所有権・・

2011-07-15 | ビジネス業界
・ 三陸で銀鮭の養殖をやっている会社 今回すべて魚が流された。。。
・ 同じく三陸で寿司ネタ加工をやっている会社 工場が流された。。。
という方々と久しぶりに一杯やりました。

当事者の方々のお話しというのは、外から見ているものとは全くことなります。
印象的だった話しをいくつか。。


三陸の寿司ネタ加工屋さん、いち早く工場再建を決め、月末から稼働予定で工事を進めています。中国の研修生は帰国してしまいましたので、新たに女工さんを雇い入れしようと、募集を開始しました。(既存の女工さんは一切解雇しなかったそうです。このあたりにも経営者の方々の思いが感じられます。。) 日本人のパートさんの募集は、今後生産がどこまで伸びるかわからない中、地元に少しでも雇用を創出したい、という思いもあっての英断です。
ところが、実際にはほとんど人が集まらないそうです。失業保険の給付の延長が決まったようで、元々不安定な労働時間だったパートさんも、安定した収入が長期間に渡って保証されることになったようです。
それ自体、とてもいいことですが、実際に工場を再開しようとしても、女工さんが集まってこない・・ なかなか思うようには進まないみたいです。


養殖業者さん。。金と時間をつぎ込んで育ててきた銀鮭がすべて流されてしまいました。
そして今、青森などで、銀鮭の水揚げがあるそうです。天然ものは無いわけですから、これらはすべて流されたもの。ただ、鮭一本ずつに名札がついているわけではないので、これら浜で売りさばかれていきます。
養殖業者さんとすれば、間違いなく我々の魚・・と言いたいわけですが、証明するものは何もないわけです。
日々流れてくる「相場」を黙って見ているしかないのは、本当に辛い・・とのこと。


品質重視で有名な某小売店。三陸銀鮭製品を毎年売っていたそうですが、原料が無くなってしまいました。そこで、今年に限りチリの養殖銀鮭を使ったらどうか、と、提案したそうですが、「国産じゃないと困るので、浜で上がる銀鮭を買い集めて生産しろ」との指示が出たとか・・・
どこの誰が、どうやって育ててきたか、全くわからない魚。たまたま流されて、それが浜で水揚げされただけの話し。これもどこまで続くかわからないわけですが、同社は、「国産じゃないと困る」の一点張りだそうです。
消費者はそんなこと望んでないと思いますし、このストーリーを知って、それでも国産の銀鮭の加工品を選ぶ、とは思えないんですよね。。。

なんとも言えない気分になりました。。




  


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2 コメント

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役者ではなく役所やのう (さめ)
2011-07-15 11:46:48
事情分かってても無理難題言ってくる大手小売さん。昨年の数字があるので【慣例に従って】サプライヤーの心情は無視。役者やのう、ではなく役所やのう。。。
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さめさんへ (tare@)
2011-07-15 17:35:07
毎度様です。本当に役所。消費者のためにやっていると思いこんでいるのがなおさらひどいですね。。 生産現場からどんどん乖離していく現状、このような事態になっても態度が変わらないとは。。暗澹たる気持ちになります。
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