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中国では、EPR、AP1000、さらにはフランスの設計を基に中国独自の改良を加え、海外輸出の目玉にする方針の華龍一号

2019年07月13日 17時47分48秒 | 日記

以下は前章の続きである。

原発で世界制覇の野望 

日本では、1996年に運転を開た柏崎刈羽原発6号機に初採用された改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)が既設原発における最新炉型であり、改良型加圧水型軽水炉(APWR)の建設計画もある。

一方、開発段階では日本原子力研究開構の高温ガス炉、高温工学試験炉(HTTR、出力3万kW)があり、その他に高速炉、核融合炉究も進められている。

中国では、EPR、AP1000、さらにはフランスの設計を基に中国独自の改良を加え、海外輸出の目玉にする方針の華龍一号といった第三炉の建設に加え、次世代原子炉温ガス冷却炉(HTGR)実証小型モジュール炉(SMR)の建設、さらに技術開発では、高速中性子炉(FNR)、トリウム溶融塩炉(TMSR)、進行波炉(TWR)、低温熱供給炉(LTHR)など様々な取り組みが意欲的に進められている。

特に次世代炉開発への取り組みは欧米や日本をはるかに上回る体制、スピードであり、世界の注目を集めている。 

EPRはフランスの旧アレバ(現フラマトム)の最新型PWR(出力166万kW)で、フィンランド、フランスに次いで、中国では2007年にCGNが70%、フランス電力(EDF)が30%を出資して台山核電合営有限公司を設立し、1号機は2009年12月、2号機は2010年4月に着工した。

フランスで建設中のフラマンビル原発はトラブルの影響で建設が遅延したが、先行していたフランスやフィンランドを追い抜いて、中国は今年629日に送電を開始。

現在、営業運転に向け作業が進む。 

AP1000は米国WHが設計した最新型PWR(出力125万kW)で、中国では浙江省・三門原発と山東省・海陽原発に各2基建設することで同社とSNPTCが合意、三門1号機は2009年4月、海陽1号機は2009年9月にそれぞれ着工した。

三門1号機は今年6月30日に送電を開始、現在、営業運転準備中。さらに、SNPTCはAP1000を改良して出力を140万kWに高めたCAP1400を開発、山東省・栄成石島湾に初号機の建設を計画している。 

華龍一号(HL1000)は中国が知的財産権を持つ第三世代炉で、CNNCは福建省・福清原発5、6号機を2015年5月、12月に相次いで着工。

CGNもCNNCとは炉心設計の異なる新型炉を開発し、広西壮族自治区の防城港3、4号機を2015年12月、2016年12月に着工した。

それぞれ安全システムやサプライチェーンに異なる点があるが、CNNCとCGNは設計を統合して、新たな華龍一号として中国内陸部や海外に積極的な展開を図る方針であり、原発輸出を目指す諸国にとって脅威となるとの見方が多い。


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