以下は今週号のニューズウィーク誌の沖縄についての9ページに渡る特集記事からである。
記事のタイトルは、「沖縄、もう一つの現実 特集「怒れる沖縄」のイメージに隠された
反基地運動の様々な分断 「オール沖縄」に潜む不都合な真実とは」、である。
文中強調は私に拠る。
前文略
革新勢力の中核を成す労組は県民大会だけでなく、反基地運動全体にも大きな影響を与えている。辺野古移設反対の象徴としてメディアによく登場するのはカヌーだろう。移設予定地の立ち入り制限水域を示す浮き具を挟んで、海上保安庁のゴムボートと対峙する。
カヌー隊で海上抗議を連日行う弘田孝明(41)もまた、労組によって本上から派遣された1人だ。もともとは大阪の生コンクリート車の運転手。建設運輸関連の組合から各地の平和・反核運動に動員され、辺野古には昨年は計1ヵ月間、今年は正月明けから8月末まで派遣されているという。
現在、辺野古の反対運動は弘田ら「浜」での抗議と、キャンプ・シュワブのゲート前に座り込んで移設機材搬入を阻止する「陸」から成り立つ。
浜で「海上抗議」と称して制限水域に侵入する弘田らと海保職員とのずぶぬれの攻防はメディアにとって格好の絵柄だ。運動家らは海中撮影のために「マスコミ船」を用意し、「環境破壊」を示す水中写真を提供するなどメディア対策も怠りない。
実はサンゴ礁の群生は数キロメートル離れた沖合にあり、移設予定地に残るのは生態系に影響しない芽や死骸がほとんど。
それでももともと死んでいたサンゴの上に載ったコンクリートブロックの写真をもらうと、新聞は検証もなく「サンゴ礁を傷つけた」とトップニュース級の扱いで報じる。
後略。