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除染で生じた土 減容 相次ぎ実証実験…日経新聞11月21日11面より

2011年11月21日 16時37分53秒 | 日記
東芝 酸でセシウム濃度1/10
鴻池組 貯蔵対象量7~8割減


…前略。東芝は金属製品の洗浄などに利用するシュウ酸の溶液を使い、土壌に含まれるセシウムを溶かし出す技術を開発した。95度程度に加熱したシュウ酸溶液の中に福島県内で採取した汚染土を入れ、セシウム濃度が1桁小さくなることを確認した。

国が定める基準値以下まで濃度を下げられれば、土は自然に戻すことができる。シュウ酸溶液に溶け込んだセシウムは鉱物を使って吸着でき、溶液は浄化処理に再利用することが可能。

東芝は車に載せられる小型の浄化システムとして実用化し、汚染地域で活用する計画。2011年度内に実証試験を始める。

同様の技術は新日鉄エンジニアリングや秋田大学も開発中。新日鉄エンジはセシウムを溶かし出すのに酸とアルカリを組み合わせて使い、セシウムは化学処理をした特殊な布を使って吸着する。秋田大の村上英樹講師は
リンゴなどに含まれるリンゴ酸を使う。年内に福島県の農地で実証試験を進める予定だ。

セシウムは土壌中では、砂よりも粒の小さい粘土と結びつく。鴻池組などはこの性質に着目し、汚染土を水で洗って粘土だけを分離する技術の実用化を目指す。洗浄後に脱水すれば「最終的にドラム缶に入れて埋めるなどの処置が必要な汚染土は20~30%に減らせる」(鴻池組)。粘土以外の砂などは自然に戻すことができる。


福島県内では土壌だけでなく学校のプールの水も放射性物質に汚染され大きな問題になっている。東京工業大学の有冨正憲教授らは、顔料の成分である紺青のフェロシアン化鉄と沈降剤を併用してセシウムを分離する技術の開発にメドをつけた。

約1トンのプール水を環境に流せる水準まで浄化した場合、残る沈殿量は約2キログラムになるとみており、大幅に減容できる。12月にも福島県内の学校で実証試験を始める。

こうした減容技術によって放射性物質そのものが減るわけではない。ただ、放射性物質を一定の領域に凝縮させれば、特殊な処理が必要な廃棄物の容量は大幅に減少する。

除染で発生する汚染土壌や廃棄物の量は、福島県内だけでも最大約3100万立方メートルと、東京ドーム25杯分に達すると試算されている。減容技術の確立が急務となっている。

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