Tesyuke‘s diary

行く川の流は絶えずして・・・
日々忘れ去っていくことどもを書き留めて思い出といたしましょう。

熊野古道・バスツアー

2011-10-10 19:34:15 | 関西
四国お遍路とか熊野古道のバスツアーの文字が躍っている昨今。イヤーー、なんでこんなに安いの?
1回目はすごーく安くしてお客を釣るんだよ・・との話も。
tesyuke & hus.は自分勝手に行くのが好きで、この手のツアーは、まあ関係ない事と思っていた。
ところが、ある日、
友達がtesyukeの目の前で、チラシを振ったのだ。一緒に行こうよ。とにかく1回だけ・・
“平成23年秋スタート第二回語り部と行く熊野古道ウオーク中辺路・小辺路編”
日帰り6回一泊二日3回の9回シリーズ。
熊野古道ね!うーーん、安さに負けるわ。よっしゃ、のった。
彼女はすでに、伊勢神宮からのルートを一人で行って来たのだとか。笑いながら、だんだん人数が減っていって・・最後は**人よ。

かねがね歩きに行きたいと思っていたが、古道を歩いた後乗ってきた車にどうやって戻る?(電車で行くのが面倒くさいtesyuke & hus.)もう少し状況を調べないと前へ進めないね、と足踏み状態だった。
hus.には申し訳ないが、ちょっと古道ウオークがどんなものか様子見に、お先・・。
和歌山へはたびたび出かけているし、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へはすでに行っている。国道や市街地のルートと重複あるいは交差する道々で見たり聞いたり《**王子》とかの地名には親しんでいる。

しかし、9月の台風12号・15号で紀伊半島山間部は甚大な被害をこうむっている。熊野古道も歩けるのかどうか、ちょっと気の進まなくなっているところへ、決行ですとの連絡が来る。しかし、立ち寄り先の梅干の会社へは道路が土砂で埋まり行けませんのでご了承ください、とも。
台風12号ーー白浜行きーー台風15号ーー熊野古道行き
なんだか間の悪い選択だ。

ともあれ、10月8日8時30分京都・竹田駅出発。
この日は、この企画ツアー第一回目の最終決行日で、大阪・京都合わせて6台のバスが出ているという。トータル250人近い人間が移動するんだ!ひえーーぃ・・
各バス連絡を取りつつ、間隔をあけ順次出発するらしい。前後のバスの人が歩いている間に入り混じらないようにとっても気を使っているようだ。添乗員さんが、このバスは最後尾なのでその点楽です。でも、帰りがおそなるなーー、と。

友達は、熊野古道に関する講義を取っていて、どうしても行きたくなったのだとか。そして、熊野古道は5つの道があるの知ってた?と教えてくれる。
紀伊路(渡辺津-田辺)中辺路・大辺地に続く。
小辺路(高野山-熊野三山)
中辺路(田辺-熊野三山)
大辺路(田辺-串本-熊野三山)
伊勢路(伊勢神宮-熊野三山)・・・すでに、彼女は踏破済み。

今回は中辺路コース。スタート地点は滝尻王子。バスなので直接ここまで来たが、個人ならJR紀伊田辺駅からバスで来ることに。田辺・闘鶏神社で熊野古道中辺路・大辺地ルートの起点ですと聞いたが・・・なーーるほど、と合点。滝尻王子には熊野古道館(休憩所)があって、案内をしてくれる語り部さんが地図を指しながら簡単なレクチャーを。皆さん京都から?城南宮ご存知ですか?ハイ・ハイ・ハイ・・・。

熊野古道・中辺地の起点は京都の城南宮。 京都を出発し、船に乗って淀川を下り、現在の大阪市天満橋の辺りで上陸。海岸筋を熊野の玄関口、田辺まで南下。田辺からは山中の道(中辺路)を熊野本宮へ向かう。なるほど。田辺から滝尻王子までは古道と呼べるものはすでになく、滝尻王子から山の中を分け入る。一行は20数名ずつに別れ、各々に語り部さんがつき先導してくれる。まずは準備体操を入念に!杖(竹の棒)をどうぞ。この時点で正午を少しまわっている。

滝尻王子宮十郷神社(滝尻王子社の正式名)に参拝。この裏山を登っていく。ここは熊野の神域への入り口として古くから重んじられてきた所とか。それにしても先が思いやられる険しい木の根道を小学1年生から84歳の方までが続く。語り部さんが一回目が一番んきついんですわ・・と、言う。とにかく今回は(低い)山を二つ越えるかたちになります!

滝尻王子社・・・胎内くぐり(巨大な岩の穴)・・・乳岩・・・不寝(ねず)王子(これは社はなく石碑だけ)・・・剣ノ山経塚跡・・・そして、飯盛山展望台に到着。標高341mの三角点もある。木々の中を歩いてきて頭上の青空・360度の景観・北方には果無山脈のきれいな稜線が見え・・疲れも吹っ飛ぶ。紀伊山中に来ている、と実感!(写真)

ここからは階段や石畳の下り坂。そして車道を横断して、もう一度上りにかかるのだが・・
ガイドさんが、もう歩けないと思ったら、早めに申し出てください。携帯電話でタクシーを呼びますが、古道が一般道と交差している場所までとにかく出ないと乗れません。と言っていたのがここ。タイミングを逃がすとタクシーも拾えません、というわけで84歳の方を含め4人がリタイヤ。申し出てからもう一踏ん張り歩くのは、気の毒だった。

一山越えて、次の上りは、さすが口数も少なく・・・。語り部さんが皆さん復唱してね・・と、《六根清浄》《ざあーーんげ、ざんげ》とキレイな声で唱える。それに励まされて、木の根道を行く。テレビ塔が見えたら頂上ですよ!
針地蔵尊・・・NHKテレビ塔・・・下りにはいって古道が一般道と重なり民家が見えてくる――下地集落。そしてその下り坂の途中に高原熊野神社。

境内にそびえる樹齢1000年ほどの楠に注連縄がはられ小さいながらなかなか奥ゆかしい神社。熊野古道では最も古い神社建造物だとか。山道は終わり民家を過ぎて・・やれやれ、ゴールは近い。高原霧の里休憩所到着、ここからも果無山脈が一望できる! 名前が、いいね・・なんだかロード・オブ・ザ・リング にでもでてきそうな名前!そして、栗栖川バス停付近まで歩き・・ジ・エンド!
たいした距離(5キロ弱)ではなかったがアップダウンが激しく皆さんお疲れ気味。

バスに乗り込んで中辺路のハブでもある観光拠点《古道歩きの里・ちかつゆ》に寄りお土産などを買い込んで帰路に。
行きは台風の被害で高速道路(湯浅御坊道路)が通行不能で、日高川沿いの地道を行った。日高川の土手を越して水があふれた痕跡の激しさを、バスの中から息をのむ思いで見た。木々は折れ、丸太が川を覆って・・
帰途は高速が使えて思ったより早く帰還。それでも竹田駅八時半。