淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「君は、何に勝って、何に負けたの?」

2016年09月14日 | Weblog
 貧困線という言葉がある。
 等価可処分所得-いわゆる世帯の可処分所得(簡単に言っちゃえば手取りの収入ということになる)を世帯の人数の平方根で割ったもの-の中央値の半分の額を貧困線といっていて、たとえば2012年ではその額は122万円だった。
 122万円!

 2012年でいえば、所得が122万円未満世帯の割合-それを経済用語では相対的貧困率と呼んでいるけれど-が16.1%で、子どもの貧困率も16.3%だった。
 つまり、相対的ではあるけれど、結果では、日本人の約6人に1人が貧困層ということになる。
 6人に1人!

 気が滅入る。

 総合月刊誌の「文藝春秋」を寝転がって読んでいたら、新連載で「旬選ジャーナル~目利きが選ぶ一押しニュース」というページが組まれていて、そこに作家の橘玲氏の相場英雄氏の両氏が興味深いコメントを載せていた。

 橘玲氏は、巷で議論される「貧困を生み出すのは社会なのか、自己責任なのか」は不毛な議論の典型だと憤る。
 表層的に語られる「貧乏な人たち」とはまた違う、もっと根が深い「最貧困」層がこの日本には現存していて、その背後には「知的障害」と「発達障害」と「精神障害」の三つが大きく関係しているのだと。

 ここで、その先までを語るにはちょっとスペースが足りないけれど、相場英雄氏もまた同じように、「非正規労働者の割合が四割を超えた」ことによる日本経済の暗部を語っていて、その中で、過酷な労働環境に耐えて働かざる得ない若者を含めた非正規労働者状況について憤慨する。

 これもまた、読んでいて気が滅入った。

 「訳のわからないことで悩んでいるうち、年老いてしまうから・・・」と歌っていたのは「襟裳岬」の森進一だったけれど、贅沢な悩みに悶え苦しむ誰かさんの背後にだって、厳然とした、現実という最も頑強な壁が立ちはだかっている。

 人生は恐ろしいほどに過酷である。











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