淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

NHKスペシャル「山口一郎”うつ”と生きる~ サカナクション 復活への日々~」(日曜夜9時)は凄かった! 観終わった後、少しの間、思考が停止してしまったほどだ。298

2024年05月07日 | Weblog
 生まれてこのかた、一度も心療内科とかに通ったことがないので軽々しい言葉は吐けないけれど、アメリカ映画なんかを観ていると、心を病んで訪れた患者が、広めのソファに座って、自分の心に巣食う闇をカウンセラーである主治医に吐露しているシーンが頻繁に出てきたりする。でも、たぶん日本では、それよりも薬を与えての対処措置が一般的なんだろうと勝手に思ってしまう。
 これまでも、何度かこのブログに書いたことがあったけれど、そんな自分もまた、これまで大きく2度ほど辛く苦しい経験をしたことがある。
 一度目はこのブログを書き始めるその切っ掛けにもなっているのだが、あることがあって、そこから圧倒的な虚しさというか淋しさというか切なさというか、そういう負の感情が絶えず襲い、胸が張り裂けそうになり、いっそ死んでしまいたいと思うようにまでなったのだ。
 これは滅茶苦茶苦しかった。
 特に、夜の帳が降り始める時刻から真っ黒な塊が身体の至る場所から涌き出てくるような感覚に襲われ、冷たい土砂降りの雨に打たれ続けているみたいな気分にも陥った。

 

 そしてそれから数年後、今度は、全然望んでもいなかったある役職に抜擢されたときのことで、周りからは持て囃されたりもしたけれど、嬉しさなんて微塵もなく、ひたすら苦痛で、毎日毎日辞めることだけを考え、いつも「辞表届け」をスーツの内ポケットに仕舞っていた。
 そんなある日の休日、スポーツジムで大量の汗を流したあと、ジムのシャワーを浴びていたら、突然そのシャワーのお湯が襲って来るような恐怖に襲われ(こんな奇妙な感覚に陥ったのは生まれて初めてのことだった)、息が苦しくなって、急いでシャワーを止めてシャワー室から出ると、たまたま同じ職場で働いていた女子職員も偶然同じジムで汗を流していたので、その人を見つけ出して傍にいてもらい、その後なんとか過呼吸は治まった。
 でもそこからがまた地獄の日々で、夜は眠れず、前回と同じように圧倒的な虚しさや淋しさや悲しさが絶えず襲って来て、何日も何十日も何か月もその感情に苦しめられた。
 これまた地獄である。
 でも一度も病院には駆け込まなかった。薬の類いも一切飲まなかった。
 救ってくれたのは全員、友人である女性たちだった(ヘンな意味じゃありません)。一人ひとり、別なルートでの人間関係を築いていた人たちではあったけれど、本当に色んなサポートをして貰い、励まされ続け、吐き出した負の感情を全部優しく掬いあげてくれた。
 なので、今でも感謝している。
 しかしなぜか、男性群はほとんど助けてくれはしなかったけど・・・。



 日曜日の夜、NHKスペシャル「山口一郎”うつ”と生きる~ サカナクション 復活への日々~」を観た。
 これは凄かった。
 「サカナクション」は大好きで、彼らのアルバムはほとんど持っているし、ライブに行こうとチケットも買おうとしていた(でもライブは突然中止になって結局行けなかった。実は、フロントマンである山口一郎氏が闘病生活を送ることになったからだ)。
 この番組では、そんな「サカナクション」の山口一郎が、鬱病に苦しんだ2年を赤裸々に語っていて、今回2年ぶりの全国ツアーを決行しているなか、彼がステージ上で鬱病を告白したことやメンバーたちとの赤裸々な遣り取りまでが克明に描かれている。
 それにしても、よくここまで何もかも全部曝け出したものだと、心底驚いてしまう。
 観終わった後、少しの間、思考が停止してしまった。
 こんな凄い番組、一年の中でそんなにないな。





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