徘徊オヤジの日々是ざれごと

還暦退職者が、現在の生活と心情、そしてちょっとした趣味について綴ります。

北海道の里山をあるく・・・86

2016-05-28 07:49:45 | 北海道の里山をあるく
伏古拓北通から丘珠へ

 この日は近場の札幌市街を歩いてきました。

 札幌北東部の伏古公園は藤の花のトンネルがあることで知られ、またこの公園から北方には、伏古拓北通と名づけられた、広い中央分離帯に遊歩道が設けられている道があります。調べてみると、ここは別名パープルロードともいわれ、札幌の名所の一つになっているといいます。

 ちょうど花の時期なので、藤の花を目当てに行ってきました。

 しかし公園内の藤棚はほんの少しで、そのかわり隣接する伏古拓北通の中央分離帯にはたくさんの藤棚があって、見事な花を咲かせていました。

 丘珠空港付近には背の高い建物はなく、空港緑地帯やタマネギ畑が広がり、ずいぶん田舎に来た雰囲気でした。


伏古拓北通の見事な藤棚


近くを流れる伏龍川


←昭文社発行1万5千分の1「北海道道路地図」より

←このあたり


おじいさんと行商の薬売り・・・20

2016-05-22 09:17:35 | ・おじいさんと行商の薬売り
「ええい、だまれ! わしはもうもう何もかもお見通しだ。だまれ!」

 おじいさんはびっくりするような大声を上げました。そんな声を聞くのはおみよには初めてのことです。やさしいおじいさんの顔がまるで鬼のような形相に変わっています。

 おとう、何ておそろしい顔なの、おとう。そんなにしてまであたしを町へ行かせたいの‥‥いいわ、わかったわ。あたしが行けば、おとうのひざも治るのね。それでおとうが幸せになるなら、それでいい。あたしはどこへでも行こう。おみよはこう思いました。

「わかったわ、おとう。おとうがそれほどいうのなら、あたしは町へでもどこでもいきます」

 薬売りはニヤリと笑いました。

(おじいさんと行商の薬売り…21)に続く…

北海道の里山をあるく・・・85

2016-05-18 05:31:55 | 北海道の里山をあるく
小樽市・天狗山

 小樽の天狗山は市街地のすぐそばで、雄大な展望やスキー場で有名ですが、この日は観光道路を歩いて登り、スキー場のゲレンデ内を通って麓まで降りました。

 展望台からの眺望はさすがにすばらしく、小樽市内を一望できて、たくさんの観光客が訪れていました。

 しかしその先、見晴台や天狗山山頂を巡る森林浴コースは、この日はまだ準備中で出入り口にロープが張られていたのをむりにくぐって進んだのですが、歩いている人はだれもいなくて、距離は短くても静かで案外奥深くすてきなところでした。


第3展望台からの眺望


見晴台から見た松倉岩(?)


案外奥深い森林浴コース


←北海道地図KK出版2万5千分の1地形図「札幌・小樽周辺の山」より

←このあたり

   

おじいさんと行商の薬売り・・・19

2016-05-15 08:41:24 | ・おじいさんと行商の薬売り
「女中に‥‥どうして‥‥おとう、どうして急にそんなことをいうの?」

「こんな山奥で暮らすより、そのほうがずっとおまえのためにもなる。この男が全部手はずを整えてくれとるんじゃ」

「あたし、いや! 知らない町に女中にいくなんて。おとう、どうしてそんなところへ行かなきゃならないの? あたし、おとうのそばにいたい。お願い、あたしをここに置いて」

 おみよはおじいさんにすがりつき、泣いて懇願しました。けれども薬売りの言葉をすっかり信じ込んでいるおじいさんには、何をいってもむだでした。おじいさんの頭にはもう自分のことしかありません。

「おまえは与平のとこの息子とできているっていうじゃないか。そうしてわしを捨てて出て行く気なのだろう。それだったら、この男につれて行ってもらった方がなんぼいいか。そうすればひざの薬も支度金も手に入るのだから」

「おとう、何ということを。あたしが男とできているなんて‥‥だれがいったの? でたらめよ、そんなこと。あたしはずっとおとうのそばにいます。そう、わかったわ、その人がそんなでたらめをいったのね」

(おじいさんと行商の薬売り…20)に続く…

北海道の里山をあるく・・・84

2016-05-11 08:23:23 | 北海道の里山をあるく
札幌市・手稲山麓

 手稲山へは北側のJR手稲駅方面から登るのがふつうで、いずれのガイドブックにもそう書かれています。しかし地図には札幌市西区西野方面からの道も描かれていて、札幌から行くにはこの方が便利なのに、どうしてこの道は利用されていないのか不思議に思っていました。

 今回ネットで改めて見てみると、上記の道は途中で途切れています。おそらくこの道はもうだれも通らなくなって、もう廃道となっているのでしょう。その跡はどうなっているのだろうと思って出かけてきました。

 はじめは地図通りに進んでいたのですが、山に入ってしばらくして「王子製紙社有林で無断での入山禁止」と書かれ、地図上の道は「西野市民の森散策路」の一部となっており、たどっていくと北方の宮丘公園に着きました。

 時間があったので同公園の中も歩いてみたのですが、景色もよく、余計な遊具やスポーツ施設もなくてなかなかよい雰囲気で、ウォーキングの人もたくさん訪れていました。


西野市民の森内の散策路


公園展望台からの眺め


←2万5千分の1地形図「手稲山」「札幌」より

←このあたり