陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「めぐりあう時間たち」

2010-03-03 | 映画──社会派・青春・恋愛
三月三日なので、この映画を紹介しようと思っていました。
2002年のアメリカ映画「めぐりあう時間たち」(原題 : The Hours)
時代を超えた三人の女性の人生が意外な接点で絡み合ってしまう、秀逸なドラマ。
そして、女性としての幸福とはなにか、に悩んでいる女性にはぜひ観てほしい名作。

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物語は、1941年にある女性が入水したところからはじまる。以後、三つの時代がふしぎな間合いで交錯していきます。

1923年、ロンドン郊外のリッチモンド。
作家のヴァージニア・ウルフは、夫とメイドに囲まれて暮らしている。神経病を患っている彼女は、『ダロウェイ夫人』の執筆が進まず、いらついていた。そこに姉が子連れで訪ねてきたが…。

1951年、ロサンゼルス。
主婦のローラ・ブラウンは、息子といっしょに夫の誕生祝いのケーキづくりにいそしんでいた。二番目の子どもももうすぐ生まれる、一見幸せな生活。だが、彼女は理想の夫婦を演じることに疲弊していた。親友のキティの訪問を受けたあと、彼女は息子を預けてホテルに向かい…。

2001年、ニューヨーク。
編集者のラリッサ・ヴォーンは、友人の作家リチャードの受賞パーティの準備に精を出している。リチャードはエイズに冒されて自暴自棄になっている。暴言を吐かれながらも、真摯に世話をするラリッサだったが…。

ヴァージニア・ウルフの著作『ダロウェイ夫人』が軸となって、三人の女性が結びつく。その三人の共通点は、さしづめほんとうの愛に飢えていること、でしょうか。とくに二番目のローラの人生はなんとも悲しいですね。彼女の選択を受容できるかどうかが、この作品の評価の分かれ目であるように感じます。
そのローラとラリッサとのつながりは、予想を裏切る展開でした。


2003年アカデミー賞主演女優賞、同年ゴールデン・グローブ賞作品賞、主演女優賞、同年ベルリン国際映画祭銀熊最優秀女優賞ほか多数受賞。
主演は、ヴァージニア・ウルフにニコール・キッドマン。ローラに、「エデンより彼方に」のジュリアン・ムーア、ラリッサには「クレイマー、クレイマー」「プラダを着た悪魔」「ミュージック・オブ・ハート」のアカデミー主演女優賞の常連メリル・ストリープ
監督は、「愛を読むひと」のスティーブン・ダルドリー。原作は、マイケル・カニンガムの同名小説。

めぐりあう時間たち(2002) - goo 映画

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