ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

ミラ・クニス 監禁島

2013年03月08日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜は民間が運営する非行少年・少女の更生施設を描いた「ミラ・クニス 監禁島」を鑑賞しました。

 フィジーの孤島にある民間の更生施設。
 ここには親が多額の金を払って送りこまれた米国の非行少年・少女が多数収容されています。
 周囲は波の高い海。
 その上足にセンサーが付いた輪っかを付けられ、決められた範囲の場所から外に出るとセンサーが感知して逃げられません。
 仮にセンサーを壊しても、荒れた海に阻まれて、島から出ることは不可能です。

 ここでは収容後間もない者、反抗的な者は混沌を表す黒いTシャツを、更生が進んで従順になった者は黄色いTシャツを、更生が終わりに近づき、他の者を指導監督する立場にあり、卒業が近い者は白いTシャツを着ています。

 食事や労働などで白シャツは優遇され、更生施設のスタッフに準じた扱いを受ける、特権階級です。

 更生施設を支配する博士は独裁者のように振舞い、少年少女を黒シャツ・黄シャツ・白シャツに分け、ピラミッド型の階級社会を築いています。


 しかし、スタッフの中には黒シャツの少女に黄シャツに昇任させてやると持ちかけて関係を迫る破廉恥な男もおり、更生施設とは名ばかりの、洗脳集団に堕してしまっています。

 予告編をご覧ください。


 荒れた海での水泳訓練の最中、一人の少年が溺死。
 それがきっかけで暴動が発生します。
 暴動ではシャツの色に関係なく、全員が参加。
 黒シャツも黄シャツも白シャツも次々にテントや建物に火を放ちます。

 最後、独裁者の博士は捉えられ、地下に監禁。
 警察の到着を待ちます。

 これ、実話を基にしているそうです。

 以前、スペインの山中で同じように暴力的な洗脳による非行少年・少女の更生を図る施設の狂気を描いた「鶏小屋」と言う作品を観ました。
 こちらも実話を基にしているとか。

 わが国で言えば戸塚ヨット・スクールみたいなもんですかねぇ。

 鑑別所や少年院など、官営の更生施設は法に守られており、洗脳だの暴力だのと言っても限度がありますが、民間の施設は怖ろしいですね。

 大した非行事実がなくても、親が同意すれば強制的に連れて行かれてしまいます。
 親にしてみれば厄介払いみたいなものです。

 官営の施設では明白な犯罪行為が無ければ連れて行かれることはありませんし、家庭裁判所など、正規の手続きが必要で、ここが大きな違いです。

 「鶏小屋」では、ラスト、更生施設を出た数名の仲間が、更生施設で日常的に暴力にさらされたがゆえに暴力に親和的になり、夜な夜な集まってはホーム・レスなどに暴力をふるう、というラストでした。

 時あたかもわが国で体罰が問題になっています。

 新聞でも、必要最小限度の体罰は必要だ、などと寝言をぬかす教育評論家を時折見かけます。

 ふざけた話です。

 学校教育法で体罰は明確に禁止されています。

 法で禁じていることを必要だと言うのは勝手ですが、それならなぜ学校教育法を改正しよう、と言わないのでしょう。
 法律無視もはなはだしい。

 わが国では、明治維新まで養老律令が形だけ生きていたり、憲法9条がありながら予算規模で世界5位の強力な軍隊を保有していたり、実態と法が乖離していても平気なのが伝統であるかのごとくです。

 そのようなことは法治国家として許されません。
 法を変えるか、実態を変えるかです。
 実態を変えるのは難しいので、法を変えるのが適切かと思います。
 
 ただし、学校教育法を変えてはいけません。
 それでは暴力の連鎖を生むだけです。

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