以下は月刊誌HANADA今月号の「総力特集 財務省文書改竄と朝日の罠」と題した特集からである。
私は4年前の8月から、長い間の購読をやっと停止した先日に至るまで、朝日新聞は監視の意味で購読していただけで、殆どみていなかったから、これほどの酷さだとは思いもしなかった。
昭恵夫人叩きは現代の魔女狩り
有本香
「昭恵氏」社説40本
3月16日、半ば予期していた嫌なニュースが目に入った。
安倍総理夫人、昭恵さんへの「脅迫状」が届いたという報である。
いわゆる森友問題が持ち上がったのは昨年2月、以来、1年以上にわたって「昭恵叩き」の報道が続いているのだ。
イタズラを含め、よからぬことをしでかす者が出る事態は、それなりに予想できた。
だが、意外なこともある。
この一年、主要紙のなかでもズバ抜けた頻度で、しつこいと言えるほど昭恵さんについて報じてきた朝日新聞が、事、この脅迫状の件だけは報じなかったのだ。
昭恵さんに対する朝日の「思い」の何たるかが透けて見える。
最初にはっきりさせておくが、いわゆる森友問題で、安倍昭恵さんは不正なことを一切していない。
むしろ、詐欺の容疑者である籠池泰典(本名・康博)と称する人物に名前を使われた気の毒な人なのである。
本稿を書くにあたり、急遽、編集部にご協力いただいて、この一年の朝日新聞の「昭恵報道」を振り返ってみた。
まず驚いたのは、凄まじいまでの頻度と記事の量である。
わかりやすい例を挙げると、この1年1ヵ月間に、朝日新聞が「昭恵」という名前を書いた社説は40本にも上る。
社説だけで40回。
驚異的な頻度だ。
過去に、政治家でもこれほど頻繁に朝日の社説に名前を書かれた人物がどれほどいたか。
もはや、「安倍昭恵叩き」は朝日の社論、という様相だが、同じ期間に社説以外での面でどれほど書かれたか、は正直数え切れない。
もう一つ、凄まじい一例として、昨年の3月14日の朝刊を挙げておく。
これは森友学園の籠池前理事長が、国会の参議院予算委員会に証人として呼ばれた翌日だが、この朝刊の異様さはまさに筆舌に尽くし難かった。
この日の朝日新聞朝刊は、1面から2面へと続く長文の記事、そして4面、さらに37面、39面、それでも足らぬとばかりに、社説から天声人語まで、計7ヵ所で「森友問題」を扱っていた。
この日、他にニュースはなかったのかと思うほど、まさに「森友一色」。
しかも一面の大見出しには、証言した籠池氏ではなく、「昭恵氏」の名が躍っている。
同じ1面の大見出しの左下にも、「野党 昭恵氏の招致要求」との見出しがある。
続く2面の大見出しも「昭恵氏渦中に」、4面には昭恵さんがフェイスブックにアップしたコメントを囲みで掲載し、37面では、大見出しは「籠池氏『昭恵夫人から口止めともとれるメール』」、次に大きな見出しは「夫人から財務省に動きをかけて頂いた」と、ここでも見出しは昭恵さん尽くし。
さらに社説でもう一度、「昭恵氏の招致が必要だ」と念を押している。
この時点ですでに朝日は、喚問された証人、籠池氏など眼中になく、昭恵、昭恵、昭恵と連呼し、昭恵さんをターゲットにしていたのだ。
あらためていま、この紙面を見返して、私は背筋が寒くなり、胸がムカムカしてきた。
これはまさに中世の魔女狩りだ。
「昭恵を火炙りにしろ!」
昨年3月から一年の間、ほぼずっと朝日新聞は、大衆を魔女狩りに煽動しようとしているのではないか。
この稿続く。