以下は有数の読書家である友人に強く勧められて購読している本からの抜粋である。
見出し以外の文中強調は私。
前文省略。
また、トランプ発言における「日本の防衛は、核武装するかどうかも含めて、すべて自分の費用と自分の判断でやれ」というのは、アメリカの本音のかなりに近いところにある。
それのみならず、アメリカ防衛学会の(ケネス・ウォルツらの)主流派つまりリアリストと呼ばれる学者たちの見解、つまり「核拡散こそが世界平和に資する」という見方とも合致しているのだ。
そうはいっても、今や「サイバー攻撃」なるものが、地上のみならず、宇宙の人工情報衛星めがけて準備されている時代なので、単純な核拡散論ではすまなくなっている。
いずれにせよ、日本は自己の努力によって、可及的すみやかに、自衛の態勢を整えなければならないのである。
いや、それは防衛のことにとどまらず、日本が文明としての自尊と自立をいかに取り戻すかということにかかわる問題なのだ。
それは集団自衛を否定することでも外交努力をないがしろにすることでもない。
集団自衛・外交調整を実効あらしめるには、ということは相手に約束通りに行動させるには、当方に「チカラ」がなければならないということだ。
「外交協調」か「軍事威嚇」かという二分法の防衛論くらい下らないものはない。
「軍事力の裏付けなき外交」など、外交の暇つぶしの(あるいは偽善に満ちた)プロトコール(外交的儀式)の域を出ることはできないのである。
この稿続く。