちゃくちゃ汚く、その顔でニイーッと笑って、「誰よりもえらくなっちゃる!」とかいう、闇雲な上昇志向。弥太郎の出自の悲しさも見えて、なんともいえなかったです、ハイ。

 土佐の上士VS下士の確執には、戦国時代から引きずる暗い因縁があったりするのですが、それはとりあえず今回は説明ありません。ただ、下士という理不尽にブチ切れ寸前の土佐の群像が描かれるのですが、これがなかなか切迫していてよかったですね。
 とくに、仲間が酔った上士の刀の試し切りにされた場面。その酒乱の上士(上杉祥三。NHK専属酒乱キャラ俳優)を斬る!と飛び出していく仲間を、半平太さんが体を張って止めるんだけど、これホントに体張ってるし。男連中があのガタイで、ガチにぶつかってるとしかみえないし。なんかその迫力、汗臭さ、そんなもんにジンと感動してしまう。去年いかに辛いものに耐えて見てか、自分がかわいそうになったりして(笑)。
 龍馬はそういうのをわりとボーッと見ているほうで、誰にでもニコニコ愛想がよく、仲間内では、ちょっと軽く見られてる感じがします。じっさい、福山龍馬の出す雰囲気も軽いです。途中まで、ちょっと軽すぎかしらとか思ったんです、がっ!
 このあとラストまでのシーンがよかったよ~。通っている塾の先生の養子になって出世の糸口をつかむ、と勝手に青写真かいてた弥太郎が、裏切られてガックリきて、ヤケ酒を飲んでる。それを龍馬がみつけて、一人で飲むと気がめいるから一緒にやろうや~とかニコニコ近寄っていくわけです。ムカついた弥太郎が暴れて店を飛び出して、飛び出たところで上杉祥三とドン!
 と、この上士とドン!が今週の一貫したテーマだったんですね。案の定斬り捨てられそうになった弥太郎を、龍馬が庇う。体を張って庇う。下駄で殴られても、足蹴にされても、とにかく無抵抗になって、すみません許してください、と卑屈なまでに庇うわけです。しまいには弥太郎が龍馬~龍馬~!とか泣き叫んで、なんかこのシーンも圧倒的でしたけど、このあと、弥太郎に「なんで庇ったんだ、ワシは殺されてもよかった」とか言われた竜馬が、搾り出したセリフがよかったよ~。
ワシは上士にふりあげた刀をおろさせた人を知っちゅう
 それは、なくなったお母さんなんですね。お母さんが上士に殺されたとか思って恨んでいるのではなくて、なにか、お母さんが残したメッセージを彼なりに読み取ろうとしてる。ああいうことで上士が刀を納めることがあるなら、土佐も変わるんじゃないか。上士も下士もない世の中もありうんるんじゃないか?
 どうやって? 「それを、ずっと考えちゅうけんど、どうしても分からん」。そういう龍馬を、なにかものすごく新鮮な顔をして皆がみるところで、第一回はお終いです。

 さて、皆様いかがご覧になりましたでしょうか。わたしは…わたしは、なんか久しぶりに本格大河ドラマ…というのとは実は違うんですが、なにかとても新鮮で、それでいてとても懐かしい、なんともいえない気持ちのいい印象をうけました。
 これが11ヶ月でどうなっていくか、第一回ではまだわかりませんけど、とうぶんは心楽しく毎日曜日のレビューができそうな気がします。あのOPにもおいおい慣れるかなあ(笑)
 ってことで、11月までよろしくお付き合いのほど。また来週!


37 コメント

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あけましておめでとうございます (ikasama4)
2010-01-04 01:47:51
今年もよろしくお願い致します。

今回の大河はもう映像が段違いに凄かったですね。

役者さんの躍動感がひしひしと伝わってきますね。

それで上士と下士の身分の格差を
これでもかっていうくらいガッツリと
見せてくれると共に

龍馬や弥太郎、そして武市半平太など
土佐藩出身で幕末に活躍した下士(郷士)の
行動の原点になったものを見せてくれました。

それにしてもあの頃は
18歳でもお酒飲めるんですね ̄▽ ̄


やっぱ内野さんと比べてまいますね。


まぁ今回の龍馬は
思慮深い表情をしているようで何にも考えてない
そういうキャラみたいですし

なにより、このドラマのコンセプトは
どこにでもいるようなごく普通の少年が

色々な出来事、人に会う事であの坂本龍馬になっていく

というトコロみたいですね。


それだけにこの先、どうなるのかが楽しみですね。
岩崎 ( 雪斎)
2010-01-04 02:30:19
 岩崎弥太郎は、ドラマでは真正面から取り上げられことが今までになかったと思います。
 三菱、三井、住友、古河といった戦前の財閥の一角を一代で作った傑物ですが、何故かドラマにならなかったので、ようやく出たかという気分です。
 それにしても、あの香川さんの演技は、凄いですな。140年前の「鷲津政彦」だわ。大友監督も、これを狙ったか。
よかったです~ (ヘリクチュ)
2010-01-04 02:33:19
庵主さま、皆さま、こんにちは。
お疲れさまでございました。

新参ですが私も感想書かせていただきたく、失礼いたします。

龍馬伝、素直によくて、昨年はどーしてあんなに腹立たしかったのか、
あらためて冷静に再考する余裕が生まれてしまったほどでした(笑)。

第一話をとおしてヒシーッと印象づけられたのは、「ウワ~土佐の上士、コワーッ」です。たまらんですね。
(一豊とその女房が連れてきた家来は、ヤッパリしよーもないと思ってマイました。
かあちゃんとセットじゃないと話にならないような人物は、
案の定この程度の国しかつくれないもんだ、天災であると昨年の恨みも込めて、またしみじみ)

いついかなる言いがかりをつけられて手打ちにされても、裁判も救済もないようで
(司馬先生もあれこれ書いておられますね、下駄がどうとか。
でも上士の皆さん、ストレスたまりすぎじゃないですか?苦笑)

その息が詰まるような閉塞感いっぱいの世界で、主人公と登場人物たちは、
どう生きるか問われ、どうにか生き抜かなくてはいけないわけで・・・

こういうぬるくない不条理な設定がドラマに引き込むもんなんだなーと、
越後の長尾旅館の番頭とその仲間たち♪みたいな、安い設定しちゃいかんわい、とつくづく・・。
月曜からの自分のほうがタイヘンじゃねーか、ふざけんなああぁ、と
日曜夜は箱にモノ投げたくなる感じでしたもんね。

細かな演出もよかったです。
女世帯で女手がいっぱいあって、ほっとかれずに育ってる感じとか、
そんな事情で女心がわかるんで、広末加おちゃんにカンザシいいね、なーんてサラッと言えちゃったり(笑)。

あまりに爽やかで感じのいい主人公なんで、視聴者まで一様に龍馬マンセーになっちゃって、
我々の一年の視聴自体がうすっぺらくなることが危惧されるほどでした。

そこで香川照之が壊れてくれる役回り&仕掛けなんでしょうけど。

一番好ましかったのは乙女姉さんが、お父さんとお母さんが龍馬の先行きを
案じている会話をじーっと聞いていて、弟をシバくところ(笑)。

お姉さんのまっすぐさと優しさが昔の日本人らしくて、ジーンとしちゃいました。

番宣でさんざん言ってた「質感のある」映像が、現代の俳優さんの
演技力のない、ある意味ナチュラルな演技とマッチして、
もしかしたら梵天丸以来の金字塔になっちゃうかもしれないですね。

初回なので長くなり、、、皆さま申し訳ありませんッ。

どうして目くその出るほうが目頭? (SFurrow)
2010-01-04 07:20:45
目尻からも目クソ出ると思うけどね?
って新年のご挨拶もせず、くだらない事言っててすみません。
パソコンのウイルス、大変でしたね~ふだん使い慣れているものが急におかしくなるとストレスたまりますよね。それにもかかわらずの早速のUP恐れ入ります。

昨年の大河は忘却の彼方のつもりだったんですが、子役集団の登場に一瞬「うっ」となったり、わかりやすすぎる「上士のイジメ」に、「金ではたく」秀吉の悪人面が一瞬フラッシュバックしたりと、けっこうトラウマ大きかったです。でも次回予告になった時には、来週からは完全に大丈夫だろうなという予感がしました。拡大版の長さも全然気にならなかった。
俳優たちのメンツの好さ(男女ともに)は庵主さまのお書きの通りですが、それに加えて製作陣の表現力の高さが非常に安心感を呼んだというか。
そもそも日本の男性の4分の3は福山キライだと思うんですよね(笑)で、残りの4分の1は「アーティストとしての福山は評価する」というスタンスだけど、でもその大部分は「けっアイツが龍馬だって?」と思ってたでしょう。そういう連中が「まっ最初だけ見てみるか」という目線で合わせたチャンネルに、のっけから「あいつは一番大っ嫌いなヤツだ!」と迫力満点で叫ぶ香川さん。これで皆ど~っと最後まで連れていかれちゃったと思いますね。これまでの龍馬ドラマがほぼ「龍馬ファン」の立場を軸にしていたのに対して「龍馬キライ」の立場から語っていく。とてもうまい演出だと思いました。そして「龍馬キライ」が実は、あこがれの裏返しでもあるんだろうなという匂いも含めて。
だけど功成り名遂げた人物のもとに「○○という人を知りませんか?」と訪ねてくる、という冒頭って、どっかで見たなぁという気がするんだけど、何だったかなぁ…

あら探しをするとすれば、先にも言ったように、上士の「悪さ」がちょっと定型的すぎるっていうか、ここだけ水戸黄門みたいな(笑)
ちょこっとでも土佐藩上層部の様子も出し、幕藩体制の綻びが土佐にも及んで上士たちも鬱憤をためているという描写があれば、弥太郎父の荒れともリンクして素晴らしかったのに。

今回一回だけ登場の草刈さんの母親もよかったですね~。「シャルウイダンス」の時から女優の才能も半端じゃないなと思っていましたけど。
とにかく説明的なセリフが一切無いけど、いろんな事が映像全体で語られている。ってある意味基本で当たり前かもしれませんが、その当たり前に飢えていたのがようやく満たされてシヤワセな日曜日の夜が戻ってきました。
(もちろん「坂」でも幸せになれたんですが、なんせ長尺だし、くつろいでっていうよりは姿勢を正して見ていた感じだったんで)
BGM多過ぎ? (嘘苦斎)
2010-01-04 07:54:26
私もOPが「何だかなあ……」でした。
「龍馬」だから龍を泳がそうなんて単純過ぎる、
そんなら馬はどうしたっ!?と1人で突っ込んでました(笑)。
最近のNHKって、CGの龍をOPなんかで登場させるのは決まって勃興する現代中国に関する番組なんで(上海タイフーンとか)、
それらとのイメージ的なカブリは気にしなかったの?という疑問も感じました。
龍馬をたたえるような英単語を次々と表示するのも何だかシラケるし。
あと、OPが最初から最後までCG映像だった「功名が辻」を思い出してしまいました(あ、これも土佐だ)。

福山龍馬の評価は2回目以降を見てからにしようと思います。
私はキムタクのどこがよいのかさっぱり分からない人間で、
福山雅治に対しても似たような感想なのですが(それでも「ひとつ屋根の下」のドラマは好きだったので、俳優としてはキムタクより親近感はある)、
今回は演技に、引き込まれるような迫力は感じず、俳優としてうまいのかどうかはよく分かりませんでした。
ただ、今は意図的に頼りなげな人物像を演じているらしいので、
これから目を引き付ける演技を見せてくれることを期待します。

美術やセットなんかは「坂の上の雲」に圧倒された直後のせいか、そんなにすごいとは思いませんでした。
でも、昨年の大河のうそくささに比べれば圧倒的にリアリティーはあるので、
本来の大河の質に戻ってくれたのかな?という感じはします。
弥太郎の汚い歯には私も「そこまでするか」と感心しました(笑)。

ちょっとこれは……と思ったのは、BGMが多すぎることです。
「ここはしみじみするところですよ」「ここ、泣いて下さいね」「ここは高揚感!」
と、視聴者の感情を指図するようなうるささが気に障りました。
「篤姫」の時のようなロック調のBGMもありましたね。
違和感、抵抗感を感じたので、ある程度無音にして役者の演技だけで伝えたいことを表現してはどうかと思いました。

弥太郎役の香川照之はやっぱりすごいですね。
福山の演技が物足りなく思えたのは、
香川のそれがすご過ぎたせいかもしれません。
正月2日に、東京・上野の不忍池を見下ろす丘にある「旧岩崎邸庭園」に親戚を案内してきたばかりだし、
世田谷にある岩崎家ゆかりの静嘉堂文庫美術館もお気に入りなので、
岩崎弥太郎ってどんな人物だったんだろう?という興味はすごくありました。
「(龍馬が)この世で一番大嫌い」という言葉が果たして文字通りの意味なのか、逆なのか両方なのかを、
これからどんなふうに演技で表現してくれるかが、とても楽しみです。
今年もよろしくお願いいたします (ムク)
2010-01-04 10:56:16
長い忍耐の一年を経て(笑)、ようやく始まりましたね!

第一回は十分満足のいく仕上がりだったと思います。弥太郎視点、という描き方が最初からはっきりしていて、これまでの龍馬の物語とは一味違うドラマになるだろうという期待が持てます。

福山龍馬もまずまずでしたね。10代に見せるにはちょっと無理があるかな、とはやはり思いましたが、ちょっと頼りないくらいの線の細さは若き龍馬にはかえってぴったりなのかも、とも思いました。今後貫録がついてくるかどうかは微妙ですが。

一回目なので顔見せ的な感じでしたが、ほかの役者さんたちもそれぞれ良かったですね。大森南朗が良かった。佐藤健も福山同様、今はあれでいいんじゃないでしょうか。「人斬り以蔵」と呼ばれるようになる頃になってもあのままじゃ困りますが。表情や演技は案外イケるので、もうちょっと筋肉つけてほしいです(笑)

今回の立役者はなんといっても香川@弥太郎に尽きますね。冒頭の出世した弥太郎も驚くほどサマになっていましたが、なんといってもこの人は小汚い役をやらせると最高です(笑)

歯の一本一本まで汚したメイクは初めて見ましたが、上士>下士>地下浪人のランク付けをこれでもかと見せつける演出の一環として、あれくらいやってくれて良いと思いました。
香川照之の芝居の巧さはいまさら言うまでもないのですが、弥太郎の卑屈さや野心が全身から漂っていて、早くも助演男優賞確定って感じです。

子役も良かったですね~。龍馬の子は素直な演技が良かったし、ビジュアルも柴犬みたいな目元が福山にそっくりで可愛かったです。弥太郎役の子は逆に目元に年に似合わぬ凄味があって、セリフも少なかったけど存在感ありました。今回で終わりなのは寂しいくらいです。

75分の長さを感じさせない脚本の出来といい、役者のクオリティの高さといい、今年は期待が持てそうです。日曜8時を楽しみに待てるのがこんなにうれしいなんて!

庵主さま、今年も一年間よろしくお願いします!

Unknown (天地人と比べて)
2010-01-04 12:06:49

 去年の天地人ではたっぷりとあなたの批判文を読ませていただき、大いに参考にしました。ですが、坂の上の雲もそうですが、今年は実際の直江兼続が驚くようなマンセー解説をする予定のようですね。いえ、感想をありのままに書くのは何でも批判するよりもたいへん健康的なことだと思います。

子役とそろって髪の毛くるくる☆ (Nancy)
2010-01-04 15:39:09
ついに始まりました、龍馬伝。
OPはいまいちなじめない感じでしたが、そのうち慣れてくるんでしょうか・・・。

でもなんせ香川さんですよ!!お父さん役の蟹江敬三もそうですが、あのギラギラしたかんじ!役者ですね~。たしかに子規のイメージも吹っ飛びました。これから龍馬とどんな関係を築いていくのか、楽しみです。

龍馬は、かつてないナチュラルな感じで・・・。それが福山さんには合ってますが、今後に注目したいと思います。
あと雨の日も風の日も墓守でたち続けるお父さん@児玉清に、わけもなくジーンときました。

まずは期待を持てそうな滑り出しでしたね!(←偉そう・・・?)
これから楽しみですね (Taka)
2010-01-04 15:41:50
こんにちは。パソコンのウィルス感染,大変でしたね。お疲れ様です。

1回目のレビュー,庵主様の興奮が伝わって参りました。私も,坂・雲を見せられた後のこの第1回,かなり不安でもあったのですが,視聴後は,満腹感一杯でした。

OPは,私もちょっと馴染めないかもしれません。ただ,このOPの印象とその後の本編を見た印象から,このドラマは,大河ドラマといえば,こんな感じという「型」みたいなものを完全に破壊して,新しいものを生み出そうとしているのではないかという気がしました。OP自体は,ちょっと失敗っぽいですが,中身は成功していたように思います。素直に次回以降が楽しみだと思えました。

今年1年どうぞよろしくお願いいたします。
(今年は,ROMではなく,積極参加できればと思っております)
あけましておめでとうございます (みさき)
2010-01-04 16:47:52
龍馬伝、始まりましたねー。
しっかり1年視聴しようと思いますので、今年もよろしくお願いします。

1話、面白かったですね。なんとなく急ぎ足風に思えなくもなかったけど、今後の幕末の歴史の濃さを思うと、要点抑えられて分かりやすかったし、十分だったのかもしれませんね。昨年だったら弥太郎が加尾を助けるシーンから長々とやりそうでしたが(笑)、そのシーンそのものは台詞で済ませてくれましたし。1話見る限りでは、登場人物それぞれに共感を覚えさせてくれそうな感じです。
私は坂本家の武家の仕事が墓守で、代々それを継いでいかなければならないというところに、ちょっと衝撃受けました。誰でも出来そうな、当番制でも良さそうな仕事を生涯の仕事として充てられてたんだなあ~・・・と。

それにしても香川さんは本当に凄い役者さんですね!全然のぼさんが重なって見えてきませんでした。橋の上での二人のやり取りはホントに良かったです。弥太郎の成長も楽しみですね!

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