徘徊オヤジの日々是ざれごと

還暦退職者が、現在の生活と心情、そしてちょっとした趣味について綴ります。

夕日の向こうに・・・18

2017-09-22 07:17:14 | ・夕日の向こうに
 もうすぐ5月。風はまだ冷たくても、日差しはだんだんと強くなり、校庭の桜の木もほころびはじめ、前庭の芝生は緑のじゅうたんを敷きつめたようになってきた。

 ぼくの目は病院へ2回行っただけで治ってしまった。2度めの病院でのことは、決してだれにもいうまいとちかっていた。

 ぼくはどんなことでも秘密にしていられない方だ。だからだまっているのはとてもつらかった。タカシといっしょのときなど、つい口に出しそうになって、ぼくは何度も自分の口をおさえた。

 カズミさんはそれからも、学校ではいつもとまったく変わりなかったが、ぼくはずっと気になっていた。

 委員長になれないといったこと、キヨシがふざけたときのあの切羽つまったさけび声、そしてお母さんの入院、この3つがどうつながるのだろう。それから、タカシがいった転校ということ、これが一番気がかりだ。カズミさんがこの学校からいなくなるなんて、そんなのは絶対にいやだ。

(夕日の向こうに…19)に続く…