葛飾北斎の浮世絵が大好きなアメリカ人の友人がいます。
大胆でダイナミックな構図、油絵とはタッチの異なる技法。
何より北斎の絵の中に描かれた古い日本の生活習慣そのものが、外国人にとっては興味深いのだといいます。
そういえば昨秋、東京国立博物館で行われていた北斎展にも行ってきましたが、会場に外国人が多かったのが印象的でした。
北斎の中でも代表作の一つが、「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」ですね。
今にも砕け散らんとする相模灘の大波、その奥に小さくのぞく富士山。
北斎屈指の名作です。
アメリカ人の友人も「日本」といえばこの絵を思い出すくらいだと言っていました。
「By the way…(ところで)」
彼は言います。
「この絵のタイトルの「沖」は「大きい」かと思っていたよ」
何のことか分かりません。よく聞くと…
この絵のタイトル「神奈川沖浪裏」を英語に訳すと、
"The Waves off the Coast of Kanagawa"
などと訳せますが、通常シンプルに
"The Great Wave"
とも言い習わしているそうです。
日本語でいえば「大波」。
彼は、音声で「Kanagawa-okinamiura」と聞いた時、「神奈川・大きい波・浦」と
聞こえたというのです。
うーん。確かに「大きい波」はこの絵をずばり言い当てている。でもなあ…。
妙な気持ちになっていると、彼は言いました。
「日本人が話しているのを聞いていると、「大きい」も「沖」も同じように聞こえるんだよ」
確かに英語は日本語に比べ母音の数も豊富で厳密に発音し分けます。
例えば、英語では、oとohとouは違う発音で、これを間違えると違う単語になってしまいます。
それに比べ日本語は、母音があいまいに発音される傾向にあるかもしれません。
「王様」は、平仮名では「おうさま」と書きますが、会話の中では「おーさま」と発音しても通じますよね。
「大きい」も日常会話では、「おきいねえ」に近い発音で話していることはよくあります。
母音を厳密に聞き分ける外国人にとっては、日本語の聞き取りにくい部分なのでしょう。
でも、考えてみれば、この北斎の名作、
「The Great Wave at Kanagawa 神奈川の大きい波」
という方が、外国人にとっては分かりやすいかもしれません。
大胆でダイナミックな構図、油絵とはタッチの異なる技法。
何より北斎の絵の中に描かれた古い日本の生活習慣そのものが、外国人にとっては興味深いのだといいます。
そういえば昨秋、東京国立博物館で行われていた北斎展にも行ってきましたが、会場に外国人が多かったのが印象的でした。
北斎の中でも代表作の一つが、「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」ですね。
今にも砕け散らんとする相模灘の大波、その奥に小さくのぞく富士山。
北斎屈指の名作です。
アメリカ人の友人も「日本」といえばこの絵を思い出すくらいだと言っていました。
「By the way…(ところで)」
彼は言います。
「この絵のタイトルの「沖」は「大きい」かと思っていたよ」
何のことか分かりません。よく聞くと…
この絵のタイトル「神奈川沖浪裏」を英語に訳すと、
"The Waves off the Coast of Kanagawa"
などと訳せますが、通常シンプルに
"The Great Wave"
とも言い習わしているそうです。
日本語でいえば「大波」。
彼は、音声で「Kanagawa-okinamiura」と聞いた時、「神奈川・大きい波・浦」と
聞こえたというのです。
うーん。確かに「大きい波」はこの絵をずばり言い当てている。でもなあ…。
妙な気持ちになっていると、彼は言いました。
「日本人が話しているのを聞いていると、「大きい」も「沖」も同じように聞こえるんだよ」
確かに英語は日本語に比べ母音の数も豊富で厳密に発音し分けます。
例えば、英語では、oとohとouは違う発音で、これを間違えると違う単語になってしまいます。
それに比べ日本語は、母音があいまいに発音される傾向にあるかもしれません。
「王様」は、平仮名では「おうさま」と書きますが、会話の中では「おーさま」と発音しても通じますよね。
「大きい」も日常会話では、「おきいねえ」に近い発音で話していることはよくあります。
母音を厳密に聞き分ける外国人にとっては、日本語の聞き取りにくい部分なのでしょう。
でも、考えてみれば、この北斎の名作、
「The Great Wave at Kanagawa 神奈川の大きい波」
という方が、外国人にとっては分かりやすいかもしれません。