2012-0409-man0563
万葉短歌0563 黒髪に0499
黒髪に 白髪交り 老ゆるまで
かかる恋には いまだ逢はなくに 大伴坂上郎女
0499 万葉短歌0563 ShuB476 2012-0409-man0563
□くろかみに しろかみまじり おゆるまで
かかるこひには いまだあはなくに
○大伴坂上郎女(おほともの さかのうへの いらつめ)=「神亀五年(728)のはじめ、夫大伴宿奈麻呂に先立たれ、五月頃、兄大宰帥旅人の身の回りの世話を見るため、筑紫に下ったらしい。この頃から、大伴家の家刀自の色彩を深め、和歌史的にも、前代と後代との橋渡しの役割をつとめることになる。」集中での別名は、「坂上郎女・大伴郎女・郎女・大伴宿祢坂上郎女・大伴氏坂上郎女・佐保大納言卿之女・母・姑[をば])」(講談社版『万葉集事典』)と多い。さらに「大伴宿祢安麿の女(…)、母は石川内命婦(…)、家持の叔母(…)、旅人の異母妹(…)、稲公の姉(…)。」夫穂積皇子の死後、異母兄大伴宿奈麿の妻となって坂上大嬢・二嬢を生む。(同『辞典』)
【編者注】題詞原文は「大伴坂上郎女歌二首」。その第一首。
【訓注】老ゆるまで(おゆるまで=至耆)。いまだ逢はなくに(いまだあはなくに=未相尓)。