Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

陣馬形山

2006-03-08 08:05:47 | 自然から学ぶ
 「飯島町のこと」や「雪のこと、そして昭和57年」、そして「ホトケノザ開花」で公開した写真は、いずれも上伊那郡中川村の陣馬形山あるいはそこへ通じる林道から撮影した写真である。この陣馬形山は、標高1445mとそれほど伊那谷において高い山ではないが、南アルプスの前山として連なる伊那山脈のなかでは単独峰てあって、周囲に阻害する山がないということで、伊那谷の北端に位置する辰野町から、飯田市あたりの集落まで遠望ができる。やまなみともなると、北アルプスから中央アルプスの駒ケ岳から恵那山、そして南アルプスの仙丈ケ岳から赤石岳、聖岳、大沢岳、伊那山脈の南端に位置する熊伏山あたりまで眺めることができる。西側の正面には中央アルプスの南駒ケ岳が見え、そのやまなみは宝剣岳から経ヶ岳まで続く。伊那谷のなかでは、眺めのよいことに間違いはない。

 中川村大草では、戦前はもちろん戦後しばらくまで、この陣馬形山が草刈場であった。いわゆる芝刈場であって、田んぼの肥料にしたカリシキや、馬や牛の餌場として利用されていた。5、6キロの距離を毎日のように草刈に行ったわけである。現在では山林と化しているが、草刈場であったころには、木がほとんどなかったという。「陣馬形山登山道」の図を示しているが、「丸尾のブナ」の木は、かつては遠くからも確認できるほど、周りに木がなかったという。現在は遠方からその木を確認することは難しい。

 山頂までわたしの生家から直線距離で4km程度に位置するが、いざ歩いて登るとなると遠い。現在陣馬形山へ登る道となると、徒歩では中川村美里の黒牛から登る道がある。図に示した赤い線が徒歩による登山道で、広域基幹林道の起点までは車で行くのが一般的である。徒歩で麓からとなると、図にあるように中川村役場から黒牛まで車道を歩くのが条件的によい。しかし、片道7km以上となる。広域基幹林道の登山道起点まで車で行って、そこから約2.5kmを歩く、というのがお勧めである。途中で丸尾のブナの木を通る。上の林道まで出ると、東側には陣馬形牧場が広がる。夏には放牧されている。

 いっぽう車で山頂近くまで登るのも容易で、道もよい。わたしが盛んに登ったころは、中川村役場から中組を経て大嶺山の南側を回って林道中組陣馬形山線を通った。この道は現在でも中組から大嶺山南側の広域基幹林道までの間は舗装されていない。そして、広域基幹林道から分岐してからも急な部分は舗装してあるが、未舗装の部分も多い。大雨のあとはずいぶん道が荒れている。それにくらべると、美里の黒牛を経て登る道は、狭くて急坂ではあるが舗装されている。そして、広域基幹林道から林道中組陣馬形山線を連絡する林道黒牛折草峠線が、5年ほど前に開通し、この道は幅も広く快適な道である。

 さて、仙丈岳の写真は、山頂から少し下ったところにあるキャンプ場から先日撮ったものである。右側の高い嶺は北岳である。

 もう少しきれいな登山道の図を見たい方は、「Trx Factory 図録集」で画像を保存して印刷されたい。


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2 コメント

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ヤッホーーー! (BLs)
2006-03-08 22:17:34
いやいや、リクエストにお答えしていただきまして、ありがとうございます。

いいですねぇ!左に鋸、仙丈そして富士山の次に高い山、北岳、そして間ノ岳…続きが見たい!塩見岳は…。要望ばかりですみません(笑

今年は、必ず行ってみます。。。

もし、私が伊那谷に住んでいたら春夏秋冬を通じて訪れる山になるでしょうね。夕日に染まった山々を望遠で撮影したいです。

それにしても、昔の登山の記憶が蘇ります。

そういえば大学時代に三峰川を最上流まで沢登りをしたことも思い出しました。

南アルプスは懐が深いので、こんな条件は余りありませんよね。そうそう、南部のしらびそ平もいいですね!
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ぜひ実物をご覧ください (trx_45)
2006-03-10 22:40:33
 本当に伊那谷のことに詳しいですね。敬服です。
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