本日(2006/3/24)は、ナンシー(Nancy)→ランス(Reims)→パリ(Paris)へ電車で移動しました。
ナンシーからランスへの直通電車は無く、ナンシー7:59発の電車に乗り、乗り継ぎ時間が5分の9:45発のChalongs en Chanpagneで乗り換えランスに到着する予定でした。しかし7:59発の電車は定時になっても発車せず、結局約15分遅れの8:13に出発しました。既に15分遅れで5分しか待ち合わせのない次の電車への乗り継ぎをどうやってしろというのでしょうか。途中車掌さんが検札に来た際に私達のチケットを見て、「乗り継ぎが難しそうだからちょっと調べてあげる。」と言って向こうへ行ったので、「乗り継ぎに間に合わない人がいるから待ち合わせ駅で待っておいて。」と乗り継ぎ先の電車の人に連絡してくれているのかと期待したのですが、そのまま車掌さんは戻ってきませんでした。しかし、途中のスピードを上げたのか、電車は定刻の9:40にChalongs en Chanpagneに到着、無事にランス行きの電車に乗り換えることが出来、定刻の10:29にランスに到着しました。やるじゃん、フランス国鉄。
駅で荷物を預けることが出来なかったので、リュックを担いで、駅から約1kmの観光案内所へ行きました。荷物を預けようとしたら、「テロ以降荷物を預かってはいけないという法律ができたので預かることが出来ない。」と言われました。今回の旅行中、コルマール以外の駅で荷物を預けることが出来なかった理由が初めて判明しました。観光案内所で地図とバスの路線図をもらい、すぐ近くのノートルダム大聖堂へ向かいました。
【ノートルダム大聖堂 Cathedrale Notre-Dame】
ランスのノートルダム大聖堂は、アミアン、シャルトルと共にフランスの3大ゴシック建築と称されています。また、フランスの歴代国王が戴冠式を行なったことでも有名です。ランスの大聖堂は、1991年に世界遺産に登録されています。
こちら側が豪華な彫刻がほどこされた西ファサードです。
こちらは西ファサードにある世界的に有名な彫刻「微笑の天使」です。先日、蒲田のユザワヤの画材売場でもこの彫刻の上半身の複製を見かけました。
大聖堂の内部は美しい装飾やステンドグラスがあります。
これはシャガールのステンドグラスです。
別の場所から見た大聖堂です。
【トー宮殿 Palais du Tau】
元々はランスの大聖堂司教の館として建てられ、大聖堂で戴冠式を迎える新国王が戴冠式の前夜と戴冠式終了後にこの館で過ごしたそうです。現在は、戴冠式の際に使用された王の装飾品等が展示された美術館になっています。
入場料は1人6.1EURO(≒890円)です。あまり時間も無かったことと、入場料も高い割にそこまで見たいものも無さそうな雰囲気だったので、入口のお土産屋さんで木の葉のピンバッジを買って、外にあるトイレをお借りしてここを後にしました。
トー宮殿は、1991年に世界遺産に登録されています。
【シャンパンセラー TAITTINGER(テタンジェ)訪問】
大聖堂の近くのバス停からバスに乗り、「TAITTINGER(テタンジェ)」というシャンパンセラーにやって来ました。
シュワッと泡立つ発泡性ワインは世界中で造られていますが、「シャンパン」と名乗ることが出来るのは、シャンパーニュ地方で厳しい法律に従って造られたものだけです。
「TAITTINGER」以外にも、ランスのシャンパンセラー、「G.H.MUMM」「Pommery」「Veuve Cliquot」「Piper-Heidsieck」等のカーヴは見学することが出来ます(一部事前予約が必要です)。シャンパーニュ地方の見学可能なセラーの一覧はコチラ。
有名な「Vueve Cliquot」に行ってみたかったのですが、事前に予約が必要で面倒だったので、今回は事前予約が必要なく、比較的行きやすい場所にある、日本では名前を聞いたことのなかった「TAITTINGER(テタンジェ)」を選びました。
11:55にTATTINGERの受付に行くと、12:00スタートで英語で行なわれるシャンパンセラーツアーがあるとのことでした。荷物を物置に置かせて頂き、早速ツアーに参加しました。まず最初は、部屋で「TAITTINGERの歴史」のフィルムを見ました。
次はガイドさんにつれられて、地下のシャンパンセラーへ進みます。
セラーの入口には神様が祭ってありました。
これは、シャンパンボトルの大きさのサンプルです。
カーヴの中で社員の方によるシャンパン製法の英語の説明を聞きます。説明して下さった社員の女性は英語がとても上手でした。しかし私は、周辺の人達がうなずくのにあわせて「ふふ~ん。」とか「へ~っ!」とか説明に適当に相槌を打ってみたものの、実はほとんど理解していませんでした(よって以下の写真の説明は推測です)。
セラーの中はひんやりしています。夏でもこの地下の気温はほとんど変わらないそうです。
ここは天井の高い部屋です。ローマ人が建物を建てるために石灰質の土壌のこの地から石灰岩を掘り出し、その結果、地下にこれだけの広い空間が出来たのだそうです。シャンパーニュ地方にはこんな地下空間が延々と広がっており、そこは今でもシャンパンセラーとして利用されているそうです。土地の有効活用です。
これはルミアージュ(動瓶)という作業のための場所です。穴のあいた専用の木の台に、シャンパンの瓶を斜め下向きにして並べてあります。
シャンパンは、BNN「シャンパーニュの本」によると、
葡萄の収穫→葡萄の圧搾と第一次発酵→アッサンブラージュ(第一次発酵を経たワインの原酒を、異なる葡萄畑、生産年度の異なる原酒とブレンドし、各メゾン独自のワインを造りあげていく)→第二次発酵(ブレンドされた原酒に酵母と蔗糖をワインに混ぜた液体を加えて瓶詰めし、仮栓後、カーヴで1~10年寝かせる。)→ルミアージュ(第二次発酵の間に生じた澱を集める)→デゴルジュマン(澱を取り除く作業。瓶を逆にして、澱がたまった瓶の口の部分だけをマイナス20度の塩水に漬けて凍らせ、仮栓を抜くと内部の圧力で澱だけが外へ飛び出す。)→ドサージュ(デゴルジュマンで減った分を「門出のリキュール」と呼ばれる甘蔗糖とシャンパンの古い原酒を混ぜたものを使う。)→打栓とラベル貼り
という長い行程を経て出来上がるそうです。
上記のルミアージュ(動瓶)では、1人の職人さんが5~6週間に渡り、毎日1/8づつ全ての瓶を回転させて澱を瓶の口に集めていくそうです。一面に並んだ瓶を毎日1/8づつ回転させていくのは、気が遠くなりそうな作業です。
この他、瓶詰めの工場(この時期は休止中でした)を見学したり、最後にビデオをまた見た後に、いよいよお待ちかねのシャンパンの試飲です。
めちゃうまです。朝お菓子しか食べていないので、すきっ腹にシャンパンがしみわたります。気泡がなめらかで繊細な口当たりですが、最後はきりっとした酸味がありました。
ここで販売されているシャンパンの価格表とサンプルです。
TAITTINGERのシャンパンがどこへ輸出されているかの案内板です。日本では、JALとフランス大使館が載っていました。
「どうりでTAITTINGERのシャンパンは日本で見たことが無かったはずだ。」と思ったのですが、日本では日本リカーが輸入販売していました。帰国後デパートでも売っているのを見かけました。
【サン・レミバジリカ聖堂 Basilique St-Remi】
ノートルダム大聖堂でフランク王国の初代王クロヴィスに洗礼を授けたランスの初代大司教サン・レミの墓地がある、ランスで最も由緒あると言われる教会です。
サン・レミバジリカ聖堂は、1991年に世界遺産に登録されています。
この他、ランスの見所には、藤田嗣治がシャンパンのG.H.Mumm社の援助を受けて建てた「フジタ礼拝堂」があります。路線バスに乗り、更にバス停から徒歩10分以上の距離だったので、今回は行けませんでした。私達がちょうど日本に帰国した頃、2006/3/28~5/21まで東京国立近代美術館で「生誕120年 藤田嗣治展」がやっていました。そんなに有名な人だったのだと初めて知りました。
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