como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

風林火山 第27話「最強の敵」

2007-07-09 22:42:29 | 過去作倉庫07~10
Story 晴信いよいよ村上義清討伐に乗り出した。勘助は思い上がった晴信を諫めようとするが、聞き入れられない。甲斐に潜入していた平蔵は、偽の出陣情報を持って信濃に向かうが、途上で襲われる。襲ったのは甘利虎泰の手の者だった。平蔵を通じて矢崎十吾郎に会った甘利は、村上義清に面談し、来る戦で村上に内応すると申し出る。年が明け、晴信は家臣を集め村上討伐を宣言する。しかも、今後は占領地を恩賞として家臣に与えていくという、政策変更でもあった。戦に異常にのめりこんだ晴信に、板垣は涙ながらに最後の諌言を行う。それは、家督相続いらい人心を第一に考えてきた晴信に、初心の志を取り戻して欲しい一心のことだった。

庵主のCheck!

 ちょっと思い出したいことがあって3月ころの記事を見直していましたら、晴信がお父ちゃんを追い払い、新体制を発足させた回のレビューが目にとまりました。
 あのとき晴信は、武田家の神器・御旗盾無を前にして、家臣たちに宣言したんですよ。もし、自分がお屋形として至らなかったり、間違ったことをやるようなら、自分の首をすげかえてくれて構わないってね。涼しい顔して忘れてんじゃねえー!! いっそ奴を3日くらい御旗屋に監禁し、強引に3月ころのことを思い出させたらどうなんだソニー、と、なんとも無性にイラついてたまらぬ今週の「風林火山」ございました。
 次週、折込済みの悲劇へ向けての周到な種まき、というか前夜祭のような趣の今回。ご一緒に見てまいりましょう。

 とにかく晴信は、オヤジの亡霊が乗り移ったなんてモンじゃなく、彼オリジナルの資質で、鼻持ちならぬ暴君になっております。
 久しぶりに信頼厚い板垣信方と二人で話しあった晴信は、今後の戦と領国経営の方針についてとんでもないことを言い出します。それは、今まで戦で併呑した領地は当地の領主を恭順させ、平和に治めさせてきたのですが、今後は恩賞として家臣たちに適宜分け与えていくというのですね。家臣たちには今まで十分に報いてやれなかったから…と、それなりに聞こえはいいのですが、板垣は大反対。
 占領地の領地安堵は、晴信のマニフェストの柱でした。それで人心をがっちりと掌握し、強い領国を作ってきたわけなので、今後領地を恩賞にするなんて、そんなことしたら人心は離れて占領地政策は崩壊してしまう…と縷々述べる板垣を、「そうさせないのがお前の手腕だろう」と、超無責任な晴信です。しかも、「今後バンバン戦をやっていくには城を立派にしたい、ここはオヤジの時代のまんまだし、そろそろボクの自前のマイ城を建てたい」などと、二代目の甚六みたいなことをぬかすので、ソニーもさすがに青筋をたて、いやでもそれは見せぬように努力して「何がそんなに怖いのですか」とつぶやくのでした。

 ソニーの換言は、遠まわしすぎて理解できなかった晴信ですが、勘助がズバリといったことはさすがに理解できました。
 それは家臣を集めての板の間評定のとき。次に攻める先を検討している席で、勘助は「次なる敵はお屋形様のご心中でございます」と意見。つまり戦より先にあんたの心を入れ替えないとどうにもならないよといったわけで、当たり前ですが晴信の怒りのツボを直撃です。「敵はとうに見定めておる!次なる敵は村上義清じゃあぁ!!」
 やぶ蛇です。これをいわせたくなかった…と、家臣たちの間にものすごく重い気分が立ち込めました。志賀城のホラーも後味悪く、いい加減気が滅入っているし、お金もないし。
 その家臣たちの怒りを代弁したのが甘利虎泰でした。会議が終わった廊下で勘助をつかまえ、いつものようにネチネチ嫌味を…と思ったら、今日はなんだか様子が違います。
「一度の負けが百の勝利に勝るということもありますからね」と勘助にいわれてゴリさんはブチ切れ。「ばか者、お前に何がわかるんだ。戦に一回負ければ国が無くなるのだぞ。国が無くなるとはどーいうことなのか、そこの真田君や相木君に聞いてみろっ!」と、学校の先生のように怒ります。そして急に、なんと勘助の肩をガシッとつかんで「いいか、戦とはな、何を守り何を失うかだっ。村上の首は、わが甲斐の国数万の命なのだっ!」と…。ああ、いったい何があったのでしょう、ゴリさんに。

 ところで、志賀城から甲斐に連れてこられた美瑠姫ですが、小山田邸に滞在して疲れを癒しております。
 とりあえず美瑠姫には手を触れていない小山田さん。ご自分の魅力に自身をもっているので、嫌がるものを無理矢理に…なんてことはしません。美瑠姫には子供ができなかったので、前夫の笠原清繁はけっこう女関係を派手にしたらしく、「あんまり面白くなかっただろ」などといいます。しかも、そーゆう亭主の城から、実はあんたは逃げたいと思っていたんだろう、あの城で出会ったとき、あんたの目がそー言っていた、そういうあんたに「ワシは、惚れたのだ」…って、んもうスッゴイ殺し文句!!!
 しかし気の強い美瑠姫は、「武田の家臣風情が」と見下し、簡単に小山田さんになびく様子はみせません。

 村上に内応すると見せて実は晴信の諜報員として村上を陥れるべく暗躍している…という、よく整理しないとわかんなくなってしまう、複雑な立場なのが相木市兵衛さんです。
 そういう相木さんにとって、平蔵ていどのトーシローはちょろいもんで、「武田は8月に信濃に攻め入るぞ」とガセネタをつかませて解き放ちます。単純な平蔵は疑いもせず、甲斐を出て信濃に向かいますが、その途中で、謎の刺客集団に襲われました。
 いや、この人たちは刺客ではなかったのです。平蔵を捕まえて、何をしたかというと矢崎十吾郎のところへ案内をさせたわけで、そんな込み入ったことを誰が…と思ったら、なんとこれが、甘利虎泰様ご本人でした。
 矢崎って人もよくよく、ヘンな窓口に利用されやすい人です。教来石(現・馬場)のときの経験から学習してないのでしょうか。とにかく、矢崎の仲介で村上義清本人が、甘利虎泰本人と、対面の運びとなりました。
 あんな領主にまかせておいて甲斐が滅びるのを見るに忍びない、私が貴方に内応して勝利に導くので、その後は私がをバックアップしてくれませんかと、甘利のような大物が切実に言うので、村上もついその気になってしまったよう。…というかこの人も相当単純な人ですからね。手に汗握る超大物会談は、意外と簡単に転がっていったのでした。
 
 さて、また場面変わって小山田さんと美瑠姫。今度は寝室(!)。
 あんなに嫌がった小山田さんに、姫はわりと簡単に身を任せています。「私は自分が大好き。自分を殺すなんてできませんわ」と、かつての由布姫みたいなことを言い、「生き延びるのは裏切りじゃあない」と小山田さんも共感を示します。この人は、やはり自分の父の代で武田家に恭順したのを微妙に根に持っているんでしょうね。
 そんなわけで、小山田・美瑠姫のカップルは、一種の共犯関係のような隠微な感情で結ばれた…わけなんですが、なんともいえず色っぽくないね、この人たちは。晴信と由布姫のほうがずっと色っぽかった気がしますが…何ででしょう?

 その由布姫ですが、四郎に笛を吹いてやってます。父親の晴信ソックリで、笛を吹いてやると四郎もよく寝る、と。いっそ由布姫を戦に連れていって、笛を吹いてもらい、晴信を爆睡させてそのあいだに村上と手打ちというワケにはいかないか。
 天才軍師の頭にそんな計略がひらめいたのならよかったんですが。勘助は姫から晴信の深い懊悩の話をきき、ますます気を滅入らせて甲斐に帰っただけでした。
 晴信は、お正月の御礼会で村上攻めの宣言を行い、今後は領地は恩賞として分け与えるから、よく働くよーに!と檄を飛ばします。
 この暴走振りに、腹をくくって諌言をおこなったのが板垣信方でした。とにかく初心に帰って考え直してくれ、と縷々説得するソニーに、「わしが負けてもそんなこと言えるのか!!」と逆切れする晴信。
 板垣は根気よく説得を続けます。人の道とゆーものは一本であるべきで、それを信じなくては家臣は一緒に進めない、貴方はそういう得がたい力を持ったひとで、私らは有難い人に仕えているので「どうぞ自信をお持ちください。若。若…」
 この若、若、にはやられました。勘助もなみだ目になってましたし、テレビの前もみんなそうなったと思います。今週の白眉というべき場面でした。

 しかし、晴信にその諌言がとどいたかどうか?
 答えは次回、ですが、悲しいことになりますね。心をしっかりもって見届けましょう、というわけで、また来週!


4 コメント

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「ソニー」 (レビュ丸)
2007-07-10 21:20:03
遊人庵庵主さんこんばんは。やはり千葉さんの「引退説」は本当のようですね。このタイミングはさすがに「タイアップか!?」と言われても仕方ないような気がしますが、ドラマがより盛り上がるのなら、それも「有り」かな、と思ったりしました。それにしても今後、庵主さんのレビューから「ソニー」の文字が消えてしまうと思うと、少し寂しく感じました。
信虎追放後、家臣らに「所信を表明」したあの場面、レビュ丸もよーく覚えています。自分の意見が違っていると思ったときは、いつでも諫め、それでも聞き入れてもらえない場合は、自分の首をすげ替えても構わない・・・。時は流れたとはいえ、あまりの豹変ぶりです。もしかするとあれはタテマエだったのでしょうか!? 御旗と盾無のヨロイに誓ったというのに・・・。

向こうでも触れましたが、山梨は今、桃の実がたくさんなっているのでしょうね。確か雲峰寺へと至る街道ぞいに、たくさんの桃畑があったような思い出があります。レビュ丸が住んでいるトコロではあまり桃園って見かけないので、見渡す限りの木々に桃の実がびっしりとなっているのを目にしたとき、本当に驚きました。道路まで甘い香りがただよってくるようで、思わずうっとりするような光景でした。桃が終わると葡萄の季節・・・。山梨っていいところですね。
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さよならソニー(涙) (庵主)
2007-07-10 22:44:32
レビュ丸さん、こんにちは!

>今後、庵主さんのレビューから「ソニー」の文字が消えてしまうと思うと、少し寂しく感じました

ありがとうございます。嬉しいお言葉。
本当は千葉さんの自称は「サニー」ってことは(SONYに遠慮して、ある時期から)解っているんですが、大好きな映画「トゥルー・ロマンス」で、主人公のオタク青年があこがれるアジアのスター「ソニー・チバ」のイメージが私の中では崩せなくて。それでここではソニーで通させていただいたと、そのことは一度、どこかでおことわりしておきたいなあと思いながら来てしまいました。。
 そうこうするうち、時のたつのは早いもので、もう「ソニー」と別れる日が…しかもそれがソニー千葉のラストとリンクするって、なんてドラマチックなんでしょうね。来週はガクト御披露目の回以上の視聴率を稼ぐだろうなあ、というか稼いで欲しい。
板垣信方は、晩年、ちょっと奇妙な行動で晴信の不興を買うことがしばしばであった…と本などには書いてありますが、あえてこのドラマのような解釈って、私はいいと思います。

桃はそろそろ露地のものが美味しくなってきました。これからしばらく、どこからか貰い物の桃が常にある、という状況が続くのです。ブドウより桃の方が規格が厳しいのかわかりませんが、規格外のハネダシの貰い物がどこの家にもゴロゴロしてます。ちゃんとした規格品は、買って県外の親戚とかに送るので、ワタシらは買った桃を食べることってあんまりありません。
 意外に知られていないですが、農協などで作っている瓶詰めのシロップ漬けはとても美味しいですよ。サービスエリアでも売っているところがあるので、機会があったら手にとってみてください。生は当たり外れもありますが、ビンのは外れなしですから。
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えー! (麦湯)
2007-07-16 10:08:47
千葉ちゃん、引退なんですか!? がーん。
ゆうべ、双葉SAで最後のシーンだけちら見したんですが、
彼の最後にふさわしかったかと言われると……。
これから、録画で見ます!

それにしても、晴信っち、ひどいです。
領地政策変更&新しい城がほしーのー☆
って「お前、馬鹿か!」と、
武田節の歌詞が頭をよぎりましたよ。
ここまでダメな晴信っち、新しいかも。

小山田っちと姫の全然かみ合わない会話の次が
すで寝所って!
今回の脚本家だれなの!? と思わず調べたくなるような
男尊女卑的感覚の持ち主ですよね。
女は生きて、男に愛されれば、それが幸せなんだ
(おまけにどんなダメ男でも信じてついていく)的な。

というか、甘利氏の謎の行動が、
私にはどうも理解できんのです。
次回をみたらわかるんですかね?

&諏訪御寮人が、またぺらぺらといらんこと
しゃべりやがって……。どんだけおしゃべり姫なんだか。

でも、千葉ちゃんが抜けたら、大幅に戦力ダウンですな。
ガッくん投入ていどでは梃入れできるかなぁ。
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さよならソニー・2 (庵主)
2007-07-16 22:45:48
>麦湯さん

>女は生きて、男に愛されれば、それが幸せなんだ
(おまけにどんなダメ男でも信じてついていく)的な

いや…
まだわかりませんよそれは。あの姫は、そういうタマではないんではないでしょうか。
ある意味由布姫より根性がすわっているかもわかりませんね。それも今後の展開がまたれるところなんですが、なんというか、小山田さんのほうが、あらー実は純情だったのねー、て感じに見えてしまったのは私だけ?

「新しい城が欲しい」はバカでした…
正直、地元で怒りの声が巻き起こって「風林火山」ボイコット運動とか起こるんではないかと(武田信玄をこんなバカに描くな!と)心配しましたが、そーゆうことはないようです。
まあ、そのうちちゃんと「人は石垣人は城…」と、武田節のノリがドラマに打ち出されるであろうと、特に心配していないわけなんですが。

千葉ちゃんの引退はね~、本当なんでしょうか。
最後の登場シーンをやって燃え尽きたのかな、と思っておりましたが、実際その大ラスの殺陣のシーンを見て、これは最後の花道ってもんかもしれない、と深く納得した私でした。すごかった。詳しくは28回レビューで。
うまく伝える言葉を知りませんが、こういうものを大河ドラマで見られて幸せだなあ、と思いました。
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