新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

中国 武漢のSARS(かも)騒動の考察

2019-12-31 22:51:23 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

武漢で原因不明の肺炎27例、現地報道でSARS疑似の文字が躍っている件の考察です(先にツイッター投稿からコピペ)。

中国 武漢のSARS。とりあえず現時点でわかったことは、魚市場のスタッフ中心に27例の原因不明の肺炎が確認され隔離入院、武漢市当局が緊急警報を出した。SARSの確定診断はまだ。

考察1 (本例がSARSだった場合) 舞台となった魚市場は、個人商店がずらりと並んだ構造。商人たちが1か所で押し合いへし合いという構造ではない。 したがって、ひとりのindex caseが、スーパースプレッダーとして、飛沫を飛ばしながら(魚を値切りながら)歩き回った。

考察2 (本例がSARSだった場合の考察) 中国の市場における庶民の購入行動は、お目当ての商品を見つけ値切る値切る(飛沫飛ばす)。買わないで他店へ。値切る値切る(飛沫飛ばす)。更に他店へ(飛沫飛ばす)。何件か繰り返して、最安のところに戻ってもうひと声値切って購入。接触者追跡は相当大変

考察3(SARSが否定されたときの考察) 検査の結果、PCRで否定されましたとなったとき、じゃあ何だったのとなる。1か所で27例、一部が肺炎像・・平凡だけど、MERS(クリスマスイブに香港でMERS症状例の報告あり)・結核・インフルエンザ(いまH7N9は落ち着いているが)・麻疹(以前、ミャンマー北部で謎の感染症で連続死事件、犯人はこれだった)

考察4(SARSが否定されたときの考察) 全く新たな「感染症X」。実は私には切ない思い出あり、セネガルから北京に転勤前、ProMEDには正体不明肺炎の記載がちょくちょくあった。でも気に留めなかった私。北京に着任したらいきなりSARS騒動に巻き込まれ死ぬ思いした。ゆえ常にこの可能性頭よぎる

考察5(SARSが否定されたときの考察) 承前)私は北京SARSのトラウマもあり、正体不明の肺炎報道には思うところあるのだけれど、あれは元の元の元をたどれば(ハクビシンより先に)コウモリだった。MERSも(ラクダより先に)コウモリ。エボラもコウモリ。人知れず新たな「感染症X」を抱いてきた可能性

 

 

火元はこの通知。武漢市衛生委員会の緊急通知。


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