文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

すると意外にも、菅氏の口から飛び出したのは、安倍首相とはまったく異なる人物たちの名前だった。

2018年06月01日 12時26分45秒 | 日記

以下は月刊誌HANADA今月号に、総力特集 安倍政権はなぜ強い、国民が安倍晋三を選ぶ理由と題して掲載されている長谷川幸洋氏の論文の続きである。

見出し以外の文中強調は私。

キーマンは菅官房長官 

そして実は、ここからが本当に重要な問題だ。 

安倍首相が独自の勉強を通じて正しい経済政策を理解し、それがアベノミクスに結実したとして、それが直ちに「安倍政権の強さ」に繋がるのだろうか。

私はそう思わない。

なぜなら、政権の強さとは政治の問題であって、経済政策の理屈の問題ではないからだ。

政治は理屈で動いているわけではない。

*NHKwatch9の本当に幼稚で愚かな桑子などはこの箇所を括目して読まなければならないのだが、彼らが、月刊誌を読むことは皆無だろうから言うだけ無駄な事で、彼らの番組は斜め観するか、観ないかするしかないのである。*

生身の政治は政治家や官僚、マスコミ、そして国民とのコミュニケーション、対話、駆け引きを通じて動いている。 

いくら理屈が正しくても、それを現実の政策のなかで活かしていくには、トータルとしての政治力が問われるのだ。

安倍政権に照らして言えば、私は「キーマンになっているのは菅義偉官房長官」であると思う。

そこは多くの人に異論がないだろう。

毎日二回の記者会見を通じて、世間に政権の考え方を発信しているのも菅氏である。 

そんな菅氏は、アベノミクスについてどうかかわってきたのか。

なかでも金融緩和の重要性について、どのようにして理解を深めていったのか。

安倍首相が本田氏や浜田氏、高橋氏らとの交流を通じて学んでいったのは先述した。

では、菅氏はどうだったのか。 

この点は、これまでほとんど明らかになっていない。

そこで私は直接、菅氏に尋ねた。

すると意外にも、菅氏の口から飛び出したのは、安倍首相とはまったく異なる人物たちの名前だった。

開口一番に挙げたのは、「それは田村さんの勉強会です」。

田村さんとは、参院議員(2009年まで自民党、その後離党し、民主党)だった田村耕太郎氏である。 

田村氏は自民党が下野していた当時、経済政策の勉強会を主宰していた。

それにもう一人、菅氏が名前を出したのは舛添要一氏である。

舛添氏もまた自民党参院議員として経済政策の勉強会を開いていた。菅氏は田村氏や舛添氏の勉強会を通じて経済政策、なかでも金融緩和の重要性を学んでいたのである。

菅氏は言った。 

「それ以前にも、小泉純一郎政権当時の『成長率金利論争』などを見聞きして、金融政策の重要性に関心があった。そこに勉強会の成果も加わって『この道しかない』と確信したのです」(成長率金利論争は2005年当時、総務相だった竹中平蔵氏が金融・経済財政政策担当相の与謝野馨氏や経済財政諮問会議の民間議員だった吉川洋東大教授らと繰り広げた論争。竹中氏は「正しく経済政策を運営すれば、名目金利が成長率を上回ることはない」と主張する一方、与謝野氏らは「楽観的だ」と批判した)

日本で初めての政権 

ここで重要なのは、安倍首相と菅宣房長官は、同じ人脈と経路を辿って「金融緩和の重要性」を認識するに至ったわけではない点である。菅氏自身も、「私は総理と別の枠組みで勉強していた」と語っている。安倍氏と菅氏はそれぞれ自分の人脈で研鑚を重ねた結果、同じ結論に辿り着いていた。

2012年の第二次政権発足前夜である。

これが何を物語っているのか。 

安倍政権のナンバー1とナンバー3(注・ナンバー2は副総理)は、たしかに政治的盟友である。

だが、肝心要の経済政策をめぐって「仲良しこよし」で一緒にやってきたから同じ結論に達したのではない。

それが世界標準の正しい政策だったからこそ、経路は違っていても正しく勉強すれば同じ結論になる。

そういう話なのだ。 

もしも菅義偉という人物がいなかったら、安倍政権はいまの安倍政権であり得たか。

あるいは、菅氏が安倍氏と同じように金融緩和の重要性を心底から理解していなかったら、いまの安倍政権であり得ただろうか。

私は、あり得ないと思う。 

たとえば、黒田氏の日銀総裁指名一つとっても、もしも菅氏が「財務

省・日銀に肩入れする守旧勢力」の反対に遭って政治的に妥協する判断をしていたら、安倍首相も苦しい立場になったに違いない。

だが、菅氏自身が「黒田就任」の重要性を確信していた。 

「なぜなら、財務官僚時代から黒田氏の主張はよく承知していましたから」(菅氏) 

菅氏だけではない。

安倍政権で要になっている政治家や官僚のほとんどが、アベノミクスの重要性を確信している。

単に「総理が唱えているから」という話ではない。

経済政策を正しく理解したうえで、彼らはそう確信しているのである。 

そんな政権はこれまでになかった。

私は、これこそが本当の「安倍政権の強さ」であると思う。

安倍政権は世界標準の経済政策を正しく理解した、日本で初めての政権なのだ。

この稿続く。


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