以下は前章の続きである。
近世、世界を支配していたのは白人だった。
自分たちは美しく優れている存在だと自負してきた。
しかし19世紀末、日清戦争を見て彼らは驚いた。
戦争と言えばモーゼの昔から相手を殺戮し富を奪い、女を強姦するものだった。
支那軍は確かにそうしたが、日本軍は略奪も強姦もなかった。
自分たちこそモラルの欠片もないことを思い知らされて以来、日本人を妬ましく思い、その粗探しに汲々としてきた。
日本軍はバターン死の行進をやった、南京大虐殺もやったと支那人の手も借りて日本の評判を落とそうとしたが、それが逆に自らの品性を落とす結果になっていることに最近やっと気づいてきた。
女の地位が低いと詰ってもアーサー・ウェイリーの源氏物語を知れば彼女らの社会的地位の高さが半端でないのを逆に知らされる。
そこにやっといいネタが出てきた。
捕鯨だ。
欧米は日本の何倍も捕鯨をやってきた。
鯨の油はいい。
精密機械に使え、凍らないから宇宙望遠鏡ハッブルにも使う。
ただ潤滑剤としては80年代、合成油が出来て捕鯨をやめた。
以来、「高度な知性を持つ人間の友、鯨を日本の捕鯨から守れ」が白人の格好の攻撃材料になった。
いい証拠が海も持たないスイスまでその輪に加わる。
日本は今度の国際捕鯨委で捕鯨再開にまた待ったをかけられた。
88年以来30年間、同じ繰り返し。
日本への妬みをひたすら、野生動物に愛を、資源の保護をとかの言葉で包む。
日本の主張は変わらない。
海のゴキブリこと鯨を適正量に保ち、海洋資源を保護する。
その意味で妬みの場でしかないIWC脱退は海のためにも望ましい。