文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

最近受賞した万葉学者は、あの有名な歌人、山上憶良は帰化人だという説を岩波の『文学』に発表して

2017年06月25日 12時32分44秒 | 日記

以下は前章の続きである。

最近受賞した万葉学者は、あの有名な歌人、山上憶良は帰化人だという説を岩波の『文学』に発表して大きな反響を呼びました。

しかし、『万葉集』には、三韓征伐をした神功皇后を讃える憶良の歌がある。

それから「神代より 言ひ伝て来らく そらみつ 大和の国は 皇神の厳しき国 言霊の 幸ふ国……」と日本を讃える歌も憶良はつくっています。

当時そんな帰化人があろうはずがない。

彼は自村江の敗戦のあとの、半島引揚者でしょう。

そこに気がつかないのは、『万葉集』も読んでいない万葉学者ということになります。 

ことほどさように、戦後の日本の歴史学者や文学者は恐ろしくお粗末なことを言っている。長谷川さんがおっしゃるとおり、日本をおとしめ、中国や朝鮮を持ち上げるようなことさえ言えば、検証もせずに朝日や岩波が取り上げてほめそやす。

そして日本人に広がるという構造になっているんです。 

戦後の教科書は『古事記』『日本書紀』を取り上げないことにした。

だから教科書の古代史は、石器時代とか縄文・弥生時代とか、考古学ばかりです。

日本歴史学会の年表を見ますと、仁徳天皇陵があるのに仁徳天皇が出ていない。

長谷川 

現実に、大阪府内に前方後円墳の大きな陵があるのに、ですか。

渡部 

左翼の人に言わせれば、考古学では何も天皇陵である必要がないんです。 

神話なんてとんでもない、天皇の存在を裏付けることができるのは支那や朝鮮の史料だけで、そこに日本の天皇らしい人物が登場すれば、そのあたりから書くんですね。

しかし常識で考えても、大昔の支那人や朝鮮人が日本で何か起こっているか、知っているわけがない。

だから書くわけもない。 

感心するのは、明治で最初にできた東大の日本史の講座は神話から始めていることです。

神話を信じろというんじゃない、神話を無視すると説明ができない歴史的状況があるわけです。

神話を否定すると後の説明ができなくなるという立場をとっているんです。

長谷川 

美智子皇后陛下は『橋をかける』というご本のなかで、神話を勉強するということは大変大事なんだという趣旨のことをはっきりおっしゃっています。

神話そのものは現実であるわけではないけれども、日本の社会の何かを反映しているというのです。

渡部 

美智子皇后陛下が非常に偉いと思うのは、これもどこかでお書きになっていると思いますが、自分は弟橘媛の覚悟でいると。オトタチバナヒメは日本武尊を救うために船から身を投げた方です。ヤマトタケルノミコトは「あづまはや(わが妻よ)」と嘆いた。

もちろん、ヤマトタケルノミコトもオトタチバナヒメも、左傾化した教科書には絶対でてきません。そのころはまだ歴史時代じゃないというわけです。「あづま」という地名があろうと、「焼津」という市があろうと関係ないんです。

それについて書いた支那の文献がないんだから(笑)。


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