博客 金烏工房

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『大宋提刑官』その9(完)

2009年12月05日 | 中国歴史ドラマ
『大宋提刑官』第47~最終52話まで見ました。

前回のシリーズから数年後。宋慈夫婦は離婚の危機を乗り越え、夫人は子供を妊娠。岳父の薛庭松はこの件が原因で自害しているのですが…… で、空席だった臨安知府に前知府の呉水が就任。……って、さすがにそれは無いわ。他に適当な人材が見当たらなかったからとのことですが、南宋、どんだけ人材が払底してるんだよ(-_-;)

そんな中、城西郊で錦玉班の女優小桃紅が遺体で発見されるという事件が発生。捜査にあたる宋慈ですが、彼女が刑部の若手竹如海と関わりがあり、また如意苑に出入りしていたことが判明。如意苑というのは広大な敷地内に舞台とか賭博場などをしつらえた高官・豪商のための娯楽施設で、言うなれば紳士の社交場ですね(^^;) で、そこの荘主はその6で登場した刁光斗。何だか官吏をやっていた頃より立場が上がっているようです。まったくどいつもこいつも(-_-;)

それで小桃紅の件ですが、宋慈は彼女をストーキングしていた竹如海が犯人と断定して投獄。無罪を訴えていた竹如海は絶望して牢内で自害してしまいます。ところが再捜査の結果、竹如海が犯人ではないこと、すなわち宋慈が誤審を犯していたことが判明。絶望する宋慈に更に追い討ちをかける刁光斗。彼の告白によれば、真相は

実は竹如海は前々から如意苑と刁光斗に不審を抱いており、小桃紅スパイとして如意苑に潜り込ませていた。
→それに気付いた刁光斗は裏で手を引いて間接的に小桃紅を始末。
→小桃紅と連絡が取れなくなって焦る竹如海。
→刁光斗の諸々偽装工作により、まんまと宋慈が竹如海を犯人と断定。
→邪魔者の竹如海を自らの手を汚さず始末できたうえ、誤審により宋慈の弱みを握ることに成功。
→メシウマ


という次第。つまりこの事件において宋慈は最初から最後まで刁光斗の掌の上で踊らされていたわけです。言うなれば大岡越前や遠山の金さんが越後屋や三河屋に言いようにやられたみたいな話で、前回に引き続いて見るべきものは見たという神展開です。最終シリーズで宋慈が誤審するというネタを持って来るんだろうなあとある程度予想はしていましたが、こういう絡め方をしてくるとは思いませんでしたよ。本当にありがとうございましたとしか言いようがありません。

ただ、宋慈が誤審するあたりで「いやいやいや、いつもの宋慈ならそこで判決を下さずに容疑者と一緒に現場検証したりするやろう」というツッコミは出来るわけですが……

で、これからは自分の「朋友」となって自分のために働くか、それとも父親のように誤審を苦にして自害するかと選択を迫る刁光斗ですが、果たして宋慈の選択は……

長くなりましたので、作品全体の総括は次回に……

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