PITHECANTHROPUS ERECTUS /
PITHYCANTHROPUS ERECTUS: Charles Mingus
ご存知のミンガス直立猿人ですが、最初のが初演、2枚目が再演となります。ピテカントロプスのスペルが微妙に違うのですが、英語と仏語の違いだろうと、あまり気にしていません。オリジナルの作曲には、当時の人種差別を嘆き人類のおろかさを寓話とした、ミンガスの主張があると、とらえるべきでしょうが、そこは音楽ですから、聴く人の感性で勝手に聴いています。"Pithecanthropus Erectus" Atlantic(JPN)P-7508A Pithecanthropus Erectus / A Foggy Day Profile Of Jackie / Love Chant Charles Mingus (b) Jackie McLean (as) J.R Monterose (ts) Mal Waldron (p) Willie Jones (ds) 1956/01/30Pithecanthropus Erectus は♪ドッドッドッドッというミンガスの不気味ともいえるベースを基調に、サキソフォンが♪キィーキィーと猿人の叫び声を奏でます。
A Foggy Day は一転してクラクションとポリス・マンのホイッスル音が飛び交う、近代的な都会の情景です。
Profile Of Jackie はジャッキー・マクリーンがフューチャーされますが、これを聴くと、だいぶミンガスにかわいがられたのかと思います。わたしの場合、マクリーンを集めだしたのは、だいぶ後になりますので、聴き込みが足りなかったなあと思っている次第です。
Love Chant 誰かの叩く、タンバリンが、素朴でいい味を出していますが、時代の古さを感じます。
"Pithycanthropus Erectus" America(FRA)30_AM-6109 Pithycanthropus Erectus Peggy's Blues Skylight Love Is A Dangerrous Necessity Charles Mingus(b) Bobby Jones (ts) Dannie Richmond (ds) Jacky Byard (p) Charles McPherson (as) Eddie Perston (tp) 1970/10/31Pithycanthropus Erectus ミンガスの女房役と言われている、ダニー・リッチモンドのドラムがビシッときめます。猿人の叫び声は前作に比べて多少、生きる意志が弱そうですね。ピアノがマル・ウォルドロンからジャッキー・バイアードに代わって、曲がメロディアスになった気がします。
Peggy's Blues Skylight どっかで聴いた事のある主旋律です。CHANGES あたりに入っていたような曲なのですが、わかりません。ミンガスの音楽は、譜面を使うジャズですから、わたしのようにセンスがないものは聴き比べでやっと曲がわかるんです。それに同じ曲に別のタイトルを振っているのもありますから...こんなところまで含めてミンガスなんですが。
Love Is A Dangerrous Necessity 録音が途中で切れてしまって、気分がよくありません。これはミンガスのせいではなくプレスしたAmerica30の過失だと思います。まあ、直立猿人を再演させただけで良としておきましょう。
それにしても、このミンガスの直立猿人は、きわめて単純明快な音楽です。これをきっかけにジャズが好きになるかどうかは、好みの問題となるわけで、わたしのジャズ入門が、直立猿人だったらと考えると、ちょっと引いてしまいますね。なんと言ってもミンガスのベースが不気味で怪獣が出てきてきそうではありませんか。恐いもの見たさといった好奇心は沸きませんね。それに輪をかけてサキソフォンが悲鳴をあげているんです。直立猿人でジャズ入門した人は、きっと夏の暑い季節だったのではないでしょうか、怪談のドロドロと言った雰囲気も持っています。
投稿済み・準備中を含め アルバム・ジャケット一覧 を用意しました。
2005/08/03 ものずき烏 記
(参考)
2005-05-14 プレゼンツ・ミンガス/アー・ウム
2005-07-06 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(タウン・ホール)
2005-07-07 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(ブレーメン)
2005-07-08 ミンガス:’64ヨーロッパ・ツアー(パリ)