玉川上水みどりといきもの会議

玉川上水の自然を生物多様性の観点でとらえ、そのよりよいあり方を模索し、発信します

モグラの上腕骨

2019-01-15 11:18:13 | 観察会
イベントの記録は こちら

 フクロウ・イベントでネズミの骨の取り出し作業をしていた時に、ある班のサンプルからヒミズの上腕骨が出てきました。ネズミでも、他の哺乳類でも上腕骨というのは肩甲骨から出て、肘までの細長い棒のような骨ですが、ヒミズの上腕骨はぐっと太くしかも上下の関節部が錨のようにしゃくれた特異な形をしているので区別がつきます。


ヒミズの上腕骨


ネズミの上腕骨。ニックネーム「鼻つき」


その時に
「これがモグラになるともっとすごくて、縦横が同じくらいで棒ではなく面的なものになっています。これはモグラがトンネルを掘るために、腕が異様に発達して、筋肉もモリモリのマッチョで、強い力を出すために特殊化したものです。それに比べればヒミズは大したことはありません」
と説明していたのですが、あとで「その他」に入っていたものを点検したら、モグラの上腕骨がありました。


モグラの上腕骨(左)と尺骨

 正確にいうと、上腕骨と尺骨がありました。尺骨もがっしりしていますが、よくみるとやはり「歌うおじさん」なのが、おかしい。

 モグラの標本を作ったことがあるので紹介します。前から見たものの腕の付け根に複雑な形をした骨がありますが、これが上腕骨です。


アズマモグラの骨格標本


これを後ろ側から撮影したのが下の写真です。


アズマモグラの右腕を背後から見たところ

 現場では質問がなかったので気づきませんでした。

 これで、フクロウはネズミを食べるのが基本ですが、時にはモグラやヒミズも食べるという証拠が得られたわけです。


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