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「そんなこと書いて済むと思うか!」という言い方でやられるわけよな。当時の編集長が「何だ!それでは戦前の新聞と同じじゃないか」と怒った

2018年07月14日 13時00分02秒 | 日記

林彪、拉致事件の内実
石川 広岡-秋岡時代の林彪事件報道のときの雰囲気を聞かせてもらえませんか。北京特派員だった秋岡さんは、林彪の失脚を否定しましたが…。
本郷 後に推理小説家になった伴野朗上海支局長が、中国の放送、新聞を地方でもあれこれ調べて、何かおかしい、林彪失脚があったらしいと『週刊朝日』に書いた。
石川 稲垣さんが副編集長時代ですか。
稲垣 その前です。すると、広岡にゴマをする社内の魑魅魍魎どもが、ワッと週刊朝日編集部に来て抗議した。「そんなこと書いて済むと思うか!」という言い方でやられるわけよな。当時の編集長が「何だ!それでは戦前の新聞と同じじゃないか」と怒った。当時の特派員だった秋岡氏は後で、西園寺公一の秘書から、実際に林彪事件があったのだと聞かされているわけだが、それは朝日の本社には伝わらなかった。
彼は辞めたあと、日中学院という語学学校に行った。朝日も金出してやったんだろ。日中学院の幹部に据えた。
本郷 そのあとも、人民日報の日本総支配人になったはずだ。
稲垣 北京支局長経験者で日本語版の中国の雑誌「人民中国」の編集幹部に行く人もあった。こうなると、北京のご機嫌を損じるようなことは書けなくなる。将来の就職のことまで考えてしまうからね。
石川 秋岡さん自身はその林彪事件のときに、失脚していないと、しばらく言ってた。後に笑われるわけですよね。そのことについてはご本人はどう受けとめてるのでしょうか。
稲垣 何も言ってない。都合が悪いことは黙ってるんだよね。
本郷 それで、何か言われりゃ、親分の広岡氏を指させばいいわけでしょ。
稲垣 広岡氏は広岡氏で「私が悪いのではなく、私は最大の被害者だ」と言うわけでしょう。でも広岡氏は中国のご機嫌を損じるようなことは書かなくていい、そこに、いるだけでいいと明言しているわけですよ。歴史の証人としていればいいと言っているわけです。でも秋岡氏は歴史の証人として、本当の歴史を書いたことなんかなかった。彼はもともと、外報部時代から、文章の書けない記者として評判だったんだよ。
石川 秋岡さんが?
稲垣 そう。文章、へたくそですよ。読んだらわかるよ。読むに耐えない。
本郷 外報部記者のなかには、えてして文章の書けない記者がいる。作業としては、横書きの資料を縦書きにしているだけという記者が案外多いんだ。結局、本多氏も秋岡氏も謀略や宣伝に関してはまったく無知で、それは広岡氏も同じだったと思う。ジャーナリストとしては失格です。
稲垣 慧眼の士を志すということがまったくないんだね。
石川 北の拉致問題の場合はどうなんですか。
稲垣 この問題では、朝日は明白なウソをついている。たとえば、産経より先に朝日が拉致問題を書いているという記事を出しているけれど、それは違うんだよ。
石川 久米裕さんに関して最初に朝日が報じたという記事(昭和52年11月10日)ですね。
稲垣 それは工作員の絡んだ拉致事件として書いているのではない。単なる密航事件として書いているわけだ。それを最初に拉致問題を書いたのは朝日新聞だと、金正日が拉致を認めた後で平気で紙面に載せるけれど、これは誰が見ても明白なウソなんだよ。ウソを平気で通してるうえに、しかもその記事のおかげで、朝日は名誉を救われたと書く馬鹿まで出てくる。
石川 縮刷版をめくって真偽を確かめるためには、かなりの手間がかかります。
稲垣 普通の読者は、記事を読んで、ああ、そうなのかと思って終わり。そういう読者の実態を、高をくくった上でウソを書くわけだ。だから、朝日新聞は眉に唾つけて読まなきゃいかん。まあ、その楽しみもあるけどさ(笑)。だけど、本当によくこんなにしらじらしいウソをつくなというのがある。


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