新品そっくりさん

実家のソファーがくたびれていた。
それは本皮製のいいソファーなのだが、愛用するあまり擦り切れ状態。

母が手製のカバーを作ってかぶせていたのだが、それもくたびれてきた。
「みっともないねえ」と母がいう。

買い換えるのは簡単なんだけど、
皮が擦り切れている以外はすわり心地のいいソファーなのだ。

先日行ったときに、これをなんとかしなくっちゃと思い、
なんかいいものを探してくるからね、と約束していた。

ネットでいろいろ調べたら、カバーもいろいろあって、
うん十万もするものもあった。

それなら新しいソファーをかったほうがましね。
で、手ごろな値段のものを見つけることにした。

日本製はなかなかピタッとしたものがない。
そこへいくと外国製は文化の違いか歴史の違いか、品数もサイズも豊富だ。

欧米は椅子の文化だし、部屋の模様替えもよくするみたいで、
大きく印象を変えるにはもってこいだもんね。

そして、コブラン織りの厚い生地で、模様も上品なカバーを発見。
それになんといっても安い！予算は片手で納まる。

さっそくそれを注文していたのだが、今日届いたのだ～。
急いで開けてみると予想どおりの物だった。

嬉しくなって急遽実家に持っていくことにした。
突然の訪問に驚いた両親だが、カバーを見せてセットするとニッコリ。

「まるで新品たい」「柄もよかねえ」と喜んで、さっそく坐っていた。
「この部屋にはもったいなかごたるね」

ほんと、ちょっとばかり上品になりすぎたソファー。
でもなんだかいい感じ。

我が家のくたびれたソファーにもかぶせようかなあ。
印象が変わるだろうなあ。