博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

中原逐鹿の旅7日間 安陽

2009年04月16日 | 旅行・オフ会・展覧会
というわけで4日目はいよいよメインデッシュの安陽に到着。まずは安陽駅からほど近い安陽賓館へと向かいます。駅に着いたのが午前9時前なので、こんな時間から部屋に入れてくれるかしら?と思ってたら、あっさりとチェックインでき、おまけにホテル内にある切符売り場で北京から長春へと帰る切符がゲットできてしまいました。これで無事に長春まで帰れることが確定しました(^^;) 安陽賓館、えらいっ!

で、殷墟博物苑へとやって参りました!



が、上の写真の如くまるでアメリカインディアンの集落を思わせる門に不安を隠せません(^^;) ちなみに殷墟博物苑は「殷墟宮殿宗廟遺址」と「殷墟王陵遺址」の2箇所に分かれており、「殷墟宮殿宗廟遺址」の方は更に甲骨や青銅器などを展示する「殷墟博物館」が併設されています。上の写真は「殷墟宮殿宗廟遺址」の入り口で、まずはこちらから見学。

ここはだだっ広い敷地の中で祭祀坑や建築址などを見学できる野外博物館のようになっており、動物の骨や人骨などが掘り出された所は下の写真のようにガラスケースがかぶせられております。



こちらは敷地内を流れる洹水。この川の名前は甲骨文にも登場します。



やはり甲骨文に登場し、殷王武丁の妃とされる婦好。



意外と宮殿から近い所に墓があるのねと思いきや、後で聞いた話では陵墓は全く違う所にあり、副葬品の一部を掘り出してここやその他の博物館で展示するようにし(河南博物院でも婦好の青銅器が展示されてました)、お墓自体は将来の再発掘に備えて埋め戻したそうです。

2時間ほどたっぷり見学してそろそろ昼ごはんが欲しいところですが、困ったことに苑内や周辺には食堂はありません。(骨董屋だけがアホみたいにある……)仕方ないので売店で薩摩芋のチップスを買って取り敢えず空腹をしのぎ、「殷墟宮殿宗廟遺址」の入り口からマイクロバスに乗り込んで西北坑、すなわち「殷墟王陵遺址」へと向かいます。ちなみにこのマイクロバス、乗り場を示す看板もなく、車自体も分かりやすい目印が付いているわけではありません(^^;) 

安陽も駅の周辺とか殷墟に向かう道はすっかり都市化しており、昔大学の先輩が安陽に行った時に「殷墟の周辺は麦畑しか無かった」と言っていたのとは随分違うなあと思っていたのですが、王陵遺址までの道のりはなるほど畑が広がってます。安陽もここ数年で一気に開けてきたんでしょうか。

王陵遺址の方も野外博物館みたいな感じで、陵墓などの発掘跡が見学できるようになってます。下の写真は苑内から入り口に向けて撮ったもの。



で、下の写真のような感じで生け垣によって陵墓の範囲が囲われています。何でこんな訳の分からないことをするんだか…… ちなみにこれも後で聞いた話ですが、生け垣の下の土をよく見ると土器のカケラが落ちていることがあるとか。ああ、そんな所までチェックしてなかったよ(;´д⊂)



こちらは有名な「司母戊鼎」が出土した260号墓。展示場の構造上陵墓の全体が撮れないので、一部だけ。



で、王陵遺址を出て一旦宮殿宗廟遺址へと戻り、そこから歩いてかなり遅い昼食を取るべく歩いてホテルまで戻ることにしましたが、たまたま入った餃子屋の近くでこんなものを発見。



何か「殷墟鋳銅遺址」って書いてあるんですけど、この植え込みのあたりから工具やら何やら色々と出て来たってことなんでしょうか。道端でこんなものがあるなんて、まっこと油断がなりません(^^;)
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3 コメント

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つまりは、 (川魚)
2009-04-16 20:44:20
あれですか、平城宮みたいなもんですかw
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Unknown (楊藻)
2009-04-17 03:41:44
なんだか、ご無沙汰している間に大変な目にお遭いだったようで…(皆さまも)
私もなんか、すこし前に突然鼻水が止まらなくなったりして、それこそティッシュ詰めてもおしながす勢いで(色んな意味で突っ込まれそうな発言ですが…汚い話ですみません)、しかし薬飲んで(摂取量は違反しましたが)しばらくしたら治ってしまって、たぶん熱もありましたが、病院行かずにすんでしまいました。
が、それも手を伸ばせば届くところに飲みなれた薬のあらばこそ、ですよねえ。異郷で同じことになっていたかと思うと…想像するだに恐ろしい。しかも、必要な薬がないとは…
いや、本当に、大変な目に遭われましたね、としか言葉がありません。以後健康にはくれぐれもお気をつけください…!

ところで、遅くなりましたが、掲示板での「古龍」に関する件、ありがとうございました。長年?の疑問が氷解しました。事実を知ると、ちょっと残念な気もしなくはないですが。

…で、中国のバスって、場所によっては「乗ります」のジェスチャーをして自力で止めないといけないっていうのを『北宋風雲伝』のあとがき旅行記みたいなので読んだことがあるのですが――乗り場の表示がない、って「そういうこと」なんでしょうか(笑)?
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Unknown (さとうしん)
2009-04-17 18:56:58
>川魚さま
平城京というよりは、宮殿跡以外にも陵墓とか色々あるということで、明日香村に近いような気がしますね(^^;)

>楊藻さま
こっちの薬局って、基本的に安い薬しか置いてませんしね。うっかり体調を崩すと後が大変です……

バス停ですが、都会ではちゃんとバス停とか標識があって止まってくれますよ(^^;) 田舎では標識すら無かったりするんでしょうけど……
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