徘徊オヤジの日々是ざれごと

還暦退職者が、現在の生活と心情、そしてちょっとした趣味について綴ります。

北海道の里山をあるく・・・52

2015-08-31 04:43:31 | 北海道の里山をあるく
小樽市・神居コタン

 先日張碓へ行った際は海岸まで出られなかったので、近くで海まで行ける道がないかと地図を見ていると、少し小樽寄りに神居コタン(本来は漢字なのですが、私が使っているパソコンではタンという漢字が出てこず、カタカナにしました)という場所があって、海まで小道がついているので、さっそく行ってみました。

 そもそも神居コタンとは、アイヌ語で「神様の住むところ」という意味で、調べてみると道内に3カ所あるといいます。

 名称からすると、それなりの景勝地で、案外観光スポットになっているかと思っていたのですが、国道のすぐそばだというのにまったく観光化されておらず、鉄道の張碓トンネルの上を通って海岸まで出たのですが、景色はすばらしくて、とてもすてきなところでした。


海岸の様子(岩礁にウミウがたくさんとまっている)


張碓トンネルの札幌側入り口


←2万5千分の1地形図「小樽東部」「張碓」より

←このあたり

あらしの夜明け・・・79(第5章・・・16)

2015-08-28 05:42:38 |   (第5章 たたかい)
<私もおぬしを信じてなわをといた。これで双方対等になったわけだ>

「2人を放してくれたことには感謝する。しかしそれでわれらがほこを収めることはない。おまえたちがどんな風にしてこの国へ来たのかはタカトから聞いた。われらの望むところではなかったが、来てしまったものは仕方がない。帰れといってもむりなのはわかっている。ただこの国に住む以上、われらのくらしをおびやかすのはやめてほしい」

<たしかにわれわれは森を焼き、谷の木を切った。それはわれわれの大切な食べ物である米を作るためだ。だがわれわれもこれ以上森を焼こうとは思っていない。われわれにこれだけ分けてくれるだけでいい>

「そんな約束など信用ならん。おまえらは少しずつ少しずつわしらの土地をうばっていったではないか。これからもそうするつもりなのだろう」

「そうだ、これでいいなどというのはうそに決まっている」

 スクがいうと、グズリもから元気を出していった。

(あらしの夜明け…80)に続く…

北海道の里山をあるく・・・51

2015-08-24 06:54:10 | 北海道の里山をあるく
千歳市・千歳川と王子製紙第四発電所

 千歳付近の地図を見ていて、千歳市街近くでぐるっと周回できる面白そうな道を見つけ、さっそく行ってきました。駅から千歳川に沿って歩き、王子製紙第四発電所を見て、ママチ川沿いに戻りました。

 このあたりの道はあちこち立入禁止になっていましたが、「歩きならいいだろう」と柵を乗り越えて進んで、人も車もいっさい通らず、とても静かな山歩きが楽しめました。また発電所付近も案外すてきなところでした。

 ママチ川では釣りをしている人がいて、「この先でクマがうろついている」といっており、いざとなれば荷物を捨てる(クマが気をとられている間に逃げる)つもりで、いつもはザックに入れているサイフ等を身につけ、ホイッスルを吹きながら、決死の覚悟で通り抜けました。

 それにしてもこれまでは、ときどき山道で「熊出没注意」という看板を見てもいっさい気にしていなかったのに、これからは本気で気にしなくては、と思いました。

 帰りには、先月リニュアルオープンしたばかりの千歳市水族館と有名なインディアン水車を見てきました。


青葉公園につながる”おはよう橋”下の千歳川


王子製紙第四発電所


発電所付近の苔むした小道

←2万5千分の1地形図「胆振蘭越」「千歳」より

←このあたり

あらしの夜明け・・・78(第5章・・・15)

2015-08-21 05:41:00 |   (第5章 たたかい)
「どうしてタカトも?」

「私、どちらの味方もできない。いくさになるとはっきりしたので、森の中にかくれていた」

「そこでわしと会ったというわけじゃ。話はタカトから聞いた。この場のやりとりも聞かせてもらった。グズリ、おまえは調子にのりすぎじゃ。まずは相手のいい分を聞くのが筋じゃろう。そうだろう、スク」

 カムエク村の長老のことは、偉大な呪術者としてニムシリ村でも知らない者はいない。スクも従わないわけにはいかなかった。

「タカト、われらと彼らの言葉の仲立ちをしておくれ」

 長老の計らいによってタカトを中にはさんで、カニイとスクたちとの間で話し合いがもたれることになった。

「カニイとやら、まずは2人の人質を返してほしい。そうでないと同じ立場で話すことはできん」

 先にモノブがいった。カニイはしばらく考えていたが、思うところがあってか、男に命じてなわをといた。自由になった2人はモノブのもとへかけ寄った。

「カニイ殿、寛大な処置かたじけない」

 思わず感謝の言葉がモノブの口からでた。

(あらしの夜明け…79)に続く…

北海道の里山をあるく・・・50

2015-08-17 07:02:07 | 北海道の里山をあるく
札幌-恵庭市・ラルマナイ川と漁川(いざりがわ)ダム

 この日は札幌から支笏湖へ向かう道の途中から東に折れ、ラルマナイ川および漁川に沿って恵庭まで、全部で30kmほどを8時間かかってようやくたどり着きました。

 真駒内から支笏湖までの国道453号線に沿ってサイクリングロードがあり、前半1/4はそこを歩き、後半3/4は道道117号線を恵庭駅まで歩きました。

 恵庭市から千歳市にかけてはどこも支笏湖周辺の火山からの灰が堆積した地形で、厚さは支笏湖近くでは100mにもなるといいます。それが硬い岩石に移り変わって、いくつもの滝が連続する変化に富む地形が観察できます。

 また滝のすぐ下流側には漁川ダムおよびえにわ湖もあります。1980年に完成した、洪水防止・農業用水・上水道供給のための多目的ダムで、石を積み上げて造ったロックフィルダムです。

 以下の滝の写真はいずれも、ラルマナイ川およびその支流にかかる滝で、上流部より、


白扇(はくせん)の滝


上から見た白扇の滝


ラルマナイの滝


三段の滝


石を積み上げた漁川ダムとえにわ湖




   ←2万5千分の1地形図「石山」「空沼岳」「島松山」「恵庭」より
←このあたり