霊界の門 ・見えないものの力

霊界や因縁から、現在の自分をみつめ、「見えないものの力」を味方にしましょう。

佐渡国主に秘められた謎  4

2011年11月27日 | 心霊現象
しかし、それほどスンナリと「しくみ」が移行する
はずもない。
性急なスケジュール変更や、キャンセルには、地上のルール
でも必ずペナルティーがともなうように、二度目の仕組み替え
にも、それなりの「代償」が必要であった。
その代償とは、昔から言われる「お百度まいり」や、「水ごり」
○○断ち」というように、神仏への誓いをたて、それを必ず
やり遂げて、自らの姿勢を示すことであった。
私はその代償として、「食断ち」を選ぶことにした。
一週間の食を断つ。
誰からも強制されたわけでもない。霊界と自分自身の約束に
おいて、実行するのである。

一週間の断食とは、その言葉どおり、七日間、つまり168時間は
何も食べないことである。
もちろん、ジュースやお茶もいけないし、料理の時の味見もダメである。
ひとたび病気になっても、薬さえダメ。かなり厳しいものである。
その間、普通の生活をするのもまた条件になる。
布団で楽して、寝ているわけではない。職場にもいくし、走り回りもする。
「水をのむ事」のみは許された。
気力のみに支えられて、日々が過ぎていった。
そして、何日目であったろうか。
私は夢を見た。


  気がつくと、私は葦の茂る野にいた。
  遠くで人のざわめく声が聞こえる。
  と、いきなり目の前に人が現れた。その人の「なり」(恰好)を見て、
  再びびっくりした。
  なんと、それは、雑兵であった。
  陣笠に槍といういでたちの、あの時代劇に出てくる足軽が一人
  そこに立っているのである。
  ここが、戦場であることは、すぐにわかった。
  しかし、場所がどこなのかはわからない。
  するといきなりその足軽が、私の手をつかんで言うのだ。

  『行こう。くわしく知りたかったんだろう・・・』

  その瞬間、私は今、どこにいて、何がおころうとしているかを
  察した。
  この人について行けば、あのときの、そうだ天正四年の戦乱にまつわる
  何かがわかる。
  私は時を超えて、今そこにいるらしい。
  人の切りあう音が間近に迫った。
  私の腕をつかんだ手に力が入る。少し引きずられて、私はとっさに
  その手を振り払った。
  「行かない・・」
  行けなかった。正直言って恐かった。本当に怖かったのだ。
  何かがわかるという確信はあった。
  しかし・・・。
  戦争を目のあたりにするという事も、恐怖であった。が、それ以上に
  このような形で、すべてを私が知ってしまうことに対して、畏れを
  覚えた。
  霊界がひた隠しにしていた事実を、もし私が知ってしまったら、
  もはや後へひけない全責任が、私自身にかかってくるのだ。
  佐渡国主は、これが最後の頼みだと言っていた。つまり、そうとうに
  強い念で、地上をあやつるに違いない。
  としたら、地上の人間、つまり血統の重要人物・あの青年に
  その覚悟のほどを、今一度確かめておく必要が、絶対にある。
  私一人の仕事ではないのだ。
  いや、血統をこえて、私が成り代わってやるべき事ではない。


夢からさめても、私は少しも後悔しなかった。
ものごとには、順序がある。それも、しっかりと順序立てしな
ければならないのだ。

こうして、一週間断食は終わった。


再び、佐渡国主奥方の降霊である。

私 「一度目のしくみを変えて、二度目に移した事は
   ご存じですか?」

守護『わらわは、もとの霊界には今おらぬ。
   霊界を降りた。またもとの(しくめる)霊界に戻れるまでの間
   そなたの後ろで、悟りの学びをする。
   わらわは、さとり方が違っていたようだ。その真理、神の天法?
   を、学ばねばならない。』


私 「乳母どのは、それほど重要なのですか?」

守護『わらわは、もとの霊界にはおらぬ。
   (自分は)しくめないので、すべてまかせる。
   わらわのしくみは、どこか間違っていた。』


私 「あなたさまのお名前は、まだあかせませんか?」

守護『まだ言えぬ。』


最初奥方は、胸を張って出てこられた。しかし、今はあまりにも静かで、
謙虚にしておられる。そして、心からさとりを学び直し、もといた霊界に
戻ろうとしていた。

私の方といえば、霊界の事は謎だらけだった。
「悟りが違ったとは」「しくめなくなったとは」「霊界を降りる」
とは、どこが違い、どこまで降りるのか。
最初はどこの霊界にいたのか・・・、しくめる特権?とは何か?

しかし、これだけは、はっきりした。
霊界では、地上との関わり合いの結果、何らかの変化が生じた事は
明らかである。


その後の、青年の近況を私は知らない。(やる覚悟のない者を追いかける
のは、酷である。人生を自分で決めたのだ。)
生きているかどうかも知らない。
国主奥方が、今もはたして私の後ろにおられるかどうかも
知らない。



長い文章をお読みくださって、ありがとうございました。
お疲れでしょうね。
ここで、大切な内容がいくつも見え隠れしています。
どうぞ、このブログ全体から、みなさまが解き明かしてください。
そして、霊界の住人が何を地上の人達に求めているかを知って
ください。

あなたは、何をするために、今を生きているのか。
歴史や過去を、何のために学び、知るのかをもう一度
確かめてください。 
   
  


佐渡国主の秘められた謎  3

2011年11月27日 | 心霊現象
私 「では、背後霊・・このたびのゆかりのある方ですね?」

守護『・・・(うなづく)』

私 「どなたさまでしょうか?」

守護『・・・(無言)』

私 「佐渡国主の奥方さまでしょうか。」

守護『そうじゃ!。』


以下は、その時の奥方の話である。
しかし、具体的な名前も地名も、最後まであかさなかった。

『上杉景勝に滅ぼされ、夫は自害した。
 そのときの有様をつぶさに目のあたりにして後、自分は
 越後の国へ渡り、尼となって一生を終わるまで、ひたすら夫の
 冥福を祈って死んだ。
 三人の子供があったが、戦乱の後、生き別れ、その後どうなったか
 わからない。夫の怨みがあまりに深いので、その救いのために、
 すべて地上をしくんだ。
 すべての事は、私のしくみゆえである。
 名前はまだ、あかせない。どうしてもあかせない。
 自分に対しての呼びかけは、「佐渡国主奥方」で充分
 通じる。自分は城を追われた怨みは、少ない。
 戦乱の世であれば、いたしかたのないことであった。
 救いの手をお願いします。』


佐渡国主奥方の言葉をうけて、青年は何を感じ
とったのか。
その後、少しづつ事情が変わってきた。
一人の人物によってである。そう「彼女」だ。
結婚するかもしれないという「女」だ。
お互いの心はすでに決まっていたが、周り、つまり家族や
親戚が、いまいち納得していなかった。
原因は青年一族の「短命」。
それを探りに青年は来たはずなのに、なぜか彼の心は
日に日に、萎えていった。
もし、この霊界との約束を違(たが)えたら、命を引き合い
にまで出して語った守護霊への、こちら側からの「覚悟」
は、いったいどうなるのだろう。

私は、彼女の存在は、青年にとって、障害になってしまうものだと
感じていた。
青年の心は一進一退を繰り返す、あてにならないものとなっていった。
私は、差し出がましくも、「彼女」の守護霊降霊をK氏に頼み込んだ。


彼女の守護霊は、次のように語った。

『(自分は)北条一族の者である。わこさまの乳母であった。
 佐渡での出来事は、知っている。
 わこさまの壮絶な死も知っている。霊界での、わこさまの様子は
 くわしくは知らない。』

なんと驚くべき事に、「わこさま」つまり、かの佐渡国主の乳母という
関係にあった人物だった。
ほぼ、結婚するであろう彼女の守護霊が、乳母と知って、青年はより
いっそう親しくなっていった。


一人の青年をめぐって展開される、二人の女の縁。国主を挟んでの
三人の関係は今、救いということに賭けて、取り合っている。
「地上に条件がない」と言う、佐渡国主のいらだちと、「命を縮めて
もか」と、言わせるあせりは今の現状にあると察した。
そして、青年の守護霊は、開口一番になぜ「信仰と、もののふの道は
いさぎよさである」と言ったのか。
そして、何度尋ねても、はっきりと事の詳細を語ろうとしなかったのか。
守護霊は、こうした青年の態度を鋭く見抜いていたのだ。

私は、霊界にいる乳母とやらに、念を送り続けた。いや、叱責したと
いったほうがいいかもしれない。
「霊界でわこさまとやらが、どのようなところで、どうしているか見て
くるがいい!その様子によって、このたびの救いのためのしくみに
協力してくれるかどうか、はっきり確かめたい!」

再度の降霊時、乳母はがっくりとうなだれ、うちひしがれていた。
そして言うには。

『霊界で、わこさまがあれほどまでとは、思わなかった。
 しかし、自分は何をしたらよろしいのか・・・』

「今、わこさま、つまり佐渡国主の救いを地上でしくみ、
 そのために条件を積むべく努力しているつもりである。
 ついては、国主奥方とともに、協力をして、地上がそのように
 進むよう、あなたの乗り移っている娘さんが、よくよくわきまえるよう、
 しくんでほしい。」
とまあ、こうは言ったものの、本音はこうだ。

<あなたさあ、この救いの邪魔をすんじゃあないよ!
 むしろともに学び、修行して救いの道を自らも
 歩んでほしい。もし、それが無理ならば、いったん
 消えてくれ!>

私の心は、般若の面そのものだ。

しかし、思い出すことは、わこと乳母。
きっても切れないこの関係は、理屈抜きでの愛情の
関係にある。
あの、春日の局と家光のように、である。

その後やはり、彼女の存在は、しくみを崩すほうへと
周りを引っ張っていった。
彼女が決して悪者なのではない。 
一番の原因は、青年の覚悟、つまり「いさぎよさ」の
なさにあった。


<次へつづく>

佐渡国主に秘められた謎  2

2011年11月27日 | 心霊現象
私 「このたび、佐渡へ行ってきたことをご存じですか?」

守護『すべて知っている。』

私 「ならば、何でこれほどにも、収穫のない旅になったのでしょう」

守護『・・・・。(無言)』

私 「あなたさまのお名前は、言えませんか?」

守護『まだ、言えぬ。』

ここまできて、申し訳ないはなしだが、私は頭にきた。
その後は少し、激しい口調で言ったものである。

私 「申し上げます。あなたさまの存在を知った後、本人が
   努力しつつ、霊界の扉を開きつつある事は、ご存じで
   ありましょう。そして、佐渡へ行った。
   あなたさまの怨みと、暗い、実に暗い、と言われた
   その霊界でのあなたさまを思えばこそ、もっともっと、事情
   を知って、おこがましいかもしれない、さしでがましいかもしれない
   でも、お救い出来ることがあればと、念じております。
   なのに、何ひとつ明らかにはしてくださらない。
   以前、あなたさまは、この青年に、信仰ともののふの道は、
   いさぎよさであると、教示してくださった。
   だのに、なぜその後は、それ以上話してくださいませんのか。
   もし、あなたさまのお名前がわかれば、お名前を呼びつつ
   祈りましょう。また、あなたさまの怨みの内容がわかれば、
   具体的に祈れましょう。そのためにも、教えてはくださいませんか。
   それとも何か、地上に足りない事があるのでしたら、どうぞ
   おっしゃってくださいませ。」

守護『(しばらくして)佐渡行きのすべては知っている。
   が、名はまだ明かせない。霊界は、少し明るいときもあり、
   暗いとこもあり・・・祈り、協力してくれているのは、
   わかっている。自分も努力して、守護しているつもりである。
   しかし、地上に条件(注・受け入れる器)がない!』

私 「条件とは、どうすればいいのでしょうか」

守護『・・・・・・』
私 「いかようにもします。教えてください!」

">守護『命を縮めてもか!』strong>


この言葉は、私達の心を震撼させた。
双方に重苦しい沈黙が流れた。(本来ならば、青年が覚悟のほどを
語るべきところであるが・・)
私は、沈黙を破るために口を開いた。
(おまえは黙ってろ。口を開くべきは他にいる。
 守護霊はそれを待っているのだぞ、と私の心は叫ぶ)


私 「地上人の命を縮めるか否かは、一族、霊界、さらに神の前にその
   必要があるかどうかでありましょう。
   あなたさまは、この人物の命を縮めて、救いがありますのか!
   協力してこその救いではありませんか!
   地上に肉体があればこそ、あなたさまの救いに直結するのが
   ことわり(理)。今一度お考えくださって、地上を導いて
   くださいませ。必ずや、お救いしたいと思います。」

守護『・・・・(黙って聞いている)』

私 「霊界が少し明るいとは、どのようなのでしょうか。
   地上の本人の努力が、少しでも、あなたさまの救いになっている
   証しではありますまいか。
   どうぞ、今後も守り、導いてくださいますね?」

守護『オーッ、もちろんのこと。』
私 「今後、地上でもよりいっそう努力しますから、どうぞ
   どうぞよろしく、お願いします。」

守護『それがしが、最後の頼み、たのみまいらせる。』


消化不良とは、このような事を言うのか。
このままでは終われない。
佐渡国主は、何を見、何を思って、霊界に帰ったのか。
私?  この私がカギ?
そうだ。「佐渡まで連れて行かれた私」の背後を探る事が残って
いた。

数日後、私の後ろの降霊が行われた。
青年よ、よーく見、よーく聞いて、今度こそ自分の役割を
胆に銘じてほしい。

降霊の場にお経がながれはじめる。
「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経・・・・」
淀みない口調で読経が続く。
その場の空気が、いっぺんに変わる。
はりつめた心で私達も、おもわず襟を正す。

私 「あなたさまは、わたしの守護霊ですか?」

守護『・・・(首を横にふる)』

<次へつづく>
   
   

佐渡国主に秘められた謎  1

2011年11月27日 | 心霊現象
ある年、私が勤めていた事務所が倒産し、失業した
私は、知人の紹介で新設された会社へ就職が決まった。
勤務して十日ほどたったある日、ひとりの青年が入社。
二十歳の若者だった。彼は他にも決まった先があったが、
なぜか、この会社に心が向いたと、後日語っていた。

ところが、新社員も全員そろい、さあこれからという時に
なって、上層部が「ヤクザ」と付き合ったという事で、またまた
倒産。私もその青年も、再び失業の身となってしまった。
しかし、人の縁とは不思議なもので、二人の縁は切れなかった。
今にして言える事だが、新しい会社で出会う事が、まず第一の
しくみ、つまり第一段階(ステップ)だったのだ。
両者の出会いは、霊界がしくんでいた。

それは、青年の事情にあった。
彼の心の中は、いつもいいしれない不安でいっぱいだった。
それは、身内の多くが短命であり、自分の命もきっと長くは
ないと思いながらの日々であった。
なぜ、という思いもあっただろうし、「彼女」(近々、婚約
するかもしれない)との今後もあやぶまれる。
これ以上、返事を延ばすことも出来ない。
彼は、今まさに岐路に立たされていたのだ。

話はすぐに決まった。
つまり、青年の守護霊降霊をするという事にだ。
霊能者K氏は、すでにある程度内容を掴み取っていたようであったが、
青年と会い、日を決めた。

降霊するやいなや、切腹の場面から始まった。
「十文字腹」だ。別名?「無念腹」ともいう。
会話は私がやらせてもらう事にした。

守護『北条氏の一族であった。名か?
   名は今は言えぬが、佐渡の国主であった。
   天正四年、上杉景勝に滅ぼされし怨み、いまだ深く、
   暗い、実に暗い霊界にいる。
   筆と紙をもて!(自動手記で児林と書く)
   この青年の先祖は児林だったのだ。

   そこもとに言いたい事は、信仰と、もののふの道は
   いさぎよさだということ。』

ここまで聞き出す事の出来た私達は、さっそく書店と、図書館
へ走った。
もちろん史実を調べるためだ。
天正四年、上杉景勝、佐渡国主。今ならば、この文字で「検索」
するであろうが、その頃は、パソコンなどない。
さて、どの文献を探しても、それらしい事はどこにも載って
いなかった。文献ではダメなのか・・
青年は、是非知りたいと言う。
「佐渡へ行くしかないか。」

青年のバイクでの旅だ。
精神的にも、肉体的にも楽であるはずがない。
道をきく人三人とも、間違った道を教えるというハプニングを
押して、無事船に乗り込んだ。
「一度も行かぬバカ、何度も行くバカ」と、はやしたてる言葉が
あるほど、風光明媚な佐渡。
その佐渡に降り立った。

「真野御陵」は、順徳帝の配流の地である。
北条一族の北面の武士が、護衛役として佐渡へ渡り、それ以来
領主として歴史が流れたと聞いたことがある。
ものを知っていそうな地元の老人に、尋ねた。
「天正四年? 上杉景勝?・・・
 いやー、知らんのう。佐渡の歴史に詳しい先生がいなさるから
 教育委員会へ行って、聞いてみなさるほうが、いいかもしれんな。
 城跡はいろいろありますで。羽茂にも、佐和田にもあります。」

くわしくは、省略するが、教育委員会、資料館、城めぐり、すべてが
徒労に終わった。
相川の民宿で、K氏に連絡をとる。無惨な結果を報告する。
最後の日、まだ夜の明けやらぬ時刻に帰路につく。
海の向こうに、イカ釣り船の灯りを眺めながら、終始無言で佐渡を
後にした。
「なんなんだ、いったいこれは・・」やるせない思いは私だけではなかった。
道中、無事だった事だけが、とりえとなったこの旅。

当然のようにして、再度の守護霊降霊となった。


<次につづく>