ものずき烏の無味乾燥?文

ブログ発想 LP/LD/CD コレクション作業 進行中。ジャズばっかしじゃないかと言われたら身も蓋もない。

ラルフ・ピーターソン:Vクインテット

2005-07-30 | 音楽 の 紹介

V / TRIANGULAR / VOLITION
/ PRESENT THE FO'TET: Ralph Peterson

"V" Blue_Note(USA)B1-91730
Enemy Within / Monief / The Short End Of The Stick
Sowet 6 / Viola's Dance / Bebopskerony
Terence Blanchard (tp) Steve Wilson (as、ts)
Giri Allen (p) Phil Bowler (b)
Ralph Peterson (ds) 1988/04/19,20

Ralph Peterson Trio Featuring Geri Allen
"Triangular" Blue_Note(USA)B1-92750
Bemsha Swing / Trianglar / Water Colors
Princes / Just You、Just Me* / Move
Splash / Smoke Rings
Geri Allen (p) Essiet-Oken Essiet (b) Phil Bowler* (b)
Ralph Peterson (ds) 1988/08/21,22 1988/04/20*

"Volition" Blue_Note(USA)CDP7_93894_2
Volition / Seven Of Swords / One My Side
Forth And Back / Back To Stay / In Step
The Benevolent One / Sasquatch
Terence Blanchard (tp) Steve Wilson (as、ss)
Geri Allen (p) Phil Bowler (b)
Ralph Peterson (ds) 1989/02/28,29

"Present The Fo'tet" Blue_Note(USA)CDP7_95475_2
Urban Omen / Thabo* / Homegoing (For Lee Morgan)
Axis Mundi / Ballad For Queen Tiye / Miss Lady*
I Can Dream, Can't I? / Confrontation
Johnny Come Lately
Don Byron (cl,b.cl) Bryan Carrott (vib) Melissa Slocum (b)
David Murray* (ts,b.cl) Frank Lacy* (tb,flh)
Ralph Peterson (ds) 1989/12/22,23
 前回投稿したジェリ・アレンが、若手のドラマーのアルバムに参加したのが、ラルフ・ピーターソンのVクインテットです。地味で陰気なトリオではなく、たぶん年代的にも同じ仲間とのアグレッシブな演奏が聴けます。このラルフ・ピーターソンというドラマーは、今どうしているのでしょうか、これらのアルバムの全てが、日本でプロデュース(Somethin'else)したもので...その後あまりレコーディングの機会が無いようです。叩きすぎるのが難点だと思いますよ。日本ならアート・ブレーキーのファンが多いので好かれるのでしょうが...ジャズ嫌いの人はドラムが嫌いだと言ってましたが、まさしくその傾向だと思います。わたしは時と場合によりますが、こんなドラマーが居ってもよろしいと考えますが...BGMには向きませんね。

 VVolition はブランチャードが参加しているせいでもないでしょうがジャズ・メッセンジャーズの雰囲気がありますね。ラルフ・ピーターソンがアート・ブレーキーの後継者かなと思わせてますが、V はダニー・リッチモンドに捧げられているんですねこれが。なお、このVクインテットの編成は、初めの頃のドナルド・ハリソン/テレンス・ブランチャードと近いのですよ...プロデューサーが無難な路線を取ったのかも知れませんが、ディスク大賞なんか受賞してますので、SJ誌とレコード会社の癒着を感じてしまうのは...わたしだけでしょうか?

 Present The Fo'tet 新境地ですね、ピアノ・レスで編成されてますが、叩きすぎることに変りはありません。ジェリ・アレンが参加していませんが、ラルフ・ピーターソンを一掃するため、ここに投稿しておきます。

 で、この4枚で目玉となるとわたしの場合、ピアノ・トリオのTriangular となります。ここでは、叩きすぎのドラマーにジェリ・アレンは調子を合わせていますので、前回投稿した陰気なピアノ・トリオとは一新します。

 後半の2枚はCDなのですが、前の2枚に比べて画質が低下しています。音楽はダウンロードで買う時代のようですが、ジャケットの面白さはどうするのですかね。


投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/07/30 ものずき烏

ジェリ・アレン:ヘイデン+モチアン・トリオ

2005-07-29 | 音楽 の 紹介

ETUDE: Haden / Motian Featuring Allen
IN THE YEAR OF THE DRAGON: Allen, Haden, Motian
SEGMENTS: Allen, Haden, Motian

Charlie Haden / Paul Motian
Featuring Geri Allen "Etude" Soul_Note(ITA)121_162-1
Lonely Woman / Dolphy's Dance
Sandino / Fiasco / Etude II
Blues In Motion / Silence
Shuffle Montgomery / Etude I
Charlie Haden (p) Paul Motian (ds)
Geri Allen (p) 1987/06/01

"In The Year Of The Dragon" JMT(GRM)934_428-1
Oblivion / For John Malachi
Rollano / See You At Per Tutti's
Last Call / No More Mr.Nice Guy
Invisible / First Song
In The Year Of The Dragon
Geri Allen (p) Charlie Haden (b) Paul Motian (ds)
J.L Mendolas (bamboo、fl) 1989/03

"Segments" DIW(JPN)8034
Law Years / You'll Never Know
Marmaduke / Cabala / Drum Music
Home / I'm All Smiles
Segment / La Pasionaria / Rain
Geri Allen (p) Charlie Haden (p) Paul Motian (ds)
1989/04/08
 ジェリ・アレン、チャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンのトリオ・アルバムなのですが...キース・ジャレットの初期のトリオの編成なのです。スタンダード・トリオが定着してしまって、残されたヘイデン、モチアンが若手のアレンを引き込んで始めたようですね。最初のアルバムはヘイデン、モチアンにアレンが加わったことがはっきりとタイトルに出ています。2枚目以降はアレンから名前が書いてあります。キース・ジャレットと同じように、陰気な感じが漂っています。この雰囲気の暗さはヘイデンの影響のような...気がします。もっとアレンの若さを主張してもいい、3枚のアルバムです。
 こんな事を書くのは、ヘイデンに偏見があるからなのです。ヘイデンは捕鯨禁止論者で、これを理由に来日を拒否したことがあるのです。エコロジーは理解できるのですが、むかしの日本人は鯨を食しましたし、わたしも小学校の夏休みには学校から肝油ドロップ(鯨の肝臓)を支給された口ですから...主張に凝り固まるとファンも引いてしまいます。
 この3枚で好きなのはIN THE YEAR OF THE DRAGON です。辰年などとタイトルを打つのは、わたしの中国趣味にもマッチしますし、映画のタイトルにもあったような...
 偏見を取り去って、このピアノ・トリオの完成度は相当に高い。よってこの3枚のアルバムも優秀作です。


投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/07/29 ものずき烏
(参考)
2005-07-12 ジェリ・アレン:プリントメーカー/ホーム・グロウン

フィル・ウッズ:ヨーロピアン・リズム・マシーン

2005-07-27 | 音楽 の 紹介

AT THE FRANKFURT JAZZ FESTIVAL
/ CHROMATIC BANANA:
Phil Woods And His European Rhythm Machine

"At The Frankfurt Jazz Festival"Atlantic(USA)7_90531-1
Freedom Jazz Dance / Ode To Jean-Louis
Josua / The Meeting
Phil Woods (as) Gordon Beck (p)
Henri Texier (b) Daniel Humair (ds) 1970/03/21
 一時期、活動拠点をヨーロッパに移したフィル・ウッズが、ヨーロッパの演奏家と編成したのがフィル・ウッズ&ヒズ・ヨーロピアン・リズム・マシーンである。ゴードン・ベック(イギリス)、アンリ・テキシェ(フランス)、ダニエル・ユメール(スイス)そしてフィル・ウッズ(アメリカ)と、この当時、新聞紙面に登場したまさに多国籍企業。チャーリー・パーカーべったりだったフィル・ウッズが、この頃から変身した。
 ピアノ、ベース、ドラムのリズム・セクションを、リズム・マシーンなどと呼んだのは、この頃から使われ始めたエレクトリック・ピアノが機械の音を出していたからではないかと...思うのですが。このエレピーの音色ですが未だに、安っぽくて好きになれませんが、これでフィル・ウッズが、活気付いた。
Freedom Jazz Dance は、出だしからアドリブ演奏で、テーマがなかなか出てきません。5分過ぎてやっと出できます。決してフリー系のアルト奏者ではないと思うのですが...メンバーの影響が非常に大きい。

"Chromatic Banana" Pierre_Cardin(JPN)NCP-9002PC
Chromatic Banana / Ultimate Choice
The Last Page / Sans Melodie
A Look Back / The Day When The World...
Phil Woods (as) Gordon Beck (p)
Henri Texier (b) Daniel Humair (ds) 1970/07/05
 このアルバムは、たぶんわたしにとっての最初のフィル・ウッズですね、よく聴きました。レーベルがピエール・カルダン。買ったときはハンカチのおまけが付いていたと記憶しています。ファッションで買ったのでしょうが、これでフィル・ウッズを覚えました。
 このフィル・ウッズの、初期作品が、以前に投稿したジーン・クイルとのアルト2本のコンビものです。フィル&クイル(アルト×2)


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2005/07/27 ものずき烏

ファッツ・ナヴァロ:(サヴォイ、ブルー・ノート)

2005-07-17 | 音楽 の 紹介

FAT GIRL: Fats Navarro The Savoy Sessions
THE FABULOUS VOL.1 & 2: Fats Navarro

"Fats Girl The Savoy Sessions" Savoy(USA)2216
Boppin' A Riff / Fat Boy / Everything's Cool
Webb City / Calling Dr.Jazz / Fracture
Maternity / Stealing Trash / Just A Mystery
Red Pepper / Spinal / Hollerin' And Screamin'
Fats Navarro (tp) Sonny Stitt (as)
Bud Powell (p) Kenny Clarke (ds) Al Haig (p)
other 1947
Fat Girl / Ice Freezes Red / Ed Pob
Goin' To Mintons / A Bebop Carol(alter)
A Bebop Carol / The Tadd Walk / Gone With The Wind
That Someone Must Be You / Nostalgia(alter)
Nostalgia / Barry's Bop(alter) / Barry's Bop
Bebop Romp(alter> / Bebop Romp / Fats Blows
Fats Navarro (tp) Eddie"Lockjaw" David (ts)
Tadd Dameron (p) Curley Russell (b)
Art Blakey (ds) other 1947


"The Fabulous Vol.1" Blue_Note(USA)BST-81531
Our Delight(alter) / Our Delight
The Squirrel(alter) / The Squirrel
The Chase(alter) / The Chase
Wail(alter) / Bouncing With Bud(alter)
Double Talk / Dameronia(alter) / Dameronia
Fats Navarro (tp) Ernie Henry (as)
Tadd Dameron (p) Nelson Boyd(b)
Bud Powell (p) other 1949

"The Fabulous Vol.2" Blue_Note(USA)BST-81532
Lady Bird(alter) / Lady Bird / Jahbero(alter)
Jahbero / Symphonette(alter) / Symphonette
Double Talk(alter) / Bouncing With Bud(alter)
Dance Of The Infidels(alter) / The Skunk(alter)
Beperation
Fats Navarro (tp) Kenny Clark (ds)
China Pozo (bongo) Howard McGhee (tp)
Milt Jackson (vib) other 1949
 頬を膨らませてトランペットを吹いているブルー・ノートのジャケットは、昔からよく見ていましたがなかなか購入する気になれなかったのです。ガレスピーが晩年、同様に頬を膨らませてトランペットを吹いていたのを想いうかべますが、系列としては、クリフォード・ブラウンの先輩格にあたるようです。同じように20代なかばで世を去りました。チャールス・ミンガスの自伝『負け犬の下で』の最後のほうに親友でファッツ・ナヴァロが登場してくるのですが、ここにあげた3アルバム4枚にミンガスとの演奏は含まれていません。単なるデブ(Fats)の仲間だったのでしょうか...
 SPからLPへの切り替え時期ですので、この当時のブルーノートはVol.1、Vol.2という形式が多いようです。中にはバッド・パウエルのアルバムと持ち合いになっている曲もあります。こんな事や、時代が古いといったことで入手を手控えていたのですが、この4枚を全部聴いてファッツ・ナヴァロの存在価値が、やっと判りました。
 この中で好きな曲は、「ノスタルジア」ですね。頭に残り、また聴きたくなります。


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2005/07/17 ものずき烏
コンテ・カンドリが1985年に演奏した「ノスタルジア」を見つけました。


檀一雄:夕日と拳銃/胡桃沢耕史:闘神

2005-07-16 | 書籍 の 紹介

『夕日と拳銃』 檀一雄
『闘神 伊達順之助伝』 胡桃沢耕史

 胡桃沢耕史の『闘神』が出版された頃、同じテーマで書かれた小説がありテレビ放映された事の記憶があって、二番煎じかと、手を伸ばさなかった。いつでも読める、どこの本屋にも文庫であると思っていたのが檀一雄という作家であった。いざ読んでみようと探したのだが、あるのは令嬢の檀ふみの作品ばかりとなっていた。神保町で探せば、簡単に見つかるものかも知れないが、そこまではと考えていた。ぶらっと立ち寄ったBで、全集本の片割れの1冊で『夕日と拳銃』を見つけました。百五円。すかさず書物の価値を知らぬバカな古本屋だと、ほくそえみながら購入しました。
 主人公は伊達宇和島藩の三男坊で、実在した伊達順之助。「狭い日本に住み飽きた」と満州へ渡り、馬賊となった人物。現代の刑法なら銃刀法違反で即座に、逮捕されるのであるが、満州であろうが日本国内であろうが、平気で拳銃を持ち歩き、標的を描きぶっ放すという、危険極まりない人物で描かれている。西部劇が流行った時代の影響か? まさに無頼派といわれた作家の、作品である。考証は、無視はしていないのであろうが、文体とともに、自由奔放。新聞に連載されたとの事。この時代は、娯楽の一つとして新聞の連載小説が存在したようである。片手間で3日ほどかけて、面白く読了。
夕日と拳銃』 檀一雄全集Ⅴ 新潮社 1977/8/25
 次は、きっかけとなった胡桃沢耕史の『闘神』を読んでみようと、探しましたが見つかりません。作家が故人になった当初は、沢山書店に溢れるのですが、時とともに、その書籍も消えるようです。書店には、読んでくれよと、沢山の本が溢れているのですが、読みたい本が欠けている。現役作家を大事にする、出版社の意向も判らないではありませんが、名作は途切れないように、出版して欲しいものです。


 見つけましたが、背表紙が割れてバラバラになりそうな文庫です。さっそく、わたしなりの文庫の補修をデジカメで撮影しながら行いました。補修方法をブログで投稿しようとしたのですが、ブログでTABLEを使うと、意図した表示になりませんので、別途ホームページに開示しました。古本を利用する方は参考までにご覧下さい。
無線綴じ文庫本の補修

 さて、胡桃沢耕史『闘神』ですが、伝記となっております。出自が宇和島伊達の六男坊のようですし、九州で育ったことになっているのが東京だそうです。馬賊にはならなかったなど、実像を描き出そうとしている記述です。喧嘩で殺人事件を起こしたとか、戦犯で処刑されたなど、大筋では共通しておりました。
 活躍した舞台が、中国の近代史ということで、歴史教育では取り上げられることが少ない、複雑な時代背景(辛亥革命から日本敗戦までの中国)です。大筋では知っているつもりですが、主人公の置かれた状況を把握するのは非常に困難でした。実在の人物であるが、政治の表舞台に登場したわけではないので評伝がない、子息が存命である...などの事由で、描き難い人物なのである。
闘神 伊達順之助伝』 胡桃沢耕史 文春文庫 く3-12 1993/7/10
 一読者としては、細部にこだわらず、主人公の自由奔放さを作品にした『夕日と拳銃』が面白い

2005/07/16 ものずき烏

飯嶋和一:始祖鳥記

2005-07-15 | 書籍 の 紹介

飯嶋和一『始祖鳥記』 小学館文庫

 『雷電本紀』で、その時代考証の詳細さに、興味を持った作家です。
始祖鳥記』は、幸吉と云う伝説的人物が凧に乗って中を舞う話が本筋です。初めのフライトは岡山。時代のなせる事か、幸吉は民衆を扇動したと判決を受け、所払いとなってしまいます。その幸吉を助けたのが、竹馬の友である海運業の源太郎で、しばらく船員として暮らします。航海士の杢平が老いを感じ船を降りるタイミングで幸吉も陸の人となり、駿府で生活を始めます。その駿府で再度のフライトを行います。
この筋立てだけでは、単なる技術史に一行だけ登場する人物になってしまいますが、そこは時代考証に細密な作家ですから、史料を読み解く時代背景まで教えてくれます。もちろん登場人物はこれだけではありません...登場人物は、みな誠実で善良な人々で、悪いのは権力をかさに利益をむさぼる輩と云う構図は『雷電本紀』と同様です...いつの世も同じと感じる、わたしです。
 この飯嶋和一氏は、デビューして20年近いのですが、発表した作品が極わずかで、わたしが知ったのも、ここ数ヶ月。なぜかは、一冊でも読んでみれば判る。手抜きがまったく感じられないのである。例えば日付、時刻の表記など、読者が突っ込みを行おうと目論んでも、矛盾が見つけられないのである。あたかも、本職は古文書の研究家で、余技で時代小説を書いているような記述である。また『始祖鳥記』各章の表題には、年号と月(旧暦)を使っているのが趣向として面白く感じた。内容を類推する章タイトルでなく、事務的に年号と月を記載することにより、読んでみろと訴えかけている。わたしは前章のタイトルと比較し時間の差を踏まえてから次章を読み出す。面白い。
始祖鳥記』 飯嶋和一 小学館文庫 い25-1 2003/01/01 2刷

2005/07/15 ものずき烏
(参考)
2005-04-19 飯嶋和一:雷電本紀

サミー・デイヴィスJr.:サミーとギター

2005-07-14 | 音楽 の 紹介

SAMMY DAVIS,JR. SINGS
/ LAURINDO ALMEIDA PLAYS

"Sammy Sings Almeida Plays" Reprises(USA)RS-6236
Here's That Rainy Day / Two Different Worlds
The Shadow Of Your Smiles / Where Is Love
Ev'ry Time We Say Goob Bye
I'm Alway Chasing Rainbows
We'll Be Together Again / Joey、Joey、Joey
The Folks Who Live On The Hill / Speak Low
Davis、Sammy Jr.(vo)
Almeida、Laurindo(g)
 あまりにも多芸すぎて、正当な評価が置き去りにされてしまった感のあるサミー・デイヴィス・ジュニアです。このLPはジャケットのかもめの写真が気に入っています(カラスでないのが残念)。アルメイダのアコースティク・ギーターのみの伴奏という人件費のかからない録音なのです。そのためにか、変な演出もせず元の楽曲どおりに歌っていると聴いています。
 ジャズのピアノ・トリオで演奏する曲が含まれていますので、ピアニストの愛唱歌の歌詞が聴けますので、ピアノが好きな人は持っていても損はない。この歌で英語のヒアリングと発音の練習をするのもGood。


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2005/07/14 ものずき烏

ミッシェル・サルダビー:イン・ニューヨーク

2005-07-13 | 音楽 の 紹介

MICHEL SARDABY IN NEW YORK



"In New York" Isque_Debs(FRA)HDD-540
The Panther Of Antigny / Waltz For My Father
Love Love And Dream / Martinica
Someone Come Into My Life / Coulies' Dance
Michel Sardaby (p) Richard Davis (b)
Billy Cobham (ds) Ray Barretto (conga) 1972/08/03
 精神的にも余裕のあるときは、レコード・ショップでも、面白い演奏家を見つけ出すようである。しかし、わたしにとって、このピアニスト謎のままなのである。国内盤も出ていたようであるが、入手はその5年ほど前にもなろうか。
 知らないピアニストであるが、メンバーの顔ぶれを見て、悪くはないと判断して求めた。タイトル(In New York)から、田舎ぺえか、外国人か、フランスのプレスだからフランス人かもしれないが、まずまずのピアノと聴いた。リチャード・デイヴィスのベースが、表に出ていて、ピアノを補強しているようである。
 このミッシェル・サルダビーというカタカナの綴りもWebで知った。録音枚数も極めて少ないようであるから、好事家はコンプリート・コレクションが容易に楽しめるピアニストである。


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2005/07/13 ものずき烏

ジェリ・アレン:プリントメーカー/ホーム・グロウン

2005-07-12 | 音楽 の 紹介

THE PRINTMAKERS: Geri Allen
HOME GROWN: Geri Allen

"The Printmakers" Minor_Music(GRM)001
A Celebration Of All Life / Eric
Running As Fast As You Can...TGTH
M's Heart / Printmakers
Andrew / When Kabuya Dance
D And V
Geri Allen (p) Anthony Cox (b)
Andrew Cyrille (ds) 1984/02/09
 「ジャズのピアノは、これでなくちゃ」と感心したジェリ・アレンの1st.アルバムです。フリー系良し、バラード良しのテクニシャンのようです。セシル・テーラーでも活躍しているドラマーのアンドリュー・シリルが参加しているだけではないのですが、フリー・ジャズで実績があるようです。わたしには、フリーの不協和音が心地よい。
 レーベルはドイツですが、名前からして、開き直って、マイナー・ミュージックとは、意気込みを感じさせられます。ジャケットはジェリ・アレンの横顔のようですが、フリー・ジャズの王女として、コインか紙幣に採用する予定ですかね...

"Home Grown" Minor_Music(GRM)004
Mama's Babies / Bemsha Swing
No More Mr. Nice Gay
First Black Men...M.O.P.E.
Round Midnight / Blue
Alone Together / Home Grown
Geri Allen (p) 1985/01
 2作目にしてソロ・ピアノのアルバムをリリースするとは、驚くべき実力者です。ソロ・ピアノでセロニアス・モンクをこなすのは、定番なのかも知れない。突拍子もないと、思わせる音を交える感覚が、ジャズの自由な持ち味であると...考えています。伴奏者がいる場合は、その突拍子もない音に何かしらの反応を、加えるのですが、そこは、ソロ・ピアノですから自分で、始末をつけなければなりません。これが、できなきゃソロは、単なる楽器の練習で、聴いてもつまらないものになるのでしょう。
 ジェリ・アレンは、立派に、こなしています。


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2005/07/12 ものずき烏

アイク・ケベック:ヘヴィー・ソウル/春の如く

2005-07-11 | 音楽 の 紹介

HEAVY SOUL: Ike Quebec
IT MIGHT AS WELL BE SPRING: Ike Quebec


"Heavy Soul" Blue_Note(JPN)BN-4093
Acquitted / Just One More Chance / Que's Dilemma
Brother Can You Spare A Dine / The Man I Love
Heavy Soul / I Want A Little Girl / Nature Boy
Ike Quebec (ts) Freddie Roach (organ)
Milt Hinton (b) Al Harewood (ds) 1961/11/26


"It Might As Well Be Spring" Blue_Note(JPN)BN-4105
It Might As Well Be Spring
A Light Reprieve / Easy - Don't Hurt
Lover Man / Ol' Man River
Willow Weep For Me
Ike Quebec (ts) Freddie Roach (organ)
Milt Hinton (b) Al Harewood (ds) 1961/12/29

 「最後の復刻」という歌い文句に釣られて、購入した2枚です。典型的なテナー・マンですね。ピアノではなくてオルガンを伴奏にするのがこの当時の流行なのでしょう。思い切ってベース、ドラムのピアノ・レス・トリオにしたら耐えられるかというと、そんなテナーではなさそうです。なんでもブルーノート・レーベルでのスカウト・マンもやっていたそうですが...今は故人です。
 オルガンをバックにするとソウルフルですね。曲によっては、間違えるとサム・テーラーとかシル・オースチンの、所謂ムード・テナー路線となりそうな?気がします。...そういえば、ムード・テナーというのはあるけれどもムード・アルトという分類は聞きません。ピアノ・レスのほかに、テナーアルトというのも、わたしにとって、LP再聴の面白いテーマのようです。


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2005/07/11 ものずき烏

ジョージ・シアリング:バードランドの子守唄

2005-07-10 | 音楽 の 紹介

LULLABY OF BIRDLAND: George Shearing


"Lullaby Of Birdland" Verve(USA)827_977-1
September In The Rain / Good To The Last Bop
Bop Look And Listen / Nothing But D.Best
Summertime / East Of The Sun / Conception
1949/07/27
I'll Remember April / Jumpin' With Symphony Sid
Changin' With The Times / Strolling / Tenderly
(Geneva's) Move / Pick Yourself Up
George Shearing (p) Majorie Hyams (vib) Chuck Wayne (g)
John Levy (b) Denzil Best (ds)
1950/07/05
Indian Summer / They All Laughed / Minoration
Brain Wave / Takin' A Chance On Love
You're Driving Me Crazy / Swedish Pastry
George Shearing (p) Joe Roland (vib) Dick Evans (g)
Al McKibbon (b) Denzil Best (ds) Billy Eckstine (vo)
1951/12/18
Ghost Of A Chance / Lullaby Of Birdland
Undecided / Drum Trouble
Tiempo De Cencerro Part 1 And 2
Cool Mambo / Get Off My Bach
George Shearing (p) George Devins、(vib)
Jean"Toot" Thielemans (g) Bill Clark (ds)
1954/03/28

 現在進行中のジャズに飽き足らなさを感じ、すこし遡ってみようと、入手したのがジョージ・シアリングです。「バードランドの子守唄」で作曲者の名前は知っていたのですが、聴いてみて、いやぁ"渋い"と感じました。このLPはオムニバスという商品でしょう。活動中の演奏家は、休止中にレコード会社の企画で出る類のもので、余程の事がないとオムニバスは出しません。当然にして、ジョージ・シアリングのオリジナル盤は入手できません。と言ってもどれが良くてどれが良くないかなどわかる筈のない演奏家ですので、わたしにとって、このオムニバスは便利なアルバムなのが実際です。
 3分前後の曲が28曲。中にはスタンダードとなっているものもありますので、現役の演奏家がスタンダートと銘を打って出すアルバムを、突然に聴きだすと云うのは、文化風土の違いもあって、元の曲についての親しみが必要な気もしますので、このようなアルバムで曲を聴きこんでから、最新の演奏を聴くのも楽しいと想います。


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2005/07/10 ものずき烏

ゲーリー・バートン:葬送/イン・コンサート

2005-07-09 | 音楽 の 紹介

A GENUINE TONG FUNERAL: Gary Burton
IN CONCERT: Gary Burton


"A Genuine Tong Funeral" RCA(JPN)RCA-6204
The Opening / Death Rolls
Morning / Interlude
Silent Spring / Fanfare
Some Dirge / Morning
The New Funeral March / The New National Anthem
Gary Burton (vib) Larry Coryell (g) Steve Swallow (b)
Ronsam Dragon (ds)
Michael Mantler (tp) Steve Lacy (ss) Jimmy Knepper (tb)
Gato Barbieri (ts) Howard Johnson (tuba,bs)
Carla Bley (p,organ,cond) 1968/01/23
 邦題は”葬送”。直訳なのでしょうが、陰気臭い内容に取られて損しています。ゲーリー・バートンのアルバムになってますが、楽曲と指揮をカーラ・ブレイに委ねていますので、カーラのオーケストラのアルバムと、とったほうが素直です。この当時はゲーリー・バートンのカルテットは人気がありまして商業的にもまずまずだったのでしょう。親交のあったカーラ・ブレイとその前衛グループに収録の場を提供したのかもしれません。
ストーリー性を持った判りやすい音楽です。同時期にJCOAで吹き込みのあるラリー・コリエルとガトー・バルビエリが最終章で、野放し状態で、豪快に演奏しています。
 ジャケットの解説には一大野心作とありましたが、ゲーリー・バートンとしては異色の、大傑作です。

"In Concert" RCA(USA)LSP-3985
Blue Comedy / The Sunset Bell / Lines
Walter L. / Wrong Is Right / Dreams
I Want You / One、Two、1-2-3-4
Gary Burton (vib) Larry Coryell (g) Steve Swallow (b)
Bob Moses (ds) 1968/02/23
 一ヵ月後、カーネギー・小ホールで自己のカルテットでのライブです。大傑作と比較されると困るのですが、この時期のゲーリー・バートンは、これしかコレクションがありません。雰囲気としては、カントリーがかったロック・ジャズといったところでしょう。

この2枚のアルバムですが、収録時間がそれぞれ50分近く、お徳な気分になったものです。ただし、溝が細かい分、お手入れが大事なようです。前者は、そのため針飛びがありましたが、アルコールを浸したブラシで除去し、難を逃れました。


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2005/07/09 ものずき烏

ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(パリ)

2005-07-08 | 音楽 の 紹介

THE GREAT CONCERT OF CHARLES MINGUS






"The Great Concert Of Charles Mingus"
                             America(FRA)30_AM-003~005
(Introduction And Presentation)
Good Bye Pork Pie Hat
Orange Was The Colour Of Her Dress
Parker Iana / Meditation For Integration
Fable Of Faubus / Sophisticated Lady
Charles Mingus (b) Johnny Coles (tp)
Eric Dolphy (as,b.cl,fl) Clifford Jordan (ts)
Jaki Byard (p) Dannie Richmond (ds) 1964/04/19 
 ヨーロッパ・ツアーは、パリで最高潮となりました。相当に長巻の録音テープを使用したようで、曲と曲のあいだの、ミンガスによる演奏紹介や、演奏の打ち合わせ、音合わせまで、洩れなく収録されています。パリ(フランス人)の観客は、ブレーメン(ドイツ人)に比べて陽気なようで、観客の興奮が伝わります。
 わたしのコレクションとしては、ミンガス・グループでのエリック・ドルフィーはこのLPで最後です。
 Ingoのように1回のコンサートを1枚づつ3枚のアルバムを製作するのもあるのですが、このLPのように3枚組で出してくれるのもあります。ファンとしては全部聴きたいものですので、後者の方が好感が持てます。3枚組になるとボックスの様式になるのが多いのですが、このLPは見開きの形式で3枚を収納しています、それで表・裏のジャケット画像の外にインナー・ジャケットの画像も出しておきます。CDでは、小さくてこんな趣向はできませんね。手間がかかる分だけ、ブログも楽しめます。


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2005/07/08 ものずき烏
(参考)
2005-05-14 プレゼンツ・ミンガス/アー・ウム
2005-07-06 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(タウン・ホール)
2005-07-07 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(ブレーメン)
2005-08-03 ミンガス:直立猿人(’56、’70)



ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(ブレーメン)

2005-07-07 | 音楽 の 紹介

CHARLES MINGUS orchestra,
with Eric Dolphy 1964 Vol. 1 / 2 /3

"Hope So Eric Ingo(ITA)10
Mingus Sextet Live In Europe Volume 1 
Hope So Eric / At FW USA
Sophisticated Lady

"Fables Of Faubus Ingo(ITA)13
Mingus Sextet Live In Europe Volume 2
Fables Of Faubus

"Parkeriana" Ingo(ITA)15
Mingus Sextet Live In Europe Volume 3
Ow! Meditations

Johnny Coles (tp) Eric Dolphy (as,b.cl,fl)
Clifford Jordan (ts) Jackie Byard (p)
Charles Mingus (b) Dannie Richmond (ds) 1964/4/16
 タウン・ホールのコンサートから12日目ですが、同じメンバーのままで、ツアーに入っています。場所はドイツのブレーメン。
コレクター向けにイタリアで限定販売した盤なのですが、音はあまりいただけません。この辺がコレクター向けをうたっている理由のような...同じジャケットのデザインでタイトル部分の色調を幾分変えただけで、マニアックなLPです。セクステットなのにオーケストラとタイトルを打っているのも変ですね。ミンガスの音は、オーケストラ指向ですから、その意味合いで捉えても、タイトルが明確ではありませんので、コレクターはタイトルではなくIngo10、14、15と呼んでいるようです。8日後のパリの3枚組みの方が、演奏、録音、臨場感が格段に優れています。こんなのもあるよ、といった程度で...

4月19日の、パリへ続きます。


投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/07/07 ものずき烏
(参考)
2005-05-14 プレゼンツ・ミンガス/アー・ウム
2005-07-06 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(タウン・ホール)
2005-07-08 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(パリ)
2005-08-03 ミンガス:直立猿人(’56、’70)

ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(タウン・ホール)

2005-07-06 | 音楽 の 紹介

MINGUS AT TOWN HALL: Charles Mingus

"At Town Hall" Fantasy(USA) JWS-9
So Long Eric / Praying With Eric (Meditations)
Charles Mingus (b) Eric Dolphy (reed)
Clifford Jordan (ts) Johnny Coles (tp)
Jaki Byard (p) Dannie Richmond (ds) 1964/04/04

 わたしのミンガス愛聴盤である。たったの2曲しか入ってないのだが、適量だったのであろう。このLPの顔(ジャケット)であるが、国内盤とも、現行CDとも違うので戸惑う。ミンガスのファンとしては収集したいのだが、ダブってまで買う気には勿論なれない。
ミンガスのアルバムは、ミンガス自身の個性が強く出てしまい、いろいろな発行形態をとっている。ミンガスがDEBUEを設立し、CANDIDにもなにかしらの関わりを持ち、そして後年のJAZZ WORKSHOPである。このLPはファンタジー・レーベルであるが、JWS-9とミンガスの番号とファンタジーのF-2823と二つの番号を持っているようである。レーベル脇の刻印はJWS-9となっている。

 この録音があった1964年であるが、ミンガスはヨーロッパの演奏に出かけ、そこで沢山のアルバムを残している。マイルスのマラソン・セッションなど物の数ではない。ヨーロッパの北から南に、毎日がコンサートという超ハード・スケジュールであるのに驚く。このタウン・ホールは渡欧直前で、メンバーは、ツアーのハードさを体験する前のコンディションなのである。

4月16日の、ブレーメンに続きます。


投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/07/06 ものずき烏
(参考)
2005-05-14 プレゼンツ・ミンガス/アー・ウム
2005-07-07 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(ブレーメン)
2005-07-08 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(パリ)
2005-08-03 ミンガス:直立猿人(’56、’70)