徘徊オヤジの日々是ざれごと

還暦退職者が、現在の生活と心情、そしてちょっとした趣味について綴ります。

星のしるしの勇者・・・9

2018-04-27 08:09:34 | ・星のしるしの勇者
 サマナはそんな風に与えられた運命を受け入れている奴隷たちをあわれに思った。そして同じ運命に取り込まれようとしている自分に歯ぎしりした。

 元気になったサマナは先輩の奴隷といっしょに、船づくりの作業場で働かされることになった。仕事は運び込まれた丸太を、2人がかりで大きなノコギリでひいて何枚もの板にすることで、単純だが一番力のいるつらい作業だった。

 サマナは歯をくいしばってノコを引き続けた。いつも海にもぐって漁をしていたので、体力には自信があった。それでも一日働くと、両手にはいくつものマメができ、全身がいたくて立っているのもやっとだった。

 まる一日くたくたになるまで働いて、タロイモと小魚の貧しい食事をして、死んだようになって眠る。版で押したような生活が何日も何日も続いた。それでもサマナはこのつらい作業にも少しずつなれていった。

(星のしるしの勇者…10)に続く…

北海道の里山をあるく・・・169

2018-04-23 15:24:19 | 北海道の里山をあるく
岩見沢市・旧石狩川

 春の水辺では、枯れ草のじゅうたんから草木が小さな芽を出してかれんな花を咲かせていたり、またハクチョウやカモなどの水鳥たちの姿もあり、ときにはカエルの卵を見ることもあります。とても気持ちがよくて、このところ私は郊外の水の近辺ばかりを訪れています。

 最近国土地理院の最新のネット地図を見ていて、私がもっている2万5千分の1地形図には記載されていない、新しい小道がついていることに気づきました。

 岩見沢市の幌向駅の東側には旧石狩川と名前のついた河跡湖があって、中間にある中州には水門もあってなかなかよいところなのですが、その北方の湖沿いに小道が続いていて、さらに北側には「お茶の水排水路」という水路があります(どうしてこんなところにこんな名前の水路があるのでしょう?)。面白そうなので行ってみました。

 この日も暖かで、キタキツネやオジロワシの姿も見られました。お茶の水排水路は大きくて立派なもので、近くにお茶の水町という地名があって、名前はそこからとったのでしょう(もともとは東京・お茶の水に住んでいた人たちが集団移住したのでしょうか)。


旧幌向川


旧幌向川沿いの小道(正面は樺戸連山?)


旧石狩川にある水門


お茶の水排水路と旧石狩川の合流部


←2万5千分の1地形図「江別」「栗沢」より

←このあたり

北海道の里山をあるく・・・168

2018-04-19 07:37:31 | 北海道の里山をあるく
浦臼町・町北方の河跡湖

 春は本当に歩きやすい季節です。よく「春と秋はどちらが好きですか」と対比されますが、私は断然春です。春は周囲の草も枯れて倒れ、まるでじゅうたんを敷きつめたようです。うららかな日差しの中、ところどころに残雪があるのもよいものです。

 ずいぶん以前に書店で多色刷の2万5千分の1地形図を見かけて、さっそく買い求め、出かけていったことがあります。最近またその地図をながめているうちに、行ってみたくなりました。

 浦臼町市街の周辺には水田地帯が広がっていますが、たくさんの沼(河跡湖)もあります。以前は町南方の沼を見に行ったのですが、北方にも面白そうな沼が点在していて、名前のついたものだけでも、トイ沼・ピラ沼・鶴沼公園(内の沼)とあります。

 この日はとても暖かで、ハクチョウやアオサギ、カモやカッコウ(ツツドリ?)などたくさんの野鳥の姿も見られました。


街の西側にそびえる樺戸連山


トイ沼


ピラ沼(とカモたち)


エゾエンゴサクの群落


←2万5千分の1地形図「浦臼」より

←このあたり

星のしるしの勇者・・・8

2018-04-16 07:45:35 | ・星のしるしの勇者
「ごめん、つらいことを思い出させて。でもみんな、どうしてにげ出さないのだい」

 テミーはサマナの口をおさえて、ささやくようにいった。

「逃げ出しても、ここは島国だからどこへも行くところがないのよ。それに、このほおのしるしがある限り、どこへいっても、つかまるとひどい目にあわされるの。ほら、あの男の人が足を引きずっているのも、それが原因なの」

「そんなことって‥‥」

「しかたないのよ。それがいくさに負けた国の者の運命なのだから。でも、ここのご主人はまだやさしいほうよ。ほかの家の奴隷はもっとひどい仕打ちをされているっていうわ」

 テミーはむりに明るくいった。

(星のしるしの勇者…9)に続く…

北海道の里山をあるく・・・167

2018-04-12 07:20:54 | 北海道の里山をあるく
岩見沢市・クッタリ排水路
 
 先日は長沼用水沿いを歩いて、とても気持ちよく、同じような用水路はないかと地図を見ると、岩見沢市の南方にクッタリ排水路という水路があって、さっそく行ってみました。

 そもそも用水路と排水路とはどこがちがうのかと思って調べてみると、用水路とは川水を農地に供給するためのもので、下流にいくほどせまくなって、一方排水路は雨水を川に流すための水路で、下流にいくほど広くなると書かれていました。

 この日は天気もよく気温も高かったのですが、風が強く、案外寒い日でした。クッタリ排水路は、よく見られる道路わきの水路を少し大きくしたものにすぎず、水はほとんど流れていなくて、(たぶん下流から上流に向かって歩いたと思うのですが)ずっと同じ大きさでした。


クッタリ排水路


旧幌向川


清真布(きよまっぷ)川沿いの池(遊水池?)


←2万5千分の1地形図「栗沢」より

←このあたり