博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『ミラクルMASKマン』/『胡同のひまわり』

2008年05月11日 | 映画
『ミラクルMASKマン』(原題:百変星君)

例によって深夜映画です。周星馳演じるお金持ちのドラ息子が、ひょんなことから日本ヤクザに付け狙われて爆殺され、徐錦江演じるマッド・サイエンティストによって何にでも変身できる能力を持った改造人間として復活を遂げます。

そこからアクション・コメディが展開するかと思いきや、そこからなぜか周星馳が札付きの不良学校の教師として赴任することになり、そこから唐突に学園コメディが展開していきます。実に香港映画らしいメチャクチャさですね(^^;) おまけに生物の教師だったはずが、生徒に歴史の問題を出したりしてるし、生徒は生徒で「明王朝の初代皇帝は?」と問われて「朱茵(アテナ・チュウ)」なんて答えてるし、もうどこからツッコんでいいのやら……

ラストはまた日本ヤクザが絡んでくるんですが、最後に周星馳が変身したおばちゃんが何のパロディーなのか分からないのが心残りです。


『胡同のひまわり』(原題:向日葵)

文革で地方の農村へと下放されていた画家の父親と、北京のごくありふれた四合院で帰りを待っていた妻と息子。この3人の家族の30年に渡る物語です。

ストーリーのほとんどが四合院を舞台にして進んでいきますが、印象に残ったのはやたらと近代的なマンションへと引っ越したがっていた母親ですね。外国人の我々からすると、「四合院の取り壊しなんかやめて、胡同の街並みの保存を!」と訴えたいところなんですが、今読んでいる中公新書の『北京』なんかによると、そこで暮らしていた人々には彼らなりの言い分があるようです。四合院での暮らしの煩わしさとか、母親がなぜマンションでの暮らしに憧れるのかを丁寧に描けておれば、もっと良い作品になったかもしれません。

あと、父親の不器用さに泣けた……(;´д⊂)

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2 コメント

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ちーごん! (ぐんまま)
2008-05-12 03:13:15
 どうもお世話おかけ致しております。

>「胡同のひまわり」
 途中抜けたのですが、ほとんど見ました。
 お父さんが孫海英さん‥‥しゃちょーの七公ですね。
 それにしても役の幅の広い人だ。
 恨み重なっていた筈のあの人が‥‥だった時のお父さんのなんともやりきれないような後悔のような反応が、印象に残っております。
 お母さんの新しいマンションへの憧れは、利便性と自分たちに対する評価からなのかな?と思ってみてましたが、どうなんでしょうね?

 周星馳‥‥見逃したぁ!
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Unknown (さとうしん)
2008-05-12 23:23:22
>ぐんままさま
>お父さんが孫海英さん‥‥しゃちょーの七公ですね。

な、なんですってーーーー!?
全然気付かなかったです……

>お母さんの新しいマンションへの憧れは、利便性と自分たちに対する評価からなのかな?

今読んでいる『北京』という本によると、四合院から集合住宅へと引っ越しした人曰く、「そりゃあ、自分の家族だけで住めるなら四合院の方がいいでしょ」とのこと。

本来一家族が住むところに何家族も棟を分け合っているということで、トイレや台所が共用だったり、隣近所とのトラブルが絶えなかったりと、色々と煩わしいことがあるようです。

お母さんはそういうもの一切合切がイヤになってきたのではないかなあと。
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