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米国が急に新疆問題に対して人権問題として興味を持ち始めたのも孟宏偉がかかわっているのではないか、と習近平は疑っているとか。

2018年11月05日 23時13分30秒 | 日記

以下は前章の続きである。

習政権の疑心暗鬼

習近平政権が始まって以降、中国はICPOへの分担金を増やして根回しをしたおかげで、ICPO副総裁だった孟宏偉を総裁ポストに押し込むことに成功した。

初の中国人総裁である。

これは中国にとっての長年の夢であった。

ICPO総裁は国際的な犯罪情報に接することができ、総裁を通して中国もその情報を得ることができる。

習近平政権が反腐敗キャンペーンの一環として推進する「キッネ狩り行動」、つまり国外に逃亡した中国汚職官僚の摘発に必要な国際指名手配書をがんがん発行もできる。

こうして、習近平政権としては金も積んで苦労してようやく得た初の中国人総裁なのに、なぜ任期二年を残して、それを突然、拘束せねばならなかったのか。

各方面の消息筋の情報を総合すると、孟宏偉が米国への亡命を画策していたという説が、いまのところもっとも有力そうだ。

ICPO総裁にして中国公安次官が握る情報量は、たしかに半端ではない。

そのなかには、習近平ら現政権幹部やそのファミリーが海外に持つ不正蓄財資産情報なども含まれているかもしれない。

また、海南航空集団会長の王健が七月に南フランスの観光地で'事故死'しているが、この事件に中国当局がどのように関与しているか、といった情報も習近平政権のアキレス腱になりうるかもしれない。    

こうした情報は、米トランプ政権のような対中強硬姿勢を鮮明にしている政権にとっては、亡命とバーターできる絶好の手土産となることだろう。

トランプ政権が、中国のGE航空部門の企業機密を窃取していた江蘇省安全庁幹部のスパイ・徐彦君を逮捕することも、米副大統領ペンスがハドソン・インステイチュートで行った演説のなかで、中国が米国で行っている数々の対米世論分断工作や選挙介入を断定的に非難する根拠も、ひょっとすると孟が提供した情報によるのではないか、と中国側は疑心を持っているようだ。

ICPOが今年二月に世界ウイグル会議総裁のドルクン・エイサに対するテロリスト認定の指名手配を撤回したのも、米国が急に新疆問題に対して人権問題として興味を持ち始めたのも孟宏偉がかかわっているのではないか、と習近平は疑っているとか。

この稿続く。

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