Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
でもホントに旅 Blog なんだろうか?

金魚はどこを泳いでいるの?~金魚をめぐる旅 その10~

2006-02-27 | Japan 日常生活の冒険
銀座の西村画廊久里洋二さんの新作展が行われていました。そこで見つけたアクリルの新作「金魚」です。マティスの作品(金魚をめぐる旅 その1)では水槽の中を泳いでいた金魚は、ここでは水槽の外でも泳いでいます。もしかすると水槽の外も水で満たされているのかもしれません。ここは水の惑星、地球ですから。


「金魚 Goldfishes」(2005)

久里さんの略歴を見ていると、一番新しいところに
2011(平和3年)4月8日 満83歳で死亡。
などと書いてあって、びっくりしてしまいました。プリンス・ヒロの時代の新しい年号は平和、4月8日は、ご本人の誕生日(1928年4月9日)の前日で「花まつり」(釈迦の誕生日)。なかなかのブラック・ユーモアですね。

つづく

2/26日 朝方に見た夢

2006-02-26 | 夢日記
縁側のある天井の高い立派な日本家屋に住む旧家になぜか居候?している。その家には、幼い三兄弟を含んだ家族の住む棟の奥に、廊下の繋がった離れの客間があり、自分はそこで長逗留している。和服を着た同世代の家政婦さんがたくさん働いていて、自分はなぜか「修士さま」と呼ばれている。日がなぼうっとしているので、彼女たちによく思われていないような気がしている。

離れの北側には古めかしい台所があり、大きなお釜でご飯を炊いている。自分はお釜の裏側?に大量の精米が落ちていることを発見して、家政婦さんたちに喜ばれた。彼女達はその米を炊いて美味しそうに食べていた。家に住む子供のうち、洟を垂らした末っ子の男子が嗅ぎつけて客間の方をうかがっているので手招きしたが、両親に禁じられているようで応じようとしない。

Max Ernst 回顧展 (Met., NY)

2006-02-26 | RUGlad2BInAmerica?
地下鉄とタクシーを乗り継いでメトロポリタン美術館に着いたら、もう三時になっていました。今回の目的はなんといってもマックス・エルンスト回顧展。エルンストはシュールリアリストの中では一番好きな画家かもしれません。


A Moment of Calm (1939)

どうもエルンストというと、コラージュやフロッタージュなどの画法を用いて、シュールリアリズムに特徴的なデペイズマン、有名なロートレアモンの詩の一節「まるで手術台の上のミシンと蝙蝠傘の偶然の出逢いのように美しい」のような場面を描く前衛画家と思われがちですが、それはシュールリアリズム運動の中で初期の作品ばかりが取り上げられているせいだと思います。例えば、今回の回顧展のポスターに使われている下のような過激極まりない絵です。


Celebes (1921)

回顧展で生涯の作品を通して、特に大作をじっくり鑑賞すると、エルンストという画家が如何に叙情派の画家であるかが判ります。特にドイツの森、月、森に眠る鳥「ロプロプ」が描かれた後半生の絵は、詩情豊かで、どこか日本画を思わせるところがあります。


The Entire City (1935-36)

今回、晩年の「The Garden of France」を初めて見ることができました。発見だったのは、ずっとこの絵が、女性的な総体としての「フランス庭園」を題材にしているものだと思っていましたが、どうやらロワール川とアンドル川に挟まれた特定の地域が、美しい庭園を持つ「フランスの庭」だということのようです。


The Garden of France (1962)

世界の蟻料理

2006-02-25 | Asia 「圓」な旅
北京で食べた薬膳料理、蟻団子「豆沙玄拘球」のことに関して、食用に用いられる蟻は、どこで捕まえるのか? と、ねこちゃんという方から質問があったので調べてみました。

まず、中国国内で食用・薬用に使用される蟻は十数種類あるらしく、一般には養殖場で育てられており、市場では蟻を乾燥したものが販売されています。飲食店では、これを用いて蟻料理を調理しているようです。大学などでは、蟻食の効用について研究され、栄養成分が分析されています。蟻には、8種類の必須アミノ酸をはじめ28種類のアミノ酸、V・B1・B2・B12などのビタミン、亜鉛・マンガン・鉄・カルシウム・マグネシウム・セレニウムなどの微量元素がバランスよく含まれているそうです。

中国以外にも、以下のように多くの国々で食用とされているようです。
タイの蟻カレー
フィリピンの蟻調味料
ミャンマーの蟻味噌

オーストラリアの蟻酸飲料

コンゴの飛蟻の食用、もてなし料理としての蟻のから揚げ

フランス特定地域の高級食材として蟻の缶詰、蟻のチョコレート
スウェーデンの蟻と麦を発酵させた蟻酒
オーストリアの蟻ジャム

メキシコの蟻ケーキ、蟻酒
南米パラグアイ・ギアナ・ブラジルなどの蟻炒め、蟻スープ

参考HP

アメリカにも日本にも虫料理にチャレンジしている人たちがいます。
昆虫料理を楽しむ」というブログも発見。


これは昔流行した虫入りキャンディ(芋虫、蟻、サソリ)

スアール・アグン、今年も来日するかな?

2006-02-25 | Asia 「圓」な旅
撥弦楽器コラの情報を教えていただいた rubicone さんより、バリ島の巨大竹ガムラン「ジェゴグ」の演奏楽団 スアール・アグン は今年も来日するのですか?との質問を頂きましたので、調べてみました。
①スアール・アグンは1991年以来毎年かかさず来日して複数場所で公演をしていることが判明。1996年以降の公演は7月または8月に行われている。ただし東京で公演が行われなかった年もある。

②スアール・アグンを率いるイ・クトゥッ・スウェントラ氏(名前からして四男のようです)は、1970年の大阪万博でインドネシア使節団として来日して以来の親日家。奥様は和子さんという日本人。

③演奏する楽器は、湿度管理の難しい竹製の鍵盤部分のみ公演前に船便でインドネシアから日本へ送り、それを支える枠の部分は大型なので日本の某所で保管されているらしい。
これらの事実から判断して、今年の夏も素晴らしい演奏を聞かせてくれるに違いありません。去年は公演に行けなかったので、今年は是非聞きに行きたいです。

        
楽団最大にして最低音を奏でる巨大楽器ジェゴグ。板の敷いてあるところに座って演奏します。この楽器が竹ガムラン音楽の代名詞となりました

スアール・アグンの楽器の編成は、サイズの異なる竹ガムラン「ティンクリック」(総称)計14台で構成されています。


内訳は、最前列に「バランガン」3台、第二列に「カンチラン」3台、第三列は中央に最小の「スイル」3台、その両隣に「チェルルッ」、そして最後列に「ジェゴグ」1台、その両隣に「プマデ」が並びます。サントリーホールで見たときには、これらが二編成並び、競うように演奏され、大迫力でした。

もうひとつの奇想の庭園 「The Tarot Garden」

2006-02-23 | Bomarzo 怪獣聖林
ボマルツォの怪物庭園のルポを書くのをずーっとサボっていたら、randoさんという方からTBを頂きました。この方、驚くなかれ、ローマから電車~バスを乗り継いでボマルツォまで日帰りされて、ブログに詳しいルポを書かれています。Tomotubby も頑張って、Tiger Balm Garden 同様、この奇想の庭園をいろんな角度から紹介し、ローマからオプショナル・ツアーのバスくらい出してくれるように人口に膾炙せられるよう頑張らなければならない。と決意を新たにしました。

で、ボマルツォから程近いところに、奇想の庭園がもうひとつ。

Niki de St-Phalle が The Tarot Garden という、ボマルツォの現代版みたいなのを作っていまして、ここのホームページがやけに愉しいのでご紹介します。ガウディがバルセロナに造ったグエル公園にも少し似ていますが、こちらは雑木林の中にあり、とても市民憩いの場という趣きではなく、Niki が独自世界を現出した場という感じで強烈です。


彫刻は Tarot card が題材で「ジョジョの奇妙な冒険 第三部」を思い出しました

願わくば、どこかの旅行社が、ここと本家怪物庭園を抱き合わせにしたツアーでも企画してくれればいいのに。と思ったりしてます。でも The Tarot Garden、1998年5月にオープンしているのに、日本では殆どその存在が知られていないあたり、やはり自力で行くしかないのかな。

因みに日本には世界唯一のニキ美術館があります。偶然にも今年は、日本縦断で「ニキ・ド・サンファル巡回回顧展」が以下スケジュールで開催されるそうで、現在ニキ美術館は休館中です。

2006年3月29日(水)~4月9日(日) 大丸ミュージアム梅田 大阪
2006年5月11日(木)~5月22日(月) 大丸ミュージアム東京 東京
2006年6月17日(土)~8月15日(火) 名古屋市美術館 名古屋市
2006年8月22日(火)~9月24日(日) 福井市美術館 福井市


Jean Tinguely へのオマージュかな? Niki も2002年5月に他界してしまいました

小姐を「海馬蹄筋」で羞恥責めしてしまった

2006-02-23 | Asia 「圓」な旅
前回、Beijing Rainbow Hotel (新北緯飯店) 内のレストラン「時珍苑 (ShiZhen Yuan Herbal Food Restaurant)」で、ゲテモノ薬膳料理を食べたことについて書きました。

このゲテモノ薬膳料理の中で「海馬蹄筋 SALTED OX SINEWS WITH "SEA HORSE"」という料理には、実は「海馬=タツノオトシゴ」はあまり入っておらず、大部分は肉料理なのでした。ま、乾燥したタツノオトシゴは、いかにも漢方薬という感じで値段も高そうなので、そのへんが「WITH "SEA HORSE"」という所以なんだろう。と。ひとりで納得してしまいました。


問題の「海馬蹄筋」メニュー

ゲテモノお料理をオーダーしたときは、一人前にしては多すぎはしないか。と心配したのですが、この日はご飯を食べずに早朝から車で「八達嶺」「明十三陵」に出かけ、帰ってきてからも徒歩で「天壇」を回ったので、お腹は空きまくり、昼食はスナックとパンしか食べていなかったこともあり、大半を平らげました。サソリは予想通り、蝦や蟹のから揚げという感じでどうってことなかったし、アリ団子も黒ゴマ団子みたいなものでした。それで最後まで残ったのが「海馬蹄筋」の「蹄筋」の方で、これが結構歯ごたえのあるしつこい肉料理だったのです。SINEWS という複数名詞の意味が判らなかったのですが、雄牛のアキレス腱の肉か何かなのでしょう。

Tomotubby が「蹄筋」と格闘していると、服務員の小姐がくすくす笑いながら「オイシーデスカ?」と聞いてきたので、気になっていた肉のことを「 じぇーしーしぇんま?」と聞き返してみました。小姐は少し困った顔をするので、ならば筆談と、
「是雄牛蹄肉?」
と書くと「違う」という素振りです。今度は
「足肉?」「脚肉?」
と書いて見せたのですが、やはり「違う」ようです。ならば、これは何か得体の知れない「内臓肉」ではないか? Tomotubby は日本の焼肉店でも「ハツ」とか「ホルモン」とか「ギアラ」とかは食べられない、というか食べたことがない人なので少し不安になってきました。こわごわ
「腸?」「内臓?」
と書いてみたら、やはり「違う」と言います。こちらが思いつくことを書いていても埒があかないので、紙とペンを小姐に渡して答を書いてもらいました。す、すると小姐が躊躇いがちに書いた文字は...
え、鞭? 牛の鞭?....??あ!! 判った。そうか、尻尾のことか? テール肉だったんだ!! と、頭の中が一気に晴れ渡りました。改めて
「尾?」
と書いてみました。すると、小姐は一瞬凄く恥しそうな顔をして「違う」素振りを示します。後ろを向いて男性の服務員を呼ぼうか呼ぶまいか悩んだ末に、意を決してペンを持ち、彼女が書いた文字は...
うげー。Tomotubby は、一瞬気持ち悪くなりました。そして気まずい雰囲気の中で、赤面している小姐の顔を見ながら「そうか、鞭なんだ」と、何かいけないことを聞いたような気がしてきました。

これって、スケベオヤジがよくやる「羞恥責め」ですよね。

北京でサソリを食べる

2006-02-22 | Asia 「圓」な旅
北京の下町、天橋。清代からの庶民文化の中心で、日本で言えば浅草などに相当する場所です。そこに建つホテル、Beijing Rainbow Hotel (天橋賓館 改め 新北緯飯店)内には、薬膳料理のメニューで有名な「時珍苑(ShiZhen Yuan Herbal Food Restaurant)」というレストランがあります。薬膳料理というのは、料理を食べて健康になるという「医食同源」の考えから編み出された料理のことで、普通の中華料理にはない珍しい食材を用いた料理がたくさんあります。

Tomotubby が Rainbow Hotel (当時は天橋賓館)に宿泊したのは、初めての北京滞在時で、それは同時に初めての中国旅行、初めての一人旅でもありました。天橋賓館は、もともと日本の某・酒メーカーが出資して設立されたホテルで、「日本人の宿泊者も多いので安心」と、心配げな親を説得するために選んだのですが、選んだのは勿論それだけの理由でなく、天橋という土地柄に興味を覚えていたこと、自転車を貸してくれること、京劇で有名な梨園劇場が近いこと、そして他ならぬこの「時珍苑」の存在があったからなのでした。

「時珍苑」は物珍しさもあって日本人観光客の来店が多いと紹介されていましたが、滞在時期がちょうど今頃の二月、厳寒の北京はオフシーズンで、客の姿はまばら、日本人はいないようでした。大きな円卓でひとりで中華料理を食べるのだけは勘弁してほしいと思っていたら、通された席は二人架けのテーブルで、ほっとしました。

メニューを渡され、筆談でお料理の分量とお薦めも聞いて、長考の結果、以下をオーダーすることにしました。メニューの英語は怪しい部分もあるようでした。
"引子冷盤" APPETIZERS
珊瑚黄瓜 SALTED CUCUMBER STICK WITH MINCED SHILLI
滋補葯膳 HEALTH FOOD
龍蝦炸全蠍 DEEP FRIED SCORPION AND CRISPER
海馬蹄筋 SALTED OX SINEWS WITH "SEA HORSE"
豆沙玄拘球 DEEP FRIED SWEETENED BEAN BALLS ANTS CASED
"本草"蔬菜
焼双冬 BRAISED BLACK MUSHROOM AND BAMBOO SHOOTS
月官双耳湯 BLACK & WHITE FUNGUS AND QUAIL EGG SOUP
水果
メインディッシュ三点に「サソリ」と「タツノオトシゴ」と「アリ」というゲテモノが含まれているのがお判りいただけるでしょうか。Tomotubby は別にゲテモノが好きなわけではなく、どれも生まれて初めて食べるものです。ただ外骨格を持つ動物の DEEP FRIED というのなら、恐らく海老の姿揚げみたいなものですから、大丈夫じゃないだろうか。と思った次第です。歯で噛むと、中から変なものが出てきそうな蛹とか内臓の類はダメです。勿論、ゴキブリとかムカデとかは、それ以前にダメですが。

待つこと暫し。給仕されたメインディッシュはこんなのでした。


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龍蝦炸全蠍 尻尾の毒針が怖いけど婦人病には効くそうです


海馬蹄筋 左の方に海馬=タツノオトシゴがいます


豆沙玄拘球 黒いのは全てアリです。ダリの絵みたい

つづく

新宿にトマソン「純粋階段」ができていた

2006-02-20 | Japan 日常生活の冒険
驚いたことに、新宿ミロード・モザイク通りに「トマソン」、それも「四谷階段」タイプの「純粋階段」ができていました。階段の後ろのショーウィンドウに「COCUE」とあるのは、代官山にあるブランドの名前で、この階段も含めて広告になっているのだとは思いますが、「COCUE」とは、フランス語で「女を寝取られた男」という意味です。「COCUE」を「純粋階段」と並べると、どうもデュシャン芸術のような雰囲気が醸し出されていて、どこかしらエッチなニュアンスです。


新宿で見つけた「純粋階段」

「四谷階段」は、1973年、赤瀬川原平氏らが、四谷にあった「祥平館」(現・ホテルニューショーヘイ)という旅館の裏を歩いていて見つけた奇妙な階段です。階段というものは、上がったところ、または下りたところに入口があるのですが、この階段は、単に上がって下りるだけの「無用階段」でした。単に壊すのが面倒なだけとも思えるのですが、手摺がつけられ、よく見ると補修された痕跡まであったそうです。後年、このような物件は、巨人軍に入団するも三振ばかりで活躍することのなかった大リーガー、ゲーリー・トマソン選手にちなんで、超芸術「トマソン」と名づけられました。「トマソン」は、「使いようがなくて無用となっているけれども、何か佇まいが変な物」「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」などと定義され、その代表例で、奇跡的なくらいに美しい「純粋階段」であった「四谷階段」は今も伝説のように語られています。


伝説の「四谷階段」