海外に水産物の原料を送るときに、いわゆる「ステッカー」を貼っていないことによって受け取りを拒絶されることがあります。
振り返れば中国が数年前に始めたこと、といえますでしょうか。
私の商売でいえば、水産物の原料(そのまま末端市場に流通されるわけではありません)を送り込む場合、箱や袋に製品の表示がしっかりとしてあるかどうか、これで通関が滞ることがあるわけです。
中国向けに商品を出したことがある方なら、その煩雑さはすぐに理解していただけるかと思います。学名やら漁獲時期やら・・中国語と英語を併記して・・など、とにかく細かい規定があり、また、その運用も税関によって異なるものですから、同じ表示でもA税関ではOKでB税関ではNGだった・・なんてことも多々ありました。
それでも以前は、「袖の下」でなんとかなっていたわけですが、最近はこれも怪しくなってきました。
ベトナムも同様。内容については中国より相当いい加減なのですが、貼ってあるかないか・・ここが重要だったりします。また、これも送り込む場所によって、要求される内容がまちまち。
その他輸出関連書類とステッカーの内容に齟齬があっても困るわけで(たとえば単量の表記が違ったりとか)、とにかくその整合性には神経を使います。
送り込んでしまってあとで力技で・・という考え方をされている方もまだまだいらっしゃるようですが、相手にも負担をかけることになりますので、とにかく慎重にやるに越したことはないですね。
結構この手の単純なやりとりが時間がかかったりします。積み出す方は一刻も早く積み出したいわけで、ステッカーの印刷などを考え、内容の確認を急ぎます。以前は見切りでステッカーを作ったりしていましたが、最近ではその内容のせいで通関が切れなかったりすることもあります。したがって、お客様から「OK」をもらわない限り、ステッカーの作成には入りません。その結果船積みが遅れたりすることも多々あります。こういった単純かつ細かい作業の積み上げがあってようやく原料が積み出せる、ということになるわけです。