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だから「震度2で外部電源喪失」と書くのではなく、「苫東厚真火力発電所が停電したため、外部電源喪失となったが、

2018年09月14日 16時01分33秒 | 日記

以下は高橋洋一氏のブログからである。

前文省略。

原発反対派は、泊原発が再稼働していなかったので、よかったという。もし再稼働していたら、北海道の電力ネットワークが機能不全になっているため、自動的に原発は停止、外部電源喪失となって、福島原発事故の再来、となったという指摘だ(いまは泊原発は再稼働していないので、燃料の温度も高くないため、外部電源なしで冷却可能だという)。

この意見の典型は、7日の東京新聞社説「全道停電 集中は、もろく危うい」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018090702000170.html)だ。この記事では、電力源の分散をいいつつも、原発はダメというちょっとわかりにくいロジックになっている。

 

特に、「今回の地震でも泊原発の外部電源は、震度2で喪失した。」という表現で、原発の危険性を強調している。

この書き方は、実はおかしい。

正しく言えば、泊原発のあたりの震度は2であったが、100キロ離れた苫東厚真火力発電所がやられてしまったため、全道の電力ネットワークがブラックアウトとなり、その結果、泊原発の外部電源も喪失したのである。

だから「震度2で外部電源喪失」と書くのではなく、「苫東厚真火力発電所が停電したため、外部電源喪失となったが、非常用電源が正常に作動したため、問題は起こらなかった、と書くべきだ。

これは、原発の賛否とは関係のない、客観的な事実である。

にもかかわらず反原発のスタンスをとるマスコミは、煽ることが先にありき、なのか、こうした客観的事実を正確に書かない。

9日朝のTBS「サンデーモーニング」でも、「3.11のように、震度2の地震で全電源喪失状態になった」といっていた。酷いものだ。

一方、原発推進派は「泊原発が再稼働していれば、苫東厚真火力発電所への過度な集中はそもそも解消されていただろうから、全道のブラックアウトは起こらなかった」という。

全体の半分の出力を担う発電所が落ちれば、全ネットワークが落ちるのは当然だが、泊原発が動いていれば、一カ所集中とはならなかったから、一部の地域が停電となるだけで、全道を巻き込む停電にはならなかった可能性がある、というものだ。

筆者には、後者の方が説得力があるように思えるが、いずれにしても、こうした議論は、北海道電力の当事者や政府も入れて本格的なシミュレーションを行うなど、科学的な議論を徹底的に行うほうがいい。秋の臨時国会で、この問題について与野党が活発な論戦を行うことを期待したい。

この稿続く。


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