もうすぐ5月。風はまだ冷たくても、日差しはだんだんと強くなり、校庭の桜の木もほころびはじめ、前庭の芝生は緑のじゅうたんを敷きつめたようになってきた。
ぼくの目は病院へ2回行っただけで治ってしまった。2度めの病院でのことは、決してだれにもいうまいとちかっていた。
ぼくはどんなことでも秘密にしていられない方だ。だからだまっているのはとてもつらかった。タカシといっしょのときなど、つい口に出しそうになって、ぼくは何度も自分の口をおさえた。
カズミさんはそれからも、学校ではいつもとまったく変わりなかったが、ぼくはずっと気になっていた。
委員長になれないといったこと、キヨシがふざけたときのあの切羽つまったさけび声、そしてお母さんの入院、この3つがどうつながるのだろう。それから、タカシがいった転校ということ、これが一番気がかりだ。カズミさんがこの学校からいなくなるなんて、そんなのは絶対にいやだ。
ぼくの目は病院へ2回行っただけで治ってしまった。2度めの病院でのことは、決してだれにもいうまいとちかっていた。
ぼくはどんなことでも秘密にしていられない方だ。だからだまっているのはとてもつらかった。タカシといっしょのときなど、つい口に出しそうになって、ぼくは何度も自分の口をおさえた。
カズミさんはそれからも、学校ではいつもとまったく変わりなかったが、ぼくはずっと気になっていた。
委員長になれないといったこと、キヨシがふざけたときのあの切羽つまったさけび声、そしてお母さんの入院、この3つがどうつながるのだろう。それから、タカシがいった転校ということ、これが一番気がかりだ。カズミさんがこの学校からいなくなるなんて、そんなのは絶対にいやだ。
(夕日の向こうに…19)に続く…