霊界の門 ・見えないものの力

霊界や因縁から、現在の自分をみつめ、「見えないものの力」を味方にしましょう。

復讐は正義か・・・

2013年05月01日 | 心霊現象
『復讐は正義と一つになった両刀の剣だと、彼も気付いていた。
 「誰でもどこかで、神の役をやるんだ」
 彼は妻に説教した。
 「神の役にふさわしい人間もいれば、似合わない人間もいる」
 「そんなこと言ってもあなた、他人を破滅させるのは悪いことですよ」
 「悪いことではない。むしろそれが正義というものだ」
 「いいえ、復讐ですよ」
 「復讐も正義になる場合がある。ひどいことをしておきながら、知らんふりする人間が多すぎる。
  そんな人間におれは代償を払わせたいんだ。これが正義じゃないか」
 その後彼は、相手をいかに陥れるかの策略を練る。楽しみながら・・・。 』   』

                     <シドニィ・シェルダン著「真夜中は別の顔」から>


また、こんなものもある。

『 遺族は犯人を殺してもよい・・・、という「復讐法」。
 最愛の妻を殺された泰之は、もっとも残虐な方法で犯人を殺すことに決めた。
 絶海の孤島を舞台に、大切な人を奪われた怒りが爆発する!

 遺族は犯人を殺してもよい。どんな残虐な手段でも・・・。

 高校生の人気ダントツNO1作家、本領発揮のデスゲーム!  』

                     <山田悠介著「復讐したい」の広告文から>


このような心情からは程遠い人生を送る人のほうが、はるかに多いことをむしろ祈る。
が、何の因果か「その」まっただ中に人生を翻弄される人がいることも、また事実である。
日本でいえば昔の話で終わってしまうが、「敵討ち」あるいは「仇討」にあたるかと・・・。
しかし、それは「公儀」が許したものに限れば、闇から闇への行動は、当然あったはずである。
「法が裁く」というが、そんな生ぬるいことでは、とうてい納得できない者の心は、行き場所を失って、そこからどこに向かうというのか・・・?


それを、霊界では何と教えているのだろうか。
いつものことながら、「シルバーバーチ」に聞く。彼がこう答えている。
それを、知っておくのも無駄ではない。
彼は「死刑制度」を、こう説明する。

 『人を殺した人間だから殺してもよいという理屈は、霊的には通らないということを、これまで私は躊躇
  することなく申し上げてきました。
  地上界の人間は、正義と復讐とを区別しないといけません。復讐心という最低の人間的感情からすれば
  、憎いやつを地上界から消すことは正義と思えるかもしれませんが、それでは未熟な魂を霊界へ送り込む
  だけで、それによって成就されるものは何一つありません。
  公正な裁きがなされないといけません。国による殺人を行っても、地上界はカケラほども霊的に進化しま
  せん。
  それどころか「目には目、歯には歯」の復讐の場に堕落してしまいます。
  激情が理性を凌駕したところに正義は生まれません。
  肉体の死後にも生命が存続することは、議論の余地のない事実ですから、それに基づいた原理・原則を信  念としなければなりません。
  死後の生活に何の準備もしていない者が、次々と地上界から送られてくるために、こちらでは面倒なこと
  がますます増えています。なかには、冤罪によって処刑されているケースや、不当な刑を受けているケー  スもあります。
  生命は神聖なものであり、人間が与えたり奪ったりすべきものではありません。生命は物質から創造され
  るのではありません。物質が生命によって創造され、維持されているのです。
  生命は霊的なものであり、大霊を原始としており、神性を帯びているのです。ですから、生命とその物的
  顕現を扱うときは、最高の慈悲心と思いやりと同情心をもってのぞむべきです。
  そして、動機は間違っていないかを確認することを忘れないでください。
  死刑制度では、問題は何一つ解決しません。罪を犯した人のことを思いやる心こそが、摂理を成就させる  のです。いかなる方法をとるにせよ、更生を促進するものであるべきで、決して復讐心を生み出すような
  ものであってはなりません。   』




この「ありがたいお言葉」が、すんなり解るようになるには・・・。時間がかかります。
祈りも必要になるでしょう。
しかし、あの世には通用せず、さらなる罪を重ねることになるのであれば、「天法に従える自分造り」をしなければなりますまい。

「そんなこと言ったって・・・」これが復讐心を懐いたことのある人間がもつ一様な「心模様」であれば、
悲しいかな、生命の限りを尽くして時間ある限り原理、原則に見合う魂を形成させる努力をするしかないでしょうね。
その一方で、今一番若者特に高校生に人気のある作家であり、著作である「復讐ホラー」が売れていると聞けば、心穏やかならぬ思いでいっぱいになります。
いまさらのように、『復讐の連鎖を、これで終わらせたい』と言い切った「彼女・小笠原の姫君」に敬意を表する次第です。


日本における罪と罰。そしてその清算の仕方。
復讐と死刑と、それがもつ正義感。
まだまだ私達の地上が、いながらに天上界のごとくになるには時間がかかりそうです。

今日は皆様へというよりも、「私」にむけての1頁でございました。