新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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国境なき医師団がtotally out of controlとコメント出した現状(エボラ出血熱)

2014-06-21 12:24:15 | エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症

ギニアからはじまった今回のエボラ出血熱流行、これまで対策の中心にいた国境なき医師団が、「もう限界までやっている。totally out of controlだ」とコメント。

  • 国境なき医師団、すでに限界まで 反応しており(medical group is stretched to the limit in responding)もはやまったく制御困難だ("totally out of control," )とコメント出しています。すでに第二波に突入している。
  • 今回の流行は、世界でももっとも貧困な地域に発生していて、公衆衛生システムが元々脆弱である。
  • また、今回特に難しいのは、移動が多く、ギニアやリベリアの首都など、人口密集地で流行していることだ。従来の流行では、隔絶された遠い村で発生することが多く、これほど容易には広がらなかった。
  • 唯一の対策は、調子が悪ければ名乗り出ていただくことと、患者や遺体にさわらないことを人々に説得することしかない。

う〜ん、エボラ出血熱といえば、致死率高く経過早く、そんなには(地理的に)拡がらなくて、そんなには患者数も増えない疾患というのが、イメージでした。しかしどうやら、スーダンもコンゴもガボンも、これまで単に運が良かっただけということのようです。

遠く離れた村ではなくて、交通の行き来の多い人口密集地帯で今回初めて起こってみたら、国(保健当局)はお手上げ、先進国のメジャーNGOもこのようなコメントを出し、国境を越えてじわじざ拡がりということになってしまいました。出来ることは、人々の行動変容をうながし、行動範囲を制限することだけですが、それを可能にならしめるような警察力もなく・・・という事になれば。。。

次は「軍の動員」だとか強権的なことが必要な段階にはいりつつあるのでしょうか。

ソースはAP
http://bigstory.ap.org/article/ebola-out-control-doctors-without-borders

Doctors Without Borders: Ebola 'out of control'

Jun. 20, 2014 4:21 PM EDT
 
ソースの魚拓
http://megalodon.jp/2014-0623-1749-14/bigstory.ap.org/article/ebola-out-control-doctors-without-borders
 
 

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