以下は2018/5/6に発信した章である。
以下は今日の読売新聞の書評欄で、さまよう民主主義スティーヴ・リチャーズ著 アウトサイダーの台頭、と題した評者三浦瑠麗の文からである。
前文略。
しかし、問題は、変化を求めて潰さなくても良い政治家を潰してしまう一方で、代わりに選んだアウトサイダーの候補が、政権に就いたときに本当に必要な政策を進めてくれるとは全く限らないことだ。
中略。
常に権力に懐疑的なメディアが政治家を委縮させ既存政党は支持層に気兼ねしてしまう。
その結果、エリートの政治家は問題を正面から語ることを避け、曖昧な言葉に終始する。
かと思えば、人びとの気持ちに寄り添っていない言葉を軽々に発してしまう。
政策の観点からも、コミュニケーションの観点からも、既存政党が責められるべき点は多い。
しかし、そこで本書は重要な教訓を提起する。
メインストリームが萎縮したからこそ、アウトサイダーが入り込んできたのだと。
人びとはなぜ、自分たちが選んだ政治家に不寛容で、すぐに引きずりおろそうとするのか。
困難な課題が待ち受ける中で、万能な指導者など存在しない。
政治家はいま一度、自らの政策とイデオロギーを見つめ直し、人びとに届く説明をすることが求められているのだと。