はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

大崩・廻沢林道から富士見峠へ

2014-01-22 19:47:48 | 低山歩き
                           鞍掛峠へ              歩行月日 H25-1-19(日)
 鉄道遺跡は諦めて石部峠に向かう事にし、以前は旧国道で現在県道416号の標識の所から林の中に入る。
林に入ると踏み跡があり、少し行くと見慣れた岡部のSさんの標識を見つけて一安心する。が一安心も束の間少々
越え難い倒木が現れる。前回はこの倒木は潜ったと思っていたが、今見ればとても潜ることは出来ず跨ぐしか
なかった。倒木の上に座るまでは良かったが、次に行くのに掴む所が無く苦労した。
少し前まではこれ位の倒木は何でも無かったのに、体が硬くなってきた今はこんな事でも手間取ってしまう。
歳は取りたくないものだ。

 
         旧国道の石部峠入口                         倒木

 この道は目印のテープやリボンが少なく、踏み跡の分からなくなる場所があるので、今回もテープを付けようと
思っていた。何しろ前回は下りで目印を付けながら歩いたのに、同じ日に登り返す時には結構悩みながら歩く
はめになった。そこで今日も目印を付ける積りでテープを購入したのに持ってくるのを忘れてしまった。
何とも情けない話だ。

 今日歩いて分かったが、この道は道を見失っても無理に踏み跡を探さなくても、分からなくなった時は、沢に
降りて踏み跡や目印を探しながら登って行けばよいし、そのまま沢を遡っても良い。
とはいえ目印を目にすれば心強い事は確かで、今日も前回自分の付けた目印を見つけて何回かホッとした。
ただ沢は途中で一ヶ所分岐していたので注意が必要で、そこは右側のメイン左の沢を進んでください。
また、ここを下る時は、沢を下へ下へと下れば、自然に車道に出てしまいまいます。

 峠までの途中に小屋が3軒とタンクがあるが、それらの建造物が全て右に見ながら歩きます。
そして3軒目の小屋まで来れば峠は目の前だ。

  
               小屋を右に見て行く                3件目の小屋

 大崩山塊にある公的標識のあるコースは全て歩いているが、そのうち3ヶ所だけは一往復しかしていない。
場所は全て花沢山に延びる簡保の尾根で、砂張屋の道標から元小浜の大崩海岸に下る道。花沢山から
用宗駅の道。そしてこの石部峠から旧国道への道だ。このうち花沢山と用宗駅の道は東海自然歩道のバイパス
コースになっているので歩く人は結構いる。
ただ私にとっては、用宗駅から花沢山に行くにしても、下るにしてもメリットが無い。途中は景色は見えないし
駅も藤枝駅から遠くなってしまう。それなら花沢山から簡保の尾根を歩き、焼津駅に出た方が変化もあり電車賃も
安くなるので、つい毎回そちらを歩いてしまう
 次に道標から大崩海岸は、周遊ルートができないので往復しなければならない。尤も今日のように旧国道を
歩けば良いが、今まではそんな発想がなかった。それに蛇を踏みそうになった事が潜在的に拒否感を生んでいる
ようだ。そしてあと一つはこの石部峠がから旧国道に出る道で、周遊ルートができないし、下っても何も見る物も無く
そのまま登り返さなければならなくて面白くない道だと思っていた。
それが旧国道下に鉄道遺跡があるなら話が変わってくる。そんな思いで今日は行ってみたのだが、自分の調査
不足で空振りに終わってしまった。

 石部峠から旧国道に下る標識は、手製の標識と焼津市の建てた標識と場所が違った所にある。手製の標識は
鞍部のあたる場所にあり、南は旧国道、北は花沢の水車小屋、東は花沢山、西は簡保下(焼津)の分岐の場所だ。
だが焼津市の標識の石部(旧国道)方面は、踏み跡の無いような林の中を指している。以前は踏み跡があったのか
知れないが、今は手製の標識に従って歩く人が多いようだ。私も一度焼津市の標識に従って歩いてみようと思って
いるが、いざその場所に来ると、くだらないと感じて歩いていない。

 石部峠から花沢に下る道は峠に標識が付いてから歩く人が多くなった。特に春には二輪草の咲く場所もあるので
歩く人が多くなってきた。

 峠を下り最初の農道を鞍掛峠の入口まで歩く。ここまで今日は一人の登山者にも会っていなかったが、流石
鞍掛峠は満観峰の銀座通りだ。幼児から年寄りまで、上る人も下る人も結構歩いていた。

 鞍掛峠で時間をメモしている間に、日本坂峠方面行く裏道から3組が下りてきて、1組が登って行った。
珍しい事だ。この道は知る人ぞ知る道で、今までここを歩いている人を見た事がない。何かあるのかな、
近々歩いてみなければ。

 
                 石部峠                              鞍掛峠

                          富士見峠へ
 鞍掛峠からは廻沢林道を下る。こっちに来る人はいないのでまた一人旅になる。
高草山の山頂に行く林道の分岐を過ぎ、鞍掛峠から25分も歩くと次の林道分岐にでた。
通行止めの標識の先の林道は枯葉が積り、最近は利用されていないようだ。
 橋の手前左に中部電力の送電線監視路の標識が見える。確か28号への標識のはずだが、と近づいて
確かめると間違いなく28号の標識だった。

 次に注意しなければならないのは、林道から山道に入る監視路の標識を見落とさない事だ。
最近車が走ったような形跡のない林道を5分も行くと、コンクリの壊れかけた橋の向こうに次の標識が見えた。
標識の行く手を見ると、傾斜が強い斜面で、まるで山が押し被さってくるような感じがする。しかし上に見える
山頂とおぼしき尾根は余り高くない。
あれが富士見峠の尾根? それにしては低いし近すぎる。きっとあそこまで行けば次の高台が見えてくのだろう。

 
                送電線28号鉄塔への分岐                28号への標識

 傾斜は急だが、道というか踏み跡は電光系にギザギザに付いているので助かる。所々には送電線の監視路で
見かける黒いプラスチックの土留めで道の補修が行われていた。
フト見ると杉の木に岡部のSさんの「高草山へ」の標識が目に付いた。ウンこれで安心だ。この標識には今まで
裏切られた事はない。ここまで若干あった不安も解消した。それにしてもSさんは凄い。この大崩山塊の裏道の
殆どにSさんの標識は付いているのではないだろうか。標識だけでなく山頂には山頂ノートを設置したり、山道の
補修までしてくれている。大崩山塊をホームにしている私は一番その恩恵を受けているのかもしれないな。

 そうだ思い出した、昨年暮れに島田千葉山の尾川丁仏参道を歩いているときも、このSさんの標識を見た。
間違いかと思ったが見れば見るほどSさんと同じ形態の標識だった。大崩だけでなく千葉山の方まで手を伸ばした
のだろうか。

 高度が上がり尾根に近付いてきた所に岩があった。その岩を見ると枕のように丸い形に膨らんでいるのが見える。
まさかこれが枕状溶岩か、とよく見ると丸い河原石と土砂が強い圧力で圧縮されて一体化したようにも見える。
となると安倍川の川床が隆起したのか。どちらにしても素人の私に分かる筈はないか・・・・・・

 それにしても急な登りだ、これではここを下るときは一苦労になるだろう。次にここを歩く時は上りに使った方が
良さそうだ。救いは立木が少なく明るい事で、石部峠のように暗くじめじめしていると歩いていても気分が沈む。
その点ここは坂は急だが明るいので、一歩一歩高度が上る感じ分かり歩き甲斐がある。
 先程から道が崩れ黒い土が出ている所に靴の足跡がある。クッキリした足跡で杖の先で触るとすぐ崩れる。
どうやら最近ここを歩いた人がいるようだ。これで増々安心する。

     
         中電の土留め補修              Sさんの標識              枕状溶岩?

 急な山道に入って25分で28号鉄塔のある尾根の下に出た。ここが富士見峠の尾根では少々早すぎるので、上に
行けば次なる尾根が控えているのだろう。それで尾根に鉄塔が見えた時はワクワクした。若しかして富士見峠と
池の平の間の尾根道かもしれないと。
アレー?尾根の上に出たが、出合った道は覚えがなかった。それは良いとしても、この尾根の先は谷があり次なる
尾根はその谷の向うにある。そんな馬鹿な、高草山から富士見峠の尾根の東側の尾根は、満観峰の444峰から
蔦の細道への尾根の筈だ。なのに有る筈のない尾根に出てしまった。
先入観なしに考えるなら、富士見峠のある尾根と、蔦の細道に続く尾根の間に、もう一つこの尾根が派生していてる
事になる。と正面に見える送電線のある尾根が富士見峠や北のピークの尾根で、反対側の樹間越しに見える尾根が
蔦の細道の尾根という事だ。合点はいかないがそれしか考えられない。

 
                尾根に鉄塔が見えた                 正面に見えた尾根は?

 北の谷底には集落の屋根が見える。あれは廻沢の集落なのだろう。北の山越しには南アルプスの白銀も見えている。
東側は満観峰や富士山が見える筈だが木が邪魔ををして良く見えない。南の方角は高草山になる筈だが、尾根が南に
向かっていて鉄塔が2基見えているだけで、高草山も山頂のアンテナも見えなかった。

  
                廻沢集落                      南アルプス

 鉄塔下で少し休憩し尾根を次の29号鉄塔に向かう。尾根の道は斜面の急な道と違い、最近手入れをしたかの
ように太い道が延びている。大崩山塊の中にまだこんな尾根道があった事が嬉しくなる。
29号鉄塔まで行くと南アの雪山がより一層見えてきた。こんな道を紹介してくれた松理さんに感謝だ。

 30号鉄塔まで来ると点検路の標識はあったが壊れていて、次の点検路の方角が分からない。ここで焦っては
駄目だと鉄塔の周りを一回りすると、登って来た所の対の方向に踏み跡があった。向きは変わるが道があればいい。
その道に入ると放置された茶の木が背丈より大きくなっていて、コンクリの水溜もある。
サー何処か分からないが廃茶畑があるという事は、いよいよ富士見峠付近に近づいてきた証拠だ。だが何故こんな
所に茶畑があるのか分からない。富士見峠に続く尾根の東側の傾斜は急で、今まで茶畑を見た事がないのだが。
マーいいや何処でもいいから富士見峠の尾根に早く出たい。

 
            30号鉄塔と壊れている標識               尾根道出合の道標

 木の枝に邪魔をされ写真のピントが合わなかったが高草山のアンテナも見えてきた。オッと今度は岡部のSさんの
標識もあった。富士見峠の尾根の何処に出るのか興味津々で足取りも軽くなる。30号鉄塔から3分も歩くと前方に
点検路の標識が見え、左右に延びる道も見えてきた。さてここは何処だ!
ウーン残念。出合った尾根道に岡部ライオンズクラブの石の道標があり、そこの「←池の平 富士見峠→」が目に
入ってしまった。もっと考えて当てたかったのに残念だ。それに標識につられて左側を見ると、そこは見知った
場所だった。
そう富士見峠から池の平向かう最初の登りの所で、少し移動して下を見れば富士見峠の標識が見えてきた。

 
               富士見峠                     富士見峠から満観峰越しの富士山

 峠に座り込み志太平野を眺めながら今歩いてきた尾根の事を考えた。
高草山を入れた周遊ルートは焼津側は簡単に出来るが、静岡側は同じ道を歩くようになってしまう。
だが今歩いて来た道を使えば綺麗に周遊ルートが出来る。
宇津ノ谷道の駅 - 廻沢林道 - 28号鉄塔 - 富士見峠 - 高草山 - 鞍掛峠 - 満観峰 - 
蔦の細道 - 宇津ノ谷峠 - 宇津ノ谷道の駅
どうですかこれなら余り無理なコースではないでしょう。でも他人に紹介するなら自分が歩いてみないといけないな。
何だかすぐにでも歩きたくなってきた。ヨシ!来週はこのコースを歩いてみよう。てな考えが湧きだした。


                       富士見峠から志太平野

 28号鉄塔付近の拡大図です。黄色が尾根を表していて、富士見峠から北に向かって延びている短い尾根があります。
その尾根の上には送電線も走っています。
28号の標識の所から尾根に掛けては等高線は狭くなっていて、如何にも急な登りかが分かります。
また鉄塔から見えた集落も廻り沢集落に間違いありません。鉄塔から正面に見えた尾根も高草山から北の-ピークに
延びる尾根に間違いなく、その尾根の上には鉄塔があるのも分かります。

              

最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (松理)
2014-01-23 20:03:55
 林道廻沢線付近から富士見峠までの道が大丈夫なようなので安心ました。
 1つ不明な点がありますので教えてください。
 大崩海岸沿いから野秋集落方面へ抜ける道のことですが,花沢山への道と交差する地点に,現在では「石部峠」という道標の類があるのでしょうか?
返信する
石部峠 (はぐれ)
2014-01-24 11:23:37
花沢の水車小屋と150線を結ぶ峠の手製の道標には
「石部峠」と書かれていた思います。
しかし写真を確認したところ、峠の写真では文字を確認する事が出来ませんでした。

松理さんのお蔭で楽しいルートを知る事が出来ましたので、昨日(23日)は
岡部-28号峰-富士見峠-高草山-鞍掛峠-三角点-満観峰-444峰-宇津ノ谷峠-安倍川駅を歩いてきました。
444峰側から28号峰も確認でき、ようやく地形を納得できました。
返信する
Unknown (松理)
2014-01-24 17:13:55
 「石部峠」の件ありがとうございます。
 下半分に書いてある大周回の縦走は面白そうです。その後も安倍川駅まで歩かれるとは健脚に感服します。
返信する

コメントを投稿