言葉って面白い!

この日本語、英語でなんていうの?その奥に深い文化の違いが見えてきませんか。

ロボットの心

2007年10月21日 | 言葉
「ロボットってどんなイメージ?」
と西欧の人に聞くと、多くがベルトコンベアで運ばれる製品に、自動的にビスを止めたり塗料を塗ったりするマシンのことをイメージする、と言います。

日本でもそういうイメージがないわけではありませんが、どちらかというと、日本ではロボットといえば、鉄腕アトムやドラえもん、あるいはホンダが開発したアシモ君のように、二足歩行の人間のようなロボットを想像するのではないでしょうか。

robot=ロボットという言葉は、チェコのカレル・チャペックという劇作家が「ロッサム万能ロボット製造会社RUR」という劇中で使った造語がその始まりと言われています。
robotの語源は「強制労働」という意味で、そもそも西洋ではロボットは人間の代わりに厳しい仕事をするための道具として認識されていました。

しかし日本では、ロボットは人の形をしていて、きっと未来には人の心すら持つロボットが生まれるはずだという意識が強いです。
アトムなどの漫画やアニメの影響が大きいのでしょう。

しかしもっと歴史をたどれば、江戸時代には「からくり人形」と呼ばれる機械仕掛けの人形がありました。
これらは、電気こそ使っていませんが、人の形をしていて、ぜんまい仕掛けでお茶を運んだり芸を見せたりして人々を喜ばせました。
「強制労働」というよりも「人間の友達」といった感覚でした。

日本人は、元来生物でない「モノ」にも魂が宿る、ということを信じられる精神性を持っていました。
山は神様であり、木々には精霊が宿り、一粒一粒の米にも神がいると考えられてきました。
そうした自然信仰の社会では、人型の人形やロボットに、人の心や魂が宿っていてもなんら不思議はないと考えることができるのです。

同じ言葉を使っても、洋の東西で捉え方はずいぶん違います。
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日ハム、梨田新監督の言葉

2007年10月21日 | スポーツ
中日ドラゴンズが巨人を三連勝で下し、日本シリーズ進出を決めました。
これで日ハムと中日の、二年連続同一カードでの日本シリーズが決まりました。
昨日から今日にかけての野球の話題は、このことで持ちきりです。

その陰に隠れ目立ちませんでしたが、日ハムの新監督・梨田昌孝さんの北海道での記者会見の様子が報道されました。

かつて近鉄の名捕手としてならした選手で、その後近鉄の監督も務めていました。
なかなかの男前で、選手時代は女性ファンも多かった人です。

会見ではこんな言葉が出てきていました。

「日本一のチームを率いるというプレッシャーを感じる」。
「選手たちにはプレッシャーを感じさせたくない」。
「それぞれの選手の潜在能力を引き出し、個性ある集団にしたい」。

かつて近鉄の黄金時代の中心選手だった梨田さんらしい言葉ばかりです。

二年連続パリーグを制した時代、近鉄は超個性派集団でした。
一番ながら三十本のホームランを打つ平野。
かがむような独特のフォームの小川。
セパ両リーグでのホームラン王を獲得したマニエル。

そんな中で、ひときわ個性の強かったのが梨田選手の「こんにゃく打法」でした。
打席に立つと、バットも体もぐにゃぐにゃとゆれ始め、その動きの中から鋭いスイングが生み出されます。
普通の監督やコーチならノーマルな打ち方に修正するところですが、当時の西本監督は選手の個性を重んじ、のびのびとプレーさせていました。
その指導方針が、個性的でありながら、破壊力抜群の強力な打線を築いていました。

その経験を持つ梨田監督だからこそ、今になってもこうした言葉が自然に生まれるのだと思います。



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