ダブルスタンダード

2012-02-27 | ビジネス業界
昨日来日の取引先のベトナム人社長、親日家で有名です。取引相手も日本がほとんど。日本向けを嫌がる工場が多い中で珍しいケースです。
とはいえそのベトナム人社長もやはり日本市場に対して、不満というか不信感を抱いていることも確か。その不満の質も、他工場と同じようなものになってきています。
いわゆる「日本の過剰な基準・要求+価格がとにかく安い」というところですね。

どちらか一つならいいと。確かに、基準が厳しいならば、それなりに加工賃を払えばいいのでしょうけど、そこはとにかく安く、反対に基準は、作ってる我々ですら首を傾げるようなことまで言わねばならない状態なのですから、まあベトナム含め海外の人たちはよくやってくれていると思います。
一つにはボリュームもあるでしょう。スポット単発で仕事を持ち込めば、工場も不慣れであり、問題が起こる可能性も多いわけです。そんな仕事を、しかも日本の商品を請けてしまい、あとで問題になったら大変・・ということで、スポット商品を引き受ける工場は激減しています。

この社長の工場で実際に起こった話。お客様の要望で、コンテナの一部の商品に、いわゆる「発色剤」を使用。しかも日本から持ち込んだ薬剤を使用したそうです。
それが日本でひっかかり、輸入禁止。厚生省のHPには載せられるわ、貨物のシップバックはさせられるわ、一体いくら損したかわからない・・ということです。
確かに、「それは薬の使い方が悪かったんだろ」という声もあるでしょう。
ただ、日本と同じ使い方をしたって、海外貨物にかけられる検査+基準と、日本国内でのユルユルの検査を比べたら、そりゃ海外商品はめちゃくちゃ不利なわけです。
頭にきたこの社長、来日時に日本産の同じ商品を買って帰り、調べたそうです。日本産は自分の商品の5倍もの残留薬剤があるにもかかわらず流通していたとか・・ま、大げさなところがある社長ですが、それを差し引いても、よくある話しですよね。

そしてこういったことの繰り返しが、日本向けが出来なくなる工場が増えている大きな原因なんでしょう。










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4 コメント

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Unknown (スラバヤ)
2012-02-29 22:43:56
今晩は。一昨日たまたまそのHPでベトナム産の事例を調べておりその事実を知り驚いておりました。そのような事があったとは。
来週から2度目のベトナム修行の旅へ出かけます。
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スラバヤさんへ (tare@)
2012-03-01 15:01:39
コメントありがとうございます。 違反事例のHP見ると、他社さんの話しながら、恐ろしくなりますね。その一件一件にドラマ?があるわけで、コスト、代替品対応など、考えただけでゾッとします。そのリスクをわきまえたうえで、注意に注意を重ねて仕事をしていくしかありません。ただ、注意しすぎると進まないし。。。 色々大変です。
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違反事例 (べん)
2012-03-15 23:40:41
ご無沙汰しております。
耳が痛い話です。
当社のようなスタイルだと加工賃+αのうまみがあるので、パートナーはしのいでくれていますが、日本向けはかなり不利で、実際にうちの商品を手掛けた時に政府と友人から止めるように言われたそうです(笑)
なんだかんだで昨年は問題なく終わり、今年の展望が見えないので不安が沢山です。

去年はベトナム南部のエビで数百トンのシップバックがあったと聞いています、実際に工場に抗生物質が基準以上&増量剤の含まれたエビが持ち込まれてしました。
日本の基準もものすごくきびしいですが、ベトナムの状況も難しいところがあります。
エビに関してはアメリカ、ヨーロッパ市場がとのいていて、中国のスポット買いの踊らされているという話も有ります。
ともかく安全で良いものを作ります!
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ベンさんへ (tare@)
2012-03-18 09:26:26
すみません、コメントに気づきませんでした。。
まさに、この現場で戦ってるんですよねー。日々、日本と現場との板ばさみで大変だと思います。
よく、日本のお客様から、「海外に対してもっと強く言えないのか」という話しがあります。
言うのはいいですが、それ以外の周辺状況がわかっている我々と、全く自分の市場しか見えてない方の感覚とはおのずと異なるわけで、そこも苦労するところです。

海外から見た自分の市場は、本当にわずかなもの。それでもある程度対応してくれている、否、こんな環境にも関わらず、こちらに貨物をまわしてくれていること自体、本来であれば感謝しなければならないところでしょう。

私も今、新規商材について、検査検査で、参っています。役所は勝手に検査をし、その費用はこちら持ちですしねー。。

お互い、頑張りましょう!
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