Tomotubby’s Travel Blog

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これが撥弦楽器コラ

2006-02-16 | Africa Afrique
ジェリ・ムサ・ジャワラ(Djeli Moussa Diawara)のコンサートが終わった後も、演奏に使われた撥弦楽器コラがステージに残されていました。この珍しいアフリカの弦楽器を見ようと沢山の人が集まっていました。何枚か写真を撮ったのでアップしてみます。



左奥に見えるのが21弦のアコースティック・コラ。第一部で演奏されたトラディショナル・ナンバーは、専らこの伝統的な楽器が使われていました。右側が特注の32弦のコラ。「KORA JAZZ TRIO」の演奏でも使われているものです。ともに瓢箪を半分にしたものに皮を張って共鳴体にしてあり、この部分を足の間に挟んで座り、ギターやベースのようにブリッジに張られた弦を弾くことで音を鳴らします。弦はギターやベースとは違って、左右に分けられてハープのように立体的に張られています。奏者は左右に突き出た棒のような部分に両手の中指、薬指、小指の三指をかけ上下させながら、弦を親指と人差し指を使って弾くように見えました。

指遣いについて自信がないので、コンサートで前から二列目に座られていたというrubicone さんにお聞きしたところ、一列目に座られていた方のコメントでは、奏者は左右に突き出た棒のような部分に両手の薬指、小指の二指をかけ、弦を親指と人差し指と中指の三指を使って弾いていたそうです。(2/17日)

コラの音色は、多くの人がアフリカの地に抱く印象を裏切って、非常に繊細に聞こえたのではないでしょうか。マリ帝国という見知らぬ大国の歴史とともに、音楽は洗練されていったのではないでしょうか。東に位置するナイジェリアの伝統音楽、さらに南のハイライフなどは、ドラムが重要な役割を果たしているように思えますが、マリを中心としたマンデ音楽ではコラとバラフォン(木琴)が中心で、この違いは、両地域の湿度の違いが影響しているようにも思えます。

32弦のコラの音は、21弦に比べて滑らかと言うか、目をつむるとジャズ・ピアノのように聞こえることもありました。キース・ジャレットのソロなどと通じるところがあります。



そして、これが世界にただ一つの22弦エレクトリック・コラです。ステージまで遠くてよく見えませんでしたが、アコースティック・コラに比べて、カッティング奏法、(親指と人差し指を用いているから)チョッパー奏法?などの効果がより大きいように思えました。生音を聞いていると、ロバート・ジョンソンの演奏を初めて聞いたときのように、これを一人の奏者が弾いているのかと思えないくらい、物凄い超絶プレイが随所にあり、思わず声を上げそうになりました。

有名なコラ奏者にトゥマニ・ジャバティという人がいて、この人もジャズやブルースの人たち(例えばラズウェル・ラッドやタジ・マハール)とセッションをしていますが、ジェリ・ムサ・ジャワラは、このエレキ・コラを用いることで、トゥマニ・ジャバティの試みをも超えた、新しい融合音楽の領域に踏み込んだのではないかと思いました。ただもう少しモリ・カンテ風のポップさが欲しいなとも感じましたが。欲張りかな?



コラの後ろ側のイスラミックな模様が綺麗です。

ジェリ・ムサ・ジャワラのディスコグラフィーを発見。