数多の役者さんが家康を演じてきた中で、津川雅彦さんの家康が別格の「それらしい」オーラを放っているのは、どなたも認めるところだと思います。驚いたんですがこの「政宗」当時、津川さんはまだ40代なんですね。ドラマ中盤中年期の家康も、落ち着いた中に不思議な温かさがあり、でも食えない粘っこさもあるという、奥深い人間性を見せてくれて素晴らしかったですが、その中年期をへて、お馴染み(笑)大御所時代の家康に変貌 . . . 本文を読む
今週のお習字は「愛の詩人」。ゲー…。兼続自作の愛のポエムに乗っかって、お船兼続の過去のベタベタ映像の垂れ流しが、冒頭から。この時点ですっかりテンションがさがっちゃったんですが、内容のほうは、前回に引き続きまずまず見られる回でした。
ただ、先週みたいなトンデモ展開がなく優等生的な仕上がりだと、どうしてもインパクトにかける恨みが出てきます。おわってみると、見どころらしい見どころも覚えてなかったりし . . . 本文を読む
馬上少年過ぐ/世は平らかにして白髪多し/残躯天の許すところ/楽しまずんば之如何
…という、政宗の有名な漢詩を、渡辺謙さんがアバンタイトルで朗読します。この声の美しさ、格調といい、しみじみとした味わいといい…ホントに何度も言いますけど、渡辺さんはこのときまだ28歳なんですよ! 28歳の若い俳優さんが、老境に入った政宗の貫禄や凄みを、なんの無理も感じさせずに演じきり、ほの哀しい余韻も残す。ほんとうに、 . . . 本文を読む
樋口可南子さんは、この当時29歳。女ざかりの色気がムンムンしている女優さんでした。いま、50歳を過ぎてから透明感がまし、若い頃より綺麗というのは素敵なことです。
が、この「政宗」では、若い頃の樋口さんの過剰なエロさが上手い具合に作用したというか、「平凡なバカおんな」淀殿が、歴史をひっかきまわしてしまった悲劇というのを、実に明確に描いていて見ごたえがあります。高台院が淀殿を評していわく「女狐とか . . . 本文を読む
今週はなかなか良かったです。ここしばらくで一番見られる回だったのとちがうかな。 このドラマにおいては、安心して見られる=突っ込みどころがない=つまらん、という屈折した図式がすでに出来上がってるわけですけど(笑)。たしかに脱力するようなアホたらしい突っ込みどころはないですが、つまんなくはなかったですよ。話は根本的に破綻してるけど。ありえないこと一杯だけど。あいかわらず兼続マンセー大会だけど。ようは . . . 本文を読む
このあたりは、もう毎回なみだなみだ…というくらい泣いていて、いや~、真田太平記ってこんなに強力な催涙ドラマだったんか!と認識を新たにしました。
いや、女々しい泣き言やメロドラマふうの場面などはキッパリと皆無なんですよ。だけど、男たち(女たちも)の潔い生き様と、その刻んできた思いなどが、情感となって迸るときに、ほんとに涙腺を直撃してくるんですよねえ。
この回はとくに、昌幸亡き後、ふとしたとき昌幸 . . . 本文を読む
31話のサブタイトル「それぞれの悲願」というのが非常に象徴的なように、関が原から10年以上にわたり九度山配所に軟禁されている昌幸・幸村親子の、ゆっくり沸騰していくような悲願が描かれます。
しかも、描かれるのは昌幸と幸村の悲願ばかりじゃないんですね。草の者のお江はもちろん、奥村弥五平衛や、加藤清正、山中大和守のような渋い脇役の悲願、猫田与助や、お騒がせ男・角兵衛のちょっとボタンを掛け違った悲願な . . . 本文を読む
今週は、まあ……なんとか。ちょっとは持ち直したかな、と思われる回でした。そりゃそうだ、先週があまりにも最低レベルの出来だったので、さらに落ちるようじゃ困る。なんかね、あまりにもダメな回が続いたので、満足のハードルが低くなったのかもしれません。実際、場面がガラリとかわったし、お船やバカ社中もいないしで、いままでのどんより沈殿した空気も一新した…ようにはみえたんですが、終わってみるとやっぱり沈殿して . . . 本文を読む
いよいよラストが近づいて、この回は、政宗の海外進出をかけた壮大な夢と、それが家康の陰湿な手管で断ち切られること、そして豊臣家が滅亡にむかう大坂の陣の始まり…など、ひとつの時代の過渡期が描かれます。群雄割拠の戦国時代が、ひとつひとつ幕を下ろして畳まれていくような空気の中で、政宗の「天下を取る」という壮大な夢はまだ撤収されていなくて、宙ぶらりんで保留されたままになっているわけです。政宗はたまにその夢 . . . 本文を読む
うーむ、今週はいったいなんだったんでしょうか。グダグダ劇場が3話もつづき、さすがに底を打ったかとおもったのに、まだ底がみえないとは。どこまで堕ちるのだ、この大河ドラマは。
なんか脱力感も普段より大きくて、立ち直ってPCに向かうまで時間がかかり、やっとこうしておっぱじめたんですですけど…困ったもんだ、どこをどう突っ込めばいいのだろう。レビュアー泣かせとはこのことだ。ツッコミどころに迷うような、臨 . . . 本文を読む