新型コロナウイルスNCoV、UKの件でまとめ発表。
- 最初のindex patientは60歳男性。パキスタンに5週間滞在したのちメッカとメディナ巡礼のためサウジアラビアへ。8日間滞在。サウジアラビアでは動物接触歴なし。重症呼吸器感染者との接触歴もなし。UKに戻る少し以前に発症。現在も重篤でECMOを実施中。
- 次に息子の38歳男性。旅行歴なし。家庭内で感染。死亡。悪性の基礎疾患にて免疫抑制状態。
インフルエンザH1N1に重複感染。2型パラインフルエンザウイルスも検出。 - 娘の30歳女性。軽症。別の家(嫁ぎ先?)に住み、病院の見舞いで3回接触。旅行歴なし。UK国内で感染とHPA。2型パラインフルエンザウイルスも検出。
- コンタクトトレース接触者追跡で感染確認されず。60歳男性と接触した103人、うち19人は航空機内で近くの座席、38歳と接触した18例、30歳女性と接触した25例のいずれも症状有無にかかわらず血清採取してNCoVチェック。
- ヒトヒト感染のエビデンスとなるが、感染拡大範囲は限定的。
- 今回のNCoVとSARSと類似じた面もある。急性重症呼吸器症状と、潜伏期。
- 他方、血清検査をして初めてわかる軽症例の存在から、症状のバラエティはより広いと思われる。
- いずれの例も、他のウイルスに重複感染していたことにも注目。重複感染は重症度や拡大にどう影響しているのか。他のウイルス感染がNCoVの診断を遅らせる可能性もあること、典型的でない例ではNCoVの可能性を考える必要性を示している。今回の60歳男性例ではNCoVが検出される前に、抗インフル剤への反応が悪いということがあった。
The HPA highlighted the co-infection in all three patients, noting that the findings raise questions about how other infections might impact disease severity and its spread. The other illnesses may have delayed the NCoV diagnosis, and the cases show how important it is to consider NCoV in atypical cases, such as the index patient's poor response to antiviral drugs before his NCoV infection was detected.
「インフルエンザと診断してタミフルだしても、なかなか奏功しないケースではNCoVを疑え。重複感染もあるから診断キットでインフル陽性と出ても安心してはいけない」という教訓です。さらにNCoVで軽症例もあるからと。
日本で第一例の診断をつけるのは、このサイトに来られているあなたかもしれません。
ソースはCIDRAP↓
http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/other/sars/news/mar1413coronacases.html
UK officials detail novel coronavirus cluster findings