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2011年09月27日 10時47分14秒 | 日記
在日献金問題 背信の取引

菅と仙谷が「密会」した男


…前略。

わずか「25万円」で外相辞任なのだから、「100万円」以上の菅前首相も辞めざるを得ない。永田町では引責辞任論が一気に渦巻いたIそして菅前首相が窮地に追い込まれたまさにそのとき、大震災が起きたのである。
 
結局、献金問題は大震災でウヤムヤになったが、その後も菅前首相とK氏の関係は続いていた。いや、むしろこの問題によって、切っても切れない仲になってしまったと言ったほうが正確かもしれない。
 
こともあろうに、冒頭の「韓国の客人」との会合は、献金問題の当事者である在日韓国人K氏が、菅前首相の在任中から再三、求めていたことだったというのだ。
 
「K氏は菅さん側に、相当なプレッシャーをかけ続けていました。K氏としては、菅さんを韓国の大統領に会わせてやったのも自分だし、今回の献金問題でも菅さんのために逃げてやっているというスタンスで、菅さんが『客人』と面会するのは当然だと思っていたフシがあります」(菅前首相周辺)
 
2人の“特殊な関係”を理解するには多少、説明が必要だろう。
 
菅前首相は民主党代表代行だった08年2月、韓国の李明博大統領の就任式に参加し、会談もした。これについてK氏は周囲に。「(会談は)オレが韓国側に掛け合って実現した」と触れ回っている。その事実関係はともかく、K氏が菅前首相に「貸し」があると考えているのは間違いなさそうだ。
 
さらに重要なのは、菅前首相が、くだんの献金問題に絡んで二つの「ウソ」をついたと見られていることだろう。
 
菅前首相は献金問題が発覚した際、K氏が韓国籍だとは知らなかったと言い続けている。献金を受けた際に「外国人だと知らなかった」場合は、政治資金規正法の罰則の対象にならないからである。

再び“登場”した 献金問題のK氏

しかし、本誌(6月17日号)が報じたように、K氏は周囲に、「(週刊朝日の最初の記事が出る数日前)菅さんから携帯で『何かあったら帰化したことにしてほしい』と頼み込まれた」と語っている。それが事実なら、菅前首相は本誌が献金問題を報じる前から、K氏が在日韓国人だと知っていたことになる。
 
加えてもう一つ、『菅前首相には、献金をK氏に返却した「日付」をごまかした疑惑もある。
 
菅前首相は「(報道を受け)弁護士が事実関係を確認し、3月14日に本人(K氏)と会って返した」と国会でも答弁した。
 
だが、本誌は、「週刊朝日の取材に驚いた菅さんサイドが掲載誌発売前日の10日、秘密裏にK氏側と接触して、領収書と引き換えに返金した」(永田町関係者)との情報をつかんでいる。
 
たかだか「4日」とはいえ、その食い違いには大きな意味がある。報道前に返金したということは、菅前首相がK氏の国籍をもともと知っていたことを意味するからだ。
 
大震災、そして原発事故によって日本が未曽有の国難に見舞われるなか、一国のトップリーダーが自らの権力維持のために一生懸命、“口裏合わせ”をしていたとすれば、呆れ返るほかない。
 
だからこそK氏は菅前首相のために「逃げてやっている」と認識し、この二つの「ウソ」を暴露されたくなかったら要求をのめーーとばかりに菅前首相側に迫ったというのだ。
 
「この問題でK氏との交渉にあたったのは、菅さんの代理人のA弁護士でした。Aさんも、さすがに首相在任中はマズいと思ったのでしょう。K氏に『(客人と)菅さんを会わせる』と約束しながら、のらりくらりと延ばしてきた。そうこうするうちに菅さんが退陣してしまったので、K氏は激怒したそうです。K氏は『要求をのまないなら。3月10日の件”をマスコミに暴露するぞ』と迫り、急きょ、実現したと聞いています」(菅前首相周辺)
 
それが冒頭でご紹介した“密会”だったわけだ。
 
さて、K氏の要求で菅前首相が会った「韓国の客人」とは誰だったのかも、本誌は突き止めた。
 
客人の名は「朴在圭」、韓国・慶南大学校の総長だが、ただの学者ではない。
 
同大は韓国における南北統一教育の中心的存在で、朴総長は、金大中政権の99年12月から1年4ヵ月にわたって統一相を務め、「太陽政策」を推進した実力者だ。00年6月に史上初めて実現した南北首脳会談では金大統領に随行し、その後も南北閣僚級会談の韓国側首席代表として北朝鮮と折衝にあたった。
 
韓国の”要人”である朴総長と菅前首相の面会に、K氏がこだわったのにはワケがある。語るのは、K氏を知る野党関係者だ。
 
「実は、朴総長はKとビジネス上のつながりもあるというんです。朴総長の信頼を得ることによって、Kはより多額の資金を動かすことができる。朴総長は、機会があれば政界復帰も狙っているようで、ぜひ菅さんに会いたいということだったらしい」
 
事実、朴総長との深い関係を示すように、K氏は「慶南大学校 碩座教授」の名刺を持ち、周囲にばらまいている。しかも、その名刺の住所は、K氏の関連会社が入っている千代田区内幸町のビルだった。

プライバシーで答えられません


冒頭の場面に戻ろう。
 
菅前首相との会合を終えた朴総長が、帝国ホテルのロビーで落ち合ったのはK氏だった。
 
その後、菅前首相の代理人であるA弁護士と合流すると、次に朴総長が目撃されたのは、A弁護士と通訳の3人で衆議院第一議員会館へ向かうところだった。そして、なんと、今度は民主党の仙谷由人政調会長代行と面会したのだ。
 
「朴総長は、仙谷さんの事務所で1時間ほど過ごし、上機嫌で事務所から出てきました。K氏は以前からA弁護士に、復興ビジネスに絡んで仙谷さんに話を通してくれとも頼んでいたようです。実際、この数カ月、K氏は『仙谷さんに会う』といろんなところで触れ回っていたそうです」(政治部記者)
 
さらにこんな話も。K氏をよく知る経営者が言う。「菅さんは”市民運動家”だから、ビジネスの話はまったくダメ。だから、Kはとっくに見切りをつけて、菅さんを飛ばして、仙谷さんに”陳情”しようとしていた。被災地の復興ビジネス絡みで、自分が関係する関東の土地を無償で提供するから、整備して仮設住宅を建ててくれないかーという案を仙谷さんに持ち込みたいと言っていましたが、結局、まとまらなかったようです。K本人は被災地の瓦傑撤去にも興味を持っていますが、なかなか難しいようです」
 
言うまでもないことだが、政治資金規正法が外国人献金を禁止しているのは、外国勢力が日本の政治に影響、関与することを防ぐためだ。ところが菅前首相は、自身の献金問題を隠すための「ウソ」が「ウソ」を呼び、結局、首相退陣から日もたたないうちに「外国人」の要求をのんだ。
 
しかも、政府の政策決定に大きな影響力がある与党の「政調会長代行」を務める仙谷氏までもが、その片棒を担いでいるとすれば、これを「国民への背信」と言わずして、何と言えばいいのか。
 
菅前首相、そしてA弁護士は本誌の取材に対し、「質問は、菅が特定の人間に会ったか否かに関するものでありますが、このような内容はプライバシーに係るものでありますので、答えることはできません」と答えた。また、仙谷事務所はこう答えた。
 
「朴総長とは、韓国の元統一相ということで、旧知のA弁護士の仲介で初めて会った。K氏のことはもちろん、今回の経緯や、菅さんを巡る話もまったくあずかり知らないことです」
 
K氏にも質問状を送ったが、締め切りまでに回答はなかった。
  
一方、本誌が朴総長に電話取材をしたところ、本人はこう答えるのだった。
 
「菅、仙谷両氏とは、北朝鮮の核問題について、日韓共通の関心事であり、お互いが協力して対応していこうという話をしました。菅氏からは、日朝関係改善策について意見を求められました。菅氏とはもともと知り合いで、今回会ったのは、K氏が間に入ったからではなく、個人的に連絡を取ったんです。K氏とは彼の親の世代、40年ほど前からの知り合いで、大学の学業研究も手伝ってくれているから名刺を持っている。ビジネスパートナーではありません」

いま政治家がなすべきことは、震災と原発事故で傷んだ国民の暮らしを一日でも早く立て直すことだ。自己保身に汲々として国益を忘れる政治屋に、国民の命を守ることなどできない。
     
本誌・鈴木 毅

*この週刊朝日の労作が検証した事を、推論して判断すれば、菅直人が「有罪」「無罪」のどちらかは、今朝の新聞を見れば、言うまでもないだろう。

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