20年位前、1980年代終わりごろから、最近まで、ソフト業界とかその周辺の変遷について、特にソフト開発の立場を中心に見て行く、土日シリーズ「失われた20年-ソフト業界は変わったのか?」その第5回目。
今まで、第三次オンが終わったころ(1980年代後半)について書いてきたので、今回は、そのちょっとあとの1991年ごろについて書きたいと思います。
■ダウンサイジング→オープンシステム
そのころの日経コンピューターが、こんなかんじ
日経コンピューター創刊10周年記念号 1991年10月7日号の
特集が
ダウンサイジング ホストなき世界の到来
ということで、このころ、ダウンサイジングが話題になる。
(アップサイジング、ライトサイジングなどといいだすひともいたけど)
この流れが、オープンシステムへとつながっていく・・
とはいえ、この号の「動かないコンピューター」が、
本番JCLを直し忘れ、税額計算に誤り
というくらいだから、まだ世間は汎用なのだけど。。
データベースも分散データベースとかが話題。
この時代は、まだORACLE独占の次代でなく、Infomix,Sybase,Oracle,Empressなど百花繚乱、
分散トランザクション処理技術は、タキシード(TUXEDO)、
ちなみに表計算ソフトはWingz,Excel,Lotus1-2-3で、PCのデータベースは桐の時代。
■SIS
そして、1992年4月、日経情報ストラテジーが創刊する
もっとも、この前に、創刊準備号っていうのがあって、
上記の写真が準備号の2号、たしか、準備号の1号っていうのもあったとおもった。
(ちょっと今見当たらないけど。。)
この時代のキーワードがSIS。
SIS以前は、EDPS,MISなどあったけど、3文字はやり文句をつくって、営業を掛けていくという手法は、やはり、SISからじゃーないでしょうか。
SISは、戦略情報システムといわれるもので、コンピューターを戦略的に使うということで、企業のシステムを統合していく。。。とか、いわれるが、結局コンピューターメーカーがいろいろ売るために出してくる3文字熟語だ。
このあと、SIS→BPR→ERP→SOAとなって現在に至る。
その間、ちょっと全社的取り組みではないけど、サブ的3文字熟語として、EIA、SFA,CRM,QR(クイックレスポンス)、SPA(雑誌ではない)、EAなどが出てきたりする。
ま、ともかく、3文字熟語で売ろうという走りが出てくるわけです。
製造業もCIMがでてくる(FAなどを進めたものとして)
■CASEとか、ユーザーの開発参加とか
一方、ソフトウエアファクトリーという考え方がこのころあって、CASEで自動化できるんじゃないかという考え方があった。いまのCASEとはちがって、(いまは、一部分の自動化を組み合わせるバザール型だけど)トンドンCASEツールを統合化していくという形で、PCTEやIRDSというものがでてきた。
一方、GUIがユーザーが作って。。。など、ユーザーが開発に参加するという、EUC、EUD(エンドユーザーコンピューティング、エンドユーザーディベロッピング)というかんがえがでてくる。結果として、あんまりうまくいかないんだけど・・
そうすると、こういう特集になるのだな・・
プログラマ大量失業・・・
実際には、起こらなかった。
なぜか・・・
いろんな理由がある。
けど、そのひとつに、もともと、この業界、定着率わるいんだよね。。
もともと、大量に辞めるやつがいて、大量に入ってくるやつがいる。。
そんな業界なんです、はい、
(今は多少違うかも。。おなじかな??)
ということで、このシリーズの次回は、このころから生まれてくる、
ウォーターフォール開発の歪について、書きたいと思います。