ステッカー

2011-10-31 | ビジネス業界


海外に水産物の原料を送るときに、いわゆる「ステッカー」を貼っていないことによって受け取りを拒絶されることがあります。
振り返れば中国が数年前に始めたこと、といえますでしょうか。

私の商売でいえば、水産物の原料(そのまま末端市場に流通されるわけではありません)を送り込む場合、箱や袋に製品の表示がしっかりとしてあるかどうか、これで通関が滞ることがあるわけです。
中国向けに商品を出したことがある方なら、その煩雑さはすぐに理解していただけるかと思います。学名やら漁獲時期やら・・中国語と英語を併記して・・など、とにかく細かい規定があり、また、その運用も税関によって異なるものですから、同じ表示でもA税関ではOKでB税関ではNGだった・・なんてことも多々ありました。
それでも以前は、「袖の下」でなんとかなっていたわけですが、最近はこれも怪しくなってきました。

ベトナムも同様。内容については中国より相当いい加減なのですが、貼ってあるかないか・・ここが重要だったりします。また、これも送り込む場所によって、要求される内容がまちまち。

その他輸出関連書類とステッカーの内容に齟齬があっても困るわけで(たとえば単量の表記が違ったりとか)、とにかくその整合性には神経を使います。
送り込んでしまってあとで力技で・・という考え方をされている方もまだまだいらっしゃるようですが、相手にも負担をかけることになりますので、とにかく慎重にやるに越したことはないですね。

結構この手の単純なやりとりが時間がかかったりします。積み出す方は一刻も早く積み出したいわけで、ステッカーの印刷などを考え、内容の確認を急ぎます。以前は見切りでステッカーを作ったりしていましたが、最近ではその内容のせいで通関が切れなかったりすることもあります。したがって、お客様から「OK」をもらわない限り、ステッカーの作成には入りません。その結果船積みが遅れたりすることも多々あります。こういった単純かつ細かい作業の積み上げがあってようやく原料が積み出せる、ということになるわけです。

包装

2011-10-30 | 国内業務
すっかりご無沙汰してしまいました。
こういうツールは一旦面倒になると駄目ですね。。 ブログについては自分でも珍しく5年以上更新し続けておりますが、その頻度はずいぶんと落ちてきてしまいました。

28日、APAXさん主催の交流会がありました。初対面の方も多かったのですが、このブログやツイッターを通して私のことを知っていてくれた方もいて、まんざらブログを継続しているのは無駄じゃないな・・とあらためて感じたわけです。
ということで、また頑張ってみます。。w

この一ヶ月は、台湾ーベトナム、韓国、それに島根ー山口 と、本当に出張続きでした。その上風邪なんかひいてしまい、10日以上続いた咳もようやく少し落ち着いてきた感じです。交流会の二次会は逃げたわけではなく、実は体調が万全じゃなかったんですね。。ご容赦ください。

出張先では大概工場などの生産現場に入ります。今回も国内外の複数の工場に入り、生産現場を拝見してきました。弊社が納品している商品について、現場の方々から色々とフィードバックが頂けるわけで、そんなところから商品の改善やら今後のアイデアやらが出てきたりします。

包装資材について。お客様の使い方によって、当然のことながら資材に対する要求も大きく異なります。私の商品は日本でそのまま末端まで流通されることはまずありません。日本の工場で再加工されてから市場に出て行きますので、私にとっては製品でも、お客様にとっては「加工原料」となります。
末端商品の包装となると、資材の材質から大きさ、印刷、印字の位置など、とにかく細かいことまで決められたとおりにやらなければなりません。箱へのバンドがけも同じ。 縦横二本井げた とか、 十字、 とか、 横二本、とか・・・。 これが多くても少なくてもクレームが出てきます。やれ見た目が悪いとか、規格どおりに作られてないとか・・
多ければ多いで、ゴミが出る、とか、バンドを切る手間がかかる・・とか・・。
今回のお客様は工場で使うものなので、バンドを減らし、内袋の熱シールも不要。もちろん一括表示も要らない、ということでした。
工場へ伝える際も、「なぜ必要ないのか」まで、極力説明するようにしています。工場は言われたことを言われたとおりにやるだけ・・ではない、というのが私の考え方。今回と全く同じ商品を、別のお客様向けに異なる梱包で出すことが無いともいえません。 そのときにしっかりと説明できるようにしておかないと、後で大きなトラブルになる可能性もあるわけです。日本人の私ですら、今の日本市場の煩雑な要求(付加価値をつける 差別化と ただコストを上げるだけの 個別化 は異なると思っています)にうんざりしているわけですから、ベトナム側がどう感じているか・・・ 工場は黙って言われたとおりにつくってりゃいいんだ・・という考えでは、工場の心はますます日本から離れていくわけです。

賃金

2011-10-10 | 海外出張
中国の物価上昇に伴い、更には円高も相俟って、第三国へ加工拠点を動かそう、という動きが盛んに行われています。水産業界も一緒で、このところベトナムへのシフトの問い合わせをたくさん受けます。
単純に「加工賃」だけを考えての問い合わせを頂いた際は、「ベトナムは決して安くない」ということをまずご説明します。同業の在住日本人の方も全くの同意見で、私同様の説明をされているとのことでした。

さて賃金について。
定点観測ではありませんが、6-7年前から取引をしている社長さん。当時、魚加工の工員さんには、80万~100万ドン、多いとき人で120万ドン程度支払っていました。
今回聞いたところ、「賃金はものすごく上昇している。今は300万ドン程度支払っている・・」とのこと。単純に3倍ですね。

でもちょっとしっくりきません。当時、8000円~1万円くらいだな・・と思っていた賃金ですが、今も12000円程度、ということでしょうか。すなわち、ベトナムドンの価値が大幅に下がっているわけです。
以前にも書きましたが、現在の加工賃の値上がりは、そういった為替の利益も取り込んだ上でのこと。為替がこれだけ変わった上で、我々の感覚でも2割程度上がったということです。さらにはガソリンや包装資材なども軒並み値上げ。
労働条件も改善され、昔のように工員を酷使できなくなってきた事情も多少はあるようです。

また、労働力を確保するのも年々難しくなっているとか。。。数年での変化は目に見えるものだけではありません。 日本はその間、何が変わったのかな・・とふと思ってしまいました。

タンソンニャット空港

2011-10-09 | 海外出張
十数年ぶりにベトナムに来る、というお客様を空港までお迎えに行ってきました。
サイゴン タンソンニャット空港の出口は相変わらず人だらけ。とても出迎えに来てるとは思えない人たちも多数見受けられます。一体なにしてるのか、いつも不思議になります。

さて、タンソンニャット空港からの脱出。いまだにとっても面倒ですね。
ツアーで来られる方々は出迎えの車に乗ればいいのですが、タクシーを使う場合、とにかく面倒です。
数年前から、客を降ろしにきたタクシーは拾えなくなり、空港内立ち入りの許可を持ってるタクシーしか人を乗せられないようになってしまいました。違反タクシーは厳しく取り締まっています。

空港を出て左端にタクシースタンドがありますが、列になって順番待ち、ではなく、早いものがちといった感じ。
空港内立ち入りの「特権」をもったタクシー会社があまりにもひどい(=早回しメーターなど)ということが相当苦情としてあげられたらしく、最近は変なタクシーには当たらなくなりました。以前は本当にひどかったですが。

空港の中にリムジンサービス(といっても車体は普通のタクシーですが)のカウンターがあり、そこで先に金を払い、固定料金で目的地まで行ってもらう方法もあります。ここは空港会社の独占となっているようですが、だいたい料金はタクシーの倍~2.5倍ぐらいです。 あまりにもタクシー乗り場が混んでて煩わしいときには使ったりしています。

今日は7区、空港からはかなり遠いところのホテルに泊まっています。タクシーで行きが19万ドン = 800円くらい、帰りが22万ドン = 900円くらい。 で、リムジンサービスに値段を聞いたら、25ドル =2000円くらい でした。

旅行で来られる方、特に初めての場合は、とりあえず空港脱出の足は確保してから来られたほうがいいと思います。初めてだと、タクシーに騙されてることすらわかりませんし、きっと。

天日干し

2011-10-04 | 海外出張
台湾で、海老の天日干し加工を見学しました。
乾燥商品は今まで縁がなかったもので、知識がない、というか、今までの経験からくる「先入観」とのギャップから、驚きの連続でした。

写真は天日乾燥させた海老を回収している風景。
まさに天日に海老をぶちまけ、乾燥させているわけです。たぶん大きな蚊帳みたいなものに入っているのかと想像していましたが、まさに天日。囲みはまるっきりなく、鳥がこの海老を啄ばんでおりました。。♪

この商品も一部は日本向けとなっているとのこと。ま、日本でもみやげ物売り場に並んでいる干物なんかはハエがブンブンたかってますから。。

最近は手袋にマスク、殺菌してからしか商品は触れないものと思っていましたので、この光景には少々驚きました。まだまだ知らないことだらけです。。

ウォンレート

2011-10-03 | ビジネス一般
韓国は今日は祭日、開天節 という、神話に基づく開国記念日、だそうです。

韓国との商売が何件か続いているのですが、為替を非常に気にしている様子。日本と異なりウォン安が続いている韓国は、このところのウォンの暴落に、数年前の通貨危機と同じ脅威を感じている方も多いようです。
そして今日が祭日。先週からの3連休なわけですが、この間になにか起こるのではないか、と、先週ネゴしていたお客様も今週に入ってから最終的に商売を決めたい、ということ。

日本でも私のような規模の会社は為替予約にも制約が多いのですが、どうも韓国では為替予約も大手企業を除き、一般的ではないようです。

韓国との商売は日本語で行うことがほとんど。言葉も皆さん流暢で、こちらもついついあちらの事情をわかったつもりになって仕事を進めてしまうのですが、やっぱりそこは海外との仕事。こういった事情もしっかりと理解しておかないと、変なミスをしてしまうな。。と実感しています。



六重苦

2011-10-02 | ビジネス一般
最近、日本の産業界で叫ばれている六重苦。。。

円高
高い法人税率
貿易自由化の遅れ
労働規制
温室効果ガス対策
電力不足

を指して言うそうです。
国内製造業にとってはどれも直接的に影響があることばかり。しいて言えば、海外からの部品調達で若干コストが下がるかな、という感じでしょうか・・
もっとも輸出販売は円高の煽りを受けるわけですから、相殺してもまた足りない、という感じが現実なのでしょう。

つい最近、三陸の水産業者さんから海外加工の問い合わせを受けました
津波で工場が流されてしまい、世の中もこんな環境なので、海外加工にいよいよ乗り出そうか、ということです。
「よい機会」と言っていいのかはわかりませんが、海外への展開に二の足を踏んでいた会社にとって、六重苦はきっかけになるのは間違いないでしょう。
すでに海外展開をしている会社も、その取り組み方を深めたり広めたり、或いは大きくギアチェンジしたり、とすでに相当な勢いで皆さん生き残りのための活動をしているようにお見受けします。
私のような会社にも色々な問い合わせが入ってきております。
商社さんのような「プロジェクト」はとてもできませんが、できる範囲でこの流れに乗っていきたいところです。

では、二週間ほど出張に出てきます。!